九月に入ると山裾のあちこちでゲンノショウコが可憐な花を咲かせ始めるが、花よりも古来から高名な薬草として名がある。
特に下痢に良く効き、これを飲むと、たちどころに効果が現れる事から 「現の証拠」(ゲンノショウコ)
の名が付いたとされ、江戸時代の書 「本草網目啓蒙」 に 「根苗共に粉末にして一味用いて痢疾を療するに効あり。 故に現の証拠(ゲンノショウコ)と言う」 との記述がある。
貝原益軒の書 「大和本草」 にも 「よく痢を治す。赤痢に尤も可」 とあり、古くから有名な薬草であった(参照:e-yakusou.com)。
センブリ、ドクダミと併せ、三大民間薬とも呼ばれ、イシャイラズの別名もある。 タンニンを含み、ゲンノショウコ茶やゲンノショウコ風呂等、種々な用いられ方をし、胃腸、神経痛他、多岐にわたる薬効が謳(うた)われている。
ゲンノショウコはフウロソウ科の花で、ハクサンフウロ、アサマフウロ等他のフウロソウと同様に可憐な五花弁の花を付ける。
花は白花と紅花があり、関東は白、関西は赤系が多いと言われているがそれも地方によりけりのようである。
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