DQ10 バトエン指南

バトル中の考え方

勝率の目安

勝率は頑張ると4割を超えます。頑張っても5割は厳しいです。

4人戦で全くの運勝負なら勝率は25%なので、実力が介在する余地は確かにあります。しかし、それでも5割に届かないので、割合としては負けることの方が多くなります。

このため、「しっかり考えてベストな選択をし続ければ絶対勝てる」という考えでやっていると、続かないでしょう。「もっと考えていない奴に運だけで負ける」というような裏切られ方も受け入れなくてはなりません。この辺りは麻雀に通じるものがあります。

勝率が3割から4割になった程度、地味で見えにくい成果に感じられるかもしれませんが、このゲームではこの数%の勝率の向上が「しっかり考えてベストな選択をした」確かな手応えなのです。真面目に追求したければ、勝率をしっかりと集計して数字を見えるようにするとよいでしょう。

逆に、「気楽にやってもガチな人とちょっとしか勝率が変わらないから、気楽に遊べる」という考え方もあります。でもやっぱり、勝ったときに「この勝利は、あの場面のあの一手が決め手になったから勝ったんだ」と明確に感じられる勝利を1回、2回と経験していくうちに、勝率へのモチベーションというのは自然と向上していくものです。

裏の裏のそのまた裏

考えている相手にも考えていない相手にも裏をかかれることはあります。でも、考えることは間違いではありません。

開幕、相手の1人が★殺し、他の2人と自分の3人は●を場に出していたといます。★殺しの人からしてみたら、攻撃が誰にも当たりません。そのため、1ターン目に●殺しにチェンジしてくることが予想されます。従って、自分は★にチェンジして避難するのが正解に決まって……いたら、このゲーム苦労しません。

ここで★殺しが居座る可能性はたくさんあります。

  • こちらがそういう思考をしてくることを予測した
  • よく分かっておらず、うっかりそのままにしてしまっただけ
  • 攻撃が当たらなくても、喰らうこともなさそうと、防御重視で傍観を選択した
  • 他のエンピツも、●に対して有効なものがなかった

ここでポイントとなるのは、相手が自分の読みを見抜いていようがいなかろうが、それ以前に全く考えてすらいなかろうが、裏目は存在するということです。よく考えて選択したはずなのに、いずれにしても結果は、自分から★殺しの攻撃に飛び込んでいってしまったことになります。

では、考えるだけ損で、むしろ無作為に行動した方が相手に読まれずよいのではないか……それは違います。確かに相手の計画を狂わせる行動かもしれません。でもそれは、相手の勝率を引き下げる行為にはなっても、自分の勝率を引き上げる行為にはなりえません。全員の勝率を25%に引きずりこもうとする、場をカオスにするだけの迷惑行為です。●アサシンエミューをただただロシアンルーレットとして使う行為などもこれに該当します。

現実的には、そういう相手もいれば、きちんと考えてくる相手もいます。環境に文句を言っても仕方ありません。その環境の中で少しでも勝率を25%から上げる努力ができるかどうかです。3人分の思考をトレースして、3人のうち誰か1人とでも噛み合えばいいやくらいでやるのがよいでしょう。また、ターンを重ねるごとに相手がどれくらいの思考をしているかが見えてきますので、1回のバトルの中でも適宜フィードバックしていきましょう。

攻撃よりも防御

一般論として、ダメージを与えることよりも、ダメージを受けないことを優先した方がよい場合が多いです。これも麻雀に通じるものがあります。

クライマックスより前に決着がつくことは稀なので、10数ターンの戦いを想定してください。自分のエンピツ3本のHP合計を15くらいで割ってみましょう。その数字が、それ以下に押さえなければいけない1ターン当たりの被ダメージ目安です。30いかないぐらいではないでしょうか。

しかし、チェンジアタックで40、50ダメージ普通に喰らいます。それを1ターンに複数受けることもありますし、70とか90とか喰らう攻撃もあります。残りHPを超えて過剰に喰らうような喰らい方ならいいんですけどね。

スピード決着を目指して目安計算の分母を小さくし、喰らってもよいダメージを上げる考え方もあります。しかし、相手は3人いるのでマーク構成もまちまちでしょうし、3人ともを効率よく削るのは難しいです。自分が1発被弾することと釣り合うのは、3人ともに同じダメージを与え返すことと考えれば(HP差や火力差があるので、少し雑な見積もりですが)、攻め重視で採算をとることが難しいのが分かるのではないでしょうか。

攻撃方向の構図

相手との1対1の関係は以下のパターンがあります。それを踏まえて全体の構図を脳内で描いてみましょう。

各エンピツの特徴が頭に入っていないとできないことですので、バトル前によく見ておくことが大切です。バトル中にも相手のエンピツの情報は見ることができるので、覚えていないエンピツが出てきたら落ち着いて確認しましょう。キラエンピツが揃う頃には自然と暗記できていると思います。

1対1のパターン


自分
相手
●殺しの●●殺しの★★殺しの●★殺しの★
●殺しの●潰し合い不利有利無害
●殺しの★有利共闘潰し合い不利
★殺しの●不利潰し合い共闘有利
★殺しの★無害有利不利潰し合い

自分と同じマーク殺しには共闘というパターンが、自分と違うマーク殺しには無害というパターンがありません。このため、例えば同じ●殺しでも、●殺しの●と●殺しの★では使い勝手が異なります。

潰し合いは、相手と互いの攻撃が向き合っている状態です。できれば消耗は避けたいので、チェンジが残っていれば逆のマークへの避難も視野に入れつつ、逆のマークよりまだマシな状況である場合、自分のそのエンピツを犠牲にしてでも相手のそのエンピツを共倒れにすべきと判断した場合に選択します。第三者(特に優勢な側)が漁夫の利を得ていないかには注意しましょう。また、100%片方のマークだけを攻撃するエンピツはないので、潰し合うつもりでいたら自分の側だけ攻撃が裏目のマークへ行ってしまって、不利パターンになってしまうリスクも考慮しましょう。

無害は、お互い干渉が起きにくい状態です。攻撃が当たらなくとも、喰らわない方が重要と判断した場合に選択します。やはり、100%片方のマークだけを攻撃するエンピツはないので、無害と思っていたら不意に攻撃が飛んでくることはあります。お互いイーブンなようでいて、第三者からしてみればどちらのマークに居ても攻撃にさらされるわけなので、第三者がどちらを受けるか、どちらに立ち向かうかによって大きく有利不利が分かれやすいことには注意しましょう。

共闘は、お互い共通の第三者を攻撃している状態です。第三者が一番優勢な場合に選択します。相手3人、全て敵と思って闇雲に攻撃し、せっかく共闘できる相手まで殺してしまう人が多いですが、今一番狙うべきは誰かはよく考えましょう。もちろん最終的には1位を目指すので、一番優勢だった第三者との差を取り戻したところで、共闘関係は解消です。

有利/不利は一方的に攻撃している/されている状態です。もちろんできるだけ多くの相手に有利を狙い、不利を避けます。ただし、もう残りの顔ぶれ的に活躍の場はなさそうな、役目を果たしたエンピツは、時間稼ぎのために不利だろうとあえて壁として出しておくという場合もあります。

4人の構図

1対1のパターンを踏まえて、4人全員の攻撃方向の有向グラフを脳内で描いてみましょう。図の例だと、火力が同じくらいなら上と右がイーブン、左が不利で、下がやや有利といったところでしょう。

序盤はチェンジでコロコロ変わりますし、終盤はチェンジを使い切って選択の余地がなくなっていくわけですが、それでもこの構図を意識しているかどうかで良い選択をできる頻度はだいぶ変わります

  • 今誰が有利で誰が不利か
  • 勝ってる奴をさらに有利にしていないか
  • チェンジでもっと有利な構図をつくれないか
  • 自分が相手ならどうチェンジしたいと思うか
  • 相手がしたそうなチェンジで自分は不利にならないか

一番優勢な奴を狙う

このゲームは1位回数しかカウントされない以上、ただ1人の勝者と3人の敗者を決めるゲームです(2位だろうと4位だろうと同じです)。そのようなゲーム(カタンが良い例)のセオリーは、トップを野放しにしないことです。

一応、貰えるバトエンポイントという意味で2位〜4位は同じではありません。しかし、バトエンポイントはキラエンピツをコンプするのも、交換アイテムを揃えるのも、割とすぐでどうせ余りますし、称号の条件ではありません。一方、1位回数の称号は、これを執筆現在300勝ちょっとなので伝聞ですが、少なくとも500勝はあるようです。(1000勝もあるとのこと。)1位の価値が2位以下と大きく違うことが分かります。

誰が今一番優勢かを意識せずに、その場その場で攻撃を通しやすそうな相手を闇雲に攻撃する人や、そもそもロシアンルーレットのようなエンピツばかり多用する人もいますが、2位、3位が4位を攻撃する行為は、1位をますます有利にするだけで、自分も勝てません

成り行きやデッキの都合で仕方のない部分も大きいのですが、できるだけ意識しておくことは必要です。逆に自分が悪目立ちして狙われる側にならないようにも注意しましょう。(これもカタンとかと同じです。)

残したいエンピツ/用済みのエンピツ

ときに有利/不利の構図に逆らってでも、エンピツの重要度が変わる場面があります。

開始時に相手3人×エンピツ3本の9マークのバラつきを見渡してください。4:5とかだと普通ですが、ときに3:6、2:7と偏っていることがあります。★が極端に少ないのに、自分のデッキに★殺しが2本あったとしましょう。1本はクライマックスにまわすとしても、1本仕事がほとんどできないエンピツが発生します。逆に、1本しかない●殺しは大事です。序盤、何が出てくるか、いつチェンジしてくるかが分からない状況でうっかり集中砲火を浴びて●殺しを頓死させてしまうと、負けたも同然の展開になってしまいます。

こういうとき、相手の出方の様子見や一発が怖いエンピツが存在している間の壁や捨て駒として、有利/不利の構図とは別観点で仕事のないエンピツを出すことも選択肢に入ってきます。

そして、もっと重要なのが、開幕だけでなくバトル中も常に●と★の残り本数を意識することです。開幕に偏っているのは非常に分かりやすい例ですが、最初は偏っていなくても、数ターン進んで何本か死んだ後に偏りが生じることがあります。死んでいなくても瀕死で引っ込んだエンピツなどを脱落扱いでカウントするとやはり偏りが発生していることがあります。

このとき、自分のエンピツ1本1本の果たすべき仕事を明確に意識し、もう役目を終えたエンピツと、頓死させたら絶望的な展開になるエンピツを把握できていると、チェンジすべきタイミングを見誤りにくくなります。

相手が引っ込めたエンピツを覚えておく

相手が何を持っているかは、非常に重要な情報です。オープンになった範囲は絶対に忘れてはいけません。どのエンピツかだけではなく、残りHPも覚えておきましょう。

最初に出ていて一度引っ込んだエンピツは、再登場時のチェンジアタックを警戒する必要があります。これは逆に、相手のチェンジが先読みできるということでもあります(引っ込めたエンピツのチェンジアタックが有効そうな局面になったらチェンジしてくる可能性が高い)。

また、終盤詰将棋のようなことになったときに、相手のエンピツを覚えていないと、手持ちのパワフルステーキは今の相手エンピツと次の相手エンピツどっちに使うのがより勝率が高いかといった計算ができなくなってしまいます。

相手のまだ見ぬエンピツを予測する

相手のエンピツは相手が出してくれるまで何を持っているか分かりませんが、ある程度予想することができます。相手の一挙手一投足が、まだ見ぬエンピツの判断材料です。

まだ見ぬエンピツも、マークだけは最初から分かっています。そして、相手のエンピツが2本分かった段階で、その2本と組み合わせておさまりが良さそうな3本目をある程度予想することができます。自分だったら、その2本に加えるとしたら何かを考えてみればよいわけです。

相手がどんな場面で何にチェンジしたかも情報です。明らかに不利な側なのにさっきチェンジをしなかった……?残りはもっと相性の悪いエンピツだからなのでしょうか?今のエンピツが役目を終えた捨て駒だからでしょうか?残りは意地でも最後まで隠しておきたいのでしょうか?単に何も考えていないのでしょうか?

アイテムの残し方も見ておきましょう。クライマックスにパワフルステーキと多段攻撃持ちのエンピツをとっておく人は多いため、3体目が透けて見えてきます。

「このターンに●キラーマシンが出てくる可能性がかなりある!」と予想して●殺しの★にチェンジしたらドンピシャだった!とかを経験すると、このゲームが一層面白くなってきます。

相手を覚えておく

「この人と前もあたったな」という常連さんが段々分かってくると思います。

オートマッチングで人読みをするのはちょっとずるいのかもしれませんが、難しい推理をするまでもなくデッキが最初から分かって戦うことができます。(自分のデッキと相性の悪いデッキであることが分かっている場合は、あたって楽になるどころか悲鳴をあげますがw。かくいう私もそれなりにやっているから、やっぱり誰かから人読みされているかもしれませんw。)

人読み対策にデッキは定期的に変えましょう。