So Quiet 制作メモ
CDをつくる
"So Quiet"の制作は六弦堂としての初仕事でした。ギタリストの廣木さんは、わたしの一番好きなギタリストであり、かつギターの師匠でもあります。いつか一緒に仕事をしたいと思っていましたが、わたしがサラリーマンを辞めて独立したときに、こういうカタチで実現しました。
渋谷さんとのデュオというのは、ディレクターをやってくれた羽生さんのアイデアです。渋谷さんは廣木さんの元バンマスでもあり、それまでも何度かデュオで演奏したことがありました。
猛暑のなかの録音
録音は2日に分けて行われ、どちらも猛暑という日でした。録音時には会場のエアコンを止めましたが、あまり暑さを感じませんでした。緊張していたせいでしょう。
2日目の最後に、ソロを録音しました。はじめに渋谷さんが「モンクス・ムード」をさらりと弾いて、「廣木」と声をかけて控え室に戻ってしまいました。これ以上、つけ加えることも、直すことも何もない。そんな演奏でした。
一人残った廣木さんは集中したまま、なかなか弾き出しません。撤収の時間も迫ってきたので、わたしはそういう意味でもそわそわし始めました。ソロの曲目は決めていなかったので、あの曲にしたらと声をかけてみましたが、廣木さんは固まったままです。そして、顔を上げて弾き始めたのが「セ・シ・ボン」。これもワン・テイクでした。
「言うことを持っている人は急がない。時間をかけて一行で言う」(ケストナー)。そんなことばを思い出しました。(サカモト@六弦堂)