ジュズダマ

ジュズダマは子供の頃、実(み)を採って糸を通し数珠(ジュズ)を作ったり、この実を入れてお手玉を作って遊んだ昔懐かしい植物で、ジュズダマの名の由来も子供達が数珠を作って遊んだ事から来ている。
実(苞鞘)は花が終わると緑色、黒褐色や灰色に色づき、硬くなるので、これを数珠(じゅず)のようにつないで遊ぶ。

ジュズダマの実(苞鞘)

現代ではこの遊びを知っている人も年々少なくなってきており、散歩道のあちこちで鬱蒼と茂っているが、実を取る人も見かけない。
むしろ、ジュズダマの変種とされ、薬草で有名なハトムギの方が良く知られており、同じような実を付けるがジュズダマの様に硬くはならない。
ハトムギは利尿、消炎、鎮痛に薬効があり、民間療法のイボ取りなどにも使われる為、広く栽培されており、又ハトムギ茶としても知られている。
ジュズダマは稲の伝播と共に食用植物として渡来したと考えられている熱帯アジア原産のイネ科の帰化植物で、本州以南に広く分布している。
雌雄の小穂を付け、表題の写真に見るように、実の上のヒゲの様なものが雌しべ、左の黄色が雄しべである。
イネ科の花は皆同じ様な小さな花を付け、夏には稲が田んぼで、野ではジュズダマ、ホソムギ、ネズミムギ、畑にはトウモロコシ、山ではチヂミザサが咲き、いずれも拡大鏡で見ないと見えない程小さい。( 「チヂミザサは厄介者」 の項参照)
春から夏にかけては田で麦が栽培され、カラスムギ、イヌムギが野原で繁茂する。( 「ムギとその仲間」 の項参照)

   稲の花          ホソムギの花        トウモロコシの花

ジュズダマの花

これらのイネ科の花は上の写真の様にいずれも花には見えないが、その中でもジュズダマはその形で異彩を放ち、イネ科の中では最も花らしい花である。

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