DQ10 バトエン指南

デッキ構築の考え方

どんなデッキにも相性はある

バトエンにおいて「最強」のデッキ/「これが正解」というデッキは存在しません。どのようなデッキにも苦手とするデッキが存在します。

苦手とするデッキを少なく、受けの広いデッキをつくることはもちろんですが、全てをカバーすることはできないようになっているので、事前にどれほど悩んでも、相性の悪いデッキが相手になってしまうことはどうしてもあります。

正解があるとすれば、今一番流行っているデッキに対して有効なデッキを組むことです。といっても、デッキ単位で「これをよく見かける」というものは今のところない印象ですので、エンピツ単位で「こいつはよく使われてる」と思うエンピツへの対処を考えて組むと良いでしょう。

その「正解」は当然、遷り変わっていくものですので、いい具合のデッキが組めても思考停止せず、定期的に見直していくことが大切です。

  • よく使われているモンスターはなぜ人気があるのか、安易に真似するのではなく、その強みを理解する。
  • それに対して有効なデッキを考えられるように、各エンピツの特徴を押さえておく。
  • 実戦での動向確認を欠かさない。

まずは全エンピツ使ってみる

エンピツを一通り眺めていくと、「うーん、こいつは使えなさそうだな……」と思うものもいくつかあると思います。

ですが、一通り使ってみた実感としては、どのエンピツもそれなりの使い道があります。少なくとも、他のエンピツの下位互換というような、完全に死んでいるエンピツは1本もありません。思ってもみなかったエンピツで思ってもみなかった使い方をされて、「なるほど」と唸ることもときどきあります(どんどん吸収していきましょう)。

一通りのエンピツを試すこと、「使えない」と思ったエンピツをどうしたら活かせるかを考えることは、あらゆる場面で思考の選択肢を増やすトレーニングになります。

  • 活きる局面が限定的過ぎる → 他のエンピツと組み合わせた布石で、その場面に誘導できないか考える
  • どちらのマーク狙いかがはっきりしない → クライマックスを任せられないか考える、攻めよりも様子見や壁としての有用性を考える
  • チェンジアタックが弱い → チェンジは2回しか使えないのだから、1本はチェンジアタックを使わない枠があるはず
  • これを引ければ強いけど、引けないと弱すぎる → 1位回数しかカウントされないので、1位以外価値はないと割り切れば、安定より一発屋の方が合理的という考え方もできる
  • 無理して使わなくても、こっちの方が分かりやすく強いじゃん → そういう奴はその分対策されやすい

負けた相手のデッキを試してみる

相手の思惑に見事にハメられて惨敗し、「ずるい!」と思ってしまうようなことがときどきあります。でも自分でも使ってみると……。

真似をしてはいけない決まりはないのだから、うまいことやられたと思ったら自分もやってみればよいのです。しかし、毎回そううまくいくわけでもなかったり、自分でやって初めて気付く弱点が見えてくると思います。弱点を把握したら、次に相手がそれをやってきたときは、もっとうまく対応できるはずです。

1、2ターン目で連続して自分が即死を喰らって惨敗し、ブチ切れるあまり●アサシンエミュー★パンドラボックス★ホークブリザードなどという即死デッキを組んでしまった経験がありますがw、使ってみて初めて3本ともHPが最低値(90)であることに気付いたりしました。

  • 即死/大ダメージ持ち → ランダム性が強く、誰かを不幸にできても一番嬉しいのは第三者で、自分は勝てないパターンが多い
  • ●はぐれメタルを蘇生/回復しまくる → 多段攻撃や会心などはぐメタ殺しの技は意外と多い、蘇生持ちはHPが低い
  • ●バサラーナに全部返された → 反撃確定はチェンジアタックのみ、やはりHPが低い、素早い●殺し/ブレス/呪文には無力

アンカーを決める

3本の組み合わせを考えるときに、まずはアンカーを託すエンピツから決めることが多いです。アンカーを決めたら、最後その1本になったときにどういう状況をつくれていればよいかを考えて、逆算的にあとの2本を決める決め方です。

なお、アンカーだからといって最後まで一切出さないのではなく、1回出して引っ込めて最後にまた出すということもありえます。(途中で先に出ていても、最後1本に残すエンピツを「アンカー」とします。)ただ、どのエンピツが残っているかという情報は、相手にとって大きな判断材料になってしまうので、出さなくて済むのなら出さない戦術を立てたいところです。

アンカーはクライマックスを迎えることが多いので、マークが関係ない観点で選ぶことができます。しかし、クライマックスよりも前に引きずり出されてしまう事態もよくあるので、想定は必要です。(●を攻めづらいエンピツをアンカーにするなら、前の2本で●を殺しておくなど。)

また、アンカーはタイマンが多い、お互いあとひと押しになっていることが多いというのも、大事な観点です。

  • ダメージ枠が多い/はずれ枠が少ない
  • マヒや呪い持ち
  • 素早い
  • ●攻撃も★攻撃もあり、通常時は狙いがはっきりせず使いづらい(クライマックスで化ける)

マークのバランス

バランス良くするのが素直な考えですが、あえて偏らせるのも面白いです。

最も素直な考えは、「●殺しの●」、「●殺しの★」、「★殺しの●」、「★殺しの★」から3本を選ぶことです(全てを網羅できないのがポイント)。ここから、攻撃対象のマーク、自分のマークそれぞれのバランスについて考えてみます。

攻撃対象マークのバランスをとる

●殺しと★殺しを両方組み込むということです。どちらかのマークが攻められると、相手は逆のマークに逃げる可能性がありますが、2回のチェンジと、2回の死亡交代をフルに使えば、★殺し→●殺し→★殺し→●殺し→★殺しのように5フェーズで追従することができ、「攻め手がなくなってクライマックスまで耐えるしかなくなってしまった」ということが減ります。

ただし、このゲームは相手に攻撃を当てるよりも、相手の攻撃が薄いマークに居続ける方が重要です。

もしくは、マーク指定のない「全員に」攻撃持ちを使うか、●攻撃と★攻撃両方の枠が同じくらいあるエンピツを使います。前者はその分火力が低めなことが多いです。クライマックスになるとメリットが失われるので、早めに使うとよいでしょう。後者は狙いがはっきりしない分強力なムラのあるタイプです。(クライマックスで化けるのは前述の通りですが、クライマックスはバランスが関係ないので、本節の趣旨からははずれます。)どちらも、相手のマークを追うことを意識する必要がないので、相手の攻撃を凌ぐ防御的な意識で出します。

攻撃対象のマークを偏らせる

3本とも●殺し/★殺しだけにするということです。逆のマークはどうやって倒すのかというと、第三者に倒してもらえばよいのです。

例えば●殺しの●で徹底的に場から●を排除して★だけを残します。そして、相手が★殺しの★ばかりで、以降は勝手に潰し合ってくれるのを眺める展開を狙います。

当然ながら、相手に●殺しの★がずらっと並ぶと絶望しますw。当たりはずれはありますが、やってみると思ったより勝てて、気分転換に試してみるのはありです。

自分のマークのバランスをとる

●と★両方のエンピツを両方組み込むということです。どちらのマークに逆風が吹いても、適宜安全なマークに避難することができます。

自分のマークを偏らせる

3本とも●/★のエンピツだけにするということです。当然、自分のマークが狙われると怖いものの、攻撃対象のマークを偏らせている人はあまり多くないため、どこかで攻め手が尽きる展開を狙います。

自分のマーク殺しを速やかに排除するために最大限の対処をするだけでなく、対処をできるエンピツがその前に頓死しないように注意を払う必要もあります。相手3人がタイミングをずらして波状攻撃をしてくると、苦しいのが難点。

やはり、攻撃対象マークの偏らせるのと同様、当たりはずれはありますが、やってみるとちゃんと勝てます。

HPの高いエンピツ/低いエンピツ

エンピツのHPは90〜160の範囲です(例外は●はぐれメタルの3)。HPの低い(90〜110くらいの)エンピツは1本までにしておくのが無難です。

基本的にこのゲームはHPが正義です。HPの高いエンピツは、低いエンピツに対して何もしなくても被弾1〜2発分のアドバンテージが最初からあります。

では、HPの低いエンピツは使わない方がよいのかと言うと、何かしら代わりのアドバンテージを持っています。しかし、逆に言えばそのアドバンテージを発揮しきれなければ(高威力攻撃/防御/反撃/回復/蘇生等をタイミングよく発動させなければ)、HPの高いエンピツに負けてしまう運用の難しさがあります。瀕死の相手に当てても意味が薄かったり、確実に引けるものでもありません。上級者用のエンピツと言えるでしょう。

1本までが無難としたのは、HPのアドバンテージを取り返すだけの大仕事ができるタイミングというのは確かにありますが、そうでないタイミングで引きずり出されてしまうリスクがあるからです。打たれ弱いエンピツは長居させるとすぐ死んでしまうので、複数入れてしまうとタイミングを合わせるのがますます運に左右されてしまいます。

素早さの高いエンピツ/低いエンピツ

エンピツの素早さは1〜12、15の範囲です。

素早さの高いエンピツは、代わりに低火力か低HPの傾向にあります。お互いダメージを与え合うだけであれば、行動順は関与しません。そのダメージで倒せる場合、状態異常で相手の行動を潰す場合、素早い方が有利です。そのため、終盤のとどめの刺し合いやクライマックスでは素早さが効いてきます。相手の「右をふる」妨害でも重要です。

素早さが低いエンピツは、代わりに高火力か高HPの傾向にあります。1〜2回行動を潰されてもアドバンテージの範囲内と割り切り、ここぞでどうしても攻撃を当てたいときはクイックケーキをうまく使っていきましょう。