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トップページ> 映画> レビュー> 2005年> 4月
April, 2005
コーヒー&シガレッツ
Coffee And Cigarettes
監督: ジム・ジャームッシュ
脚本: ジム・ジャームッシュ
出演: ロベルト・ベニーニ、スティーヴン・ライト
ジョイ・リー、サンキ・リー、スティーヴ・ブシェミ
イギー・ポップ、トム・ウェイツ
ジョー・リガーノ、ヴィニー・ヴェラ
ヴィニー・ヴェラ・ジュニア
ルネ・フレンチ、E・J・ロドリゲス
アレックス・デスカス、イザック・デ・バンコレ
ケイト・ブランシェット
メグ・ホワイト、ジャック・ホワイト
アルフレッド・モリーナ、スティーヴ・クーガン
GZA、RZA、ビル・マーレー
ビル・ライス、テイラー・ミード
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
公式サイト(日本語)
この映画に点数は似合わない! (採点せず)
ハリウッドの超大作とはまったく正反対の
アナログでローテクで、等身大のストーリーにこだわる
映画作家ジム・ジャームッシュ。
今回の最新作『コーヒー&シガレッツ』は
「コーヒーを飲みながらタバコをプカプカ吸い、
 くだらないことを話してる」
というタイトルどおりの風景を
11編のショート・ストーリーとして切り取った作品に
なっています。

それにしても、この超リラックスした流れは
いったいなんなんでしょうか!?
まったくもって中身が詰まっていません!
うれしくなるほど、スッカラカンです。
ストレートだったりシュールだったり、
お笑いだったり皮肉だったり、
いろいろありましたけど、どいつもこいつも
どこにでもありそうな会話しかしてませんでしたよ!
(さすがにニコラ・テスラの話はしませんけども…。
 っつうか、テスラというバンドは好きだったかも!?)

なんか、この中身のなさは親近感持てるよなぁ〜。
特に理解できたのは、アルフレッド・モリーナと
スティーヴ・クーガンのエピソード。

ちょっと紹介しますね。
読んでみたいなという方は、下の四角の中を
マウスでズズズッとドラッグしてみてください。
ネタを知りたくない方は読まないように!

舞台は、とあるアメリカの喫茶店。

俳優アルフレッド・モリーナは
これまで面識もなかった
イギリスの俳優スティーヴ・クーガンを
無理言って呼び出します。
呼び出されたスティーヴ・クーガンは、
何の用件かもわからず喫茶店に顔を出しましたが
まだ事情がつかめません。
そしてアルフレッド・モリーナは語り始めます。

「私は個人的な趣味で、自分の先祖をさかのぼり
 家系図を作りました。そしたら、なんと!
 私のひいひいひいひいひいおじいちゃんと
 あなたののひいひいひいひいひいおじいちゃんは
 親戚関係にあったのです。つまり、私とあなたは
 血がつながっているということになります。
 これって、すごいことでしょ!?
 これを機に、あなたとぜひ親交を深めたいので
 電話番号でも教えてください。
 今度、あなたのところへ遊びに行きますから
 ふたりで語り明かしましょう!」

この話をすぐには信じられないスティーヴ。
しかも電話番号まで教えろ、という突然の申し出に
困惑してしまい、思わず断ってしまいました。
テーブルには気まずい空気が…。
そこへアルフレッドのケータイに電話が入ります。
どうやら、映画関係者「スパイク」からの電話です。
アルフレッドはすごく親しげに話しています。
その様子を見ていたスティーヴは、電話を終えた
アルフレッドに聞きます。
「今の電話は、スパイク・リーから?」
アルフレッドは答えます。
「いや、スパイク・ジョーンズからだよ。
 今、いっしょに企画を進めてるんだよね。」
今の映画界でスパイク・ジョーンズと仕事をしたくない
という俳優はひとりもいないと言っても過言ではない状況。
スティーヴも、スパイクと知り合いになれる絶好の機会を
逃したくありませんから、コロっと態度を変えて
アルフレッドに提案します。

「さっき電話番号を教えなかったのは間違いだった。
 今から改めて教えると言ったら失礼かな?」

精一杯のその提案に、アルフレッドは

「そうだね、失礼だよ」

と言って、そのまま席を離れていってしまいました。

「クッソーーーーーーーー!」

スティーヴの後悔の捨てゼリフで物語は終わります。

-----

ほんと、これは「クッソーーーーーーーー!」ですよねぇ。
ほんと、人生はタイミング次第で変わるから
おもしろいし、こわいし、刺激的なんだろうなぁ。

ま、こんな話あり、
ただしゃべってるだけのエピソードもあり、
ビル・マーレーがサイコー!なエピソードも楽しめたりして、
ちょっとした息抜きにはもってこいの映画でした。
posted on 2005.04.27
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海を飛ぶ夢
Mar Adentro
監督: アレハンドロ・アメナバール
原作: ラモン・サンペドロ
脚本: アレハンドロ・アメナバール
マテオ・ヒル
音楽: アレハンドロ・アメナバール
出演: ハビエル・バルデム
ベレン・ルエダ
ロラ・ドゥエニャス
クララ・セグラ
マベル・リベラ
公式サイト(スペイン語)
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
第77回アカデミー賞外国語映画賞受賞/メイクアップ賞ノミネート
生きる、死ぬ、思いやる、いつくしむ ★★★★☆
20代のハンサム青年が、海での事故で首を骨折、
それ以来26年間も首から下が麻痺して動かず、
ずっと寝たきりのまま生きてきました。
彼は、自分のそんな状態を
「生きている」と思うことができず、
それならば「死」を選びたいと、考えます。
(こういうのを「尊厳死」というんだそうだ)
でも、自分で死ぬことすらできない体なので
誰かに助けてもらうため、裁判を起こします。
(死ぬ権利と、それを助けてもらっても罪にならないようにする)

と、お話の表面をなぞると、まずはこんな感じでしょうか。

-----

この映画は、「生きる」ことと「死ぬ」ことという
人生の中で最も身近で、最も重いテーマを扱うものです。
フツーなら、鑑賞後はその重みに耐えかねて
投げ出してしまいたくなりそうな、そんな感じになると
(経験上)思うんですが、この映画については
なぜかその重みを必要以上に感じさせられることなく、
逆に妙に爽快な気分で映画館を出ることができましたね。

それはひとえに主人公ラモンの
太くてまっすぐな生き方と、それを演じるハビエル・バルデム
そして、この映画に出てくるすべてのキャラクターが持つ
「愛情」によるものなんだと思います。

ラモンの考え方に賛成する人、反対する人。
いろんな考え方があります。
でも、それぞれがそれぞれの立場で一生懸命考え、
ラモンを精いっぱい支えようとする姿勢。
口には出さなくても、目を見ればわかってしまう
愛情、友情、尊敬、喜び、悲しみ、許容の気持ち。

すごーーーく深いテーマであるがゆえに
人として生きるうえで最も根本的で
いちばん大切にしなければならない感情が
クローズアップされる、そしてそれが見事に調和して
何層にも重なりながら、一切の誇張なしに表現されている。

観終わってからジワジワわかってくる、すばらしい映画でした。

-----

オレは現在31歳、カラダには何の異常も不都合もない
健康体です。(だと思っています)
なので、自分が「自然に死ぬ」という状況は
まったく想像できません。
っていうか、まだまだ死ぬわけにはいかないし。
オレの子供の顔を見て、
その子が立派に成長するまでは死ねませんって!
とは思うんですが、それこそ
いつ交通事故に遭うか、いつナイフを持ったヤツに
背中からブスリと刺されるかわからないわけで、
今死なない保証はない。明日死なない保証もない。

そして、それよりも怖いのは
オレの大事な家族や友人が死んでしまうこと。
そっちのほうが怖いです。ほんとに怖い。
怖いというか、イヤだ。絶対イヤだ。

たとえば、オレの大事な人たちが、もし
「延命治療をしないでくれ」とか
「今すぐ死にたい」と言ってきたら、どうしたらいい?
何と答えればいい?

オレも、考えなければ、なりません。いつかは。
いつかは…。
posted on 2005.04.17
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コーラス
Les Choristes
監督: クリストフ・バラティエ
脚本: クリストフ・バラティエ
フィリップ・ロペス=キュルヴァル
音楽: ブリュノ・クーレ
クリストフ・バラティエ
出演: ジェラール・ジュニョ
フランソワ・ベルレアン
ジャン=バティスト・モニエ
ジャック・ペラン
マリー・ブネル
公式サイト(フランス語)
公式サイト(日本語)
第77回アカデミー賞主題歌賞/外国語映画賞ノミネート
清く正しく美しい映画 ★★★★
問題児ばかりが集まる更生施設にやってきた
中年の音楽教師。
「やられたらやり返せ」をモットーとする校長らの方針に
違和感を覚え、音楽を通して子供たちをてなずけようとする。
そんな試みの中で、「奇跡の声」を発見するのだが…。

こんな感じで始まる、文部科学省選定の映画です。

-----

映画の冒頭に「文部科学省選定」とかいう文字を見ると
もうそれだけで気が滅入ってしまうのは、オレだけでしょうか?
オマエに選定されると、ミョーな「健全さ」だけが
強調されてるようで…みたいな気分になるんですよね。
余計なお世話感がプンプンするんですけど。

だからね、この映画に関しては
そんなの無視して、堂々宣言しますよ!

オレ選定 超優良映画

はい。
小学生のガキども、若者たち、おっちゃんおばちゃん、
お疲れサラリーマン、老夫婦、老若男女問わず
どなたにも安心してご覧いただける優良品です。
"フランスで『アメリ』の動員観客記録を抜いた!"
という宣伝文句も大納得な、ヒジョーに基本的で
正攻法でまっとうな映画です。

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オレの大好きな映画で
いまを生きる』という作品があります。
ロビン・ウィリアムズ主演、
今や大スターのイーサン・ホークが
気の弱い学生役で出ている、学園ものです。
あの映画のラストシーンを観ると
オレはいまだに絶対泣いてしまうんですが、
この『コーラス』という映画は
『いまを生きる』の音楽版と言い切っていいでしょう!

個性的で包容力のある先生、
どいつもこいつもキャラが立ちまくりの生徒たち、
みんなで何かひとつのことを成し遂げようとする力と
それをジャマする保守勢力との争い、
複雑な親子関係、
出会いと別れと才能の芽生え。

どれも派手さはないんですが、
どれも使い古されたテーマなのかもしれませんが、
この映画の中のすべては、いきいきとして見えました。
映画自体が、監督の指揮棒に合わせて
キレイなリズムとメロディを奏でていましたね!

特にあのシーンはよかったなぁ。
そして、最後の最後のシーンは大感動だったなぁ。
ペピノーーーーーー!!!って感じでした。
ああいうさりげなくも温かい終わり方は、大好きっす!
posted on 2005.04.10
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スーパーサイズ・ミー
Super Size Me
監督: モーガン・スパーロック
脚本: モーガン・スパーロック
音楽: スティーヴ・ホロヴィッツ
出演: モーガン・スパーロック
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
すご〜く勉強になりましたわ。 ★★★☆
【過去と現状】
・我が家では、オレが小さい頃から
 冷蔵庫の中にはジュース類は置いておらず、
 食事時の飲み物は牛乳かお茶のみ。
 (ただしお菓子類は常時ストックあり!)

・ハンバーガー類を生まれて初めて食べたのは、
 おそらく大学生になってからのこと。

・オレは大学生時代、
 某巨大ファーストフード店Mでバイトをしてた。
 あの頃のイメージがあり
 (Mに限らず)ハンバーガー類はあまりスキではない。
 あれはマトモな人間の食い物ではない。

・バイト当時は、
 "こんなもんを喜んで食うお客の気が知れない"と
 本気で思ってた。オレ自身はアップルパイ以外は
 絶対に食わなかった。(あれはうまい!)

・とは言え、その安さに負けて、お金がないときなどは
 たまに利用することがある。ビッグマックかテリヤキか
 シェイクぐらいしか注文しないが、うまいことはうまい。
 値段なりのうまさはある。ただしポテトは最悪。

・利用頻度は、多くて月に一度くらい。
 ポテトのLサイズとか、飲み物でもLサイズを頼む人の
 気持ちも全く理解できない。

・以前、映画をいっしょに観に行った女の子が
 飲み物を買ってきてくれるというのでお任せしてみたら、
 ドでかいLサイズのコーラを買ってきたことがあり、
 あれはすごく引いた…。彼女の印象が一気に下降。

-----

この映画は、
「一ヶ月間、マクドナルド以外の食べ物・飲み物を摂らずに
 過ごしたらどうなるか?」
を実体験した様子が収められたドキュメンタリー。
アメリカ公開当時はかなりの大反響を起こし、
興行成績も破格のものがありました。

-----

【鑑賞前の想像】
・一ヶ月間、あんなモノを食い続けるとどうなると思うか?
(1)食い飽きる
(2)吐きそうになる
(3)激太りする
こんなもんかなぁと思ってた。

【鑑賞後の反応】
・一ヶ月間、あんなモノを食い続けると実際どうなるのか?
(1)食い飽きる。
(2)吐く。
(3)精神的に鬱。(ただし食べてるときだけは躁)
(4)見事に激太りする。
(5)オチンチンが立ちにくくなる。
(6)肝臓がやられ、医者に「死ぬぞ」と言われる。
(7)っていうか、最後のほうは
  "この人、マジで死んじゃうんじゃないか"とドキドキした。

・アメリカ人はデブが多い国だとは思ってたけど、
 その原因の一端がわかったような気がする。
 マックで買う、あのジュースの容器の大きさを見ると
 驚きを超えて、あきれるもん。
 2リットル分のコーラを一食で飲むなんて、ありえない。

・アメリカの学校給食の悲惨さにも驚いた。
 お菓子やジャンクフードが給食に出る学校があるなんて…。
 おそろしい。

・毎日マックを食べる人や、週3〜4日食べる人
 (スーパー・ヘヴィ・ユーザーというらしい)が
 かなり多くいるんだって。完全なマック中毒。

-----

オレの結論としては、

◎食生活には注意しよう。
◎ジャンクフードは、文字通り「クズ」である。
◎好きなものを飲み食いし、苦労もしないで痩せよう
 なんていう都合のいい痩せ方など存在しない。
 好きなものを好きなだけだけ食いたいなら、
 その分の運動をするしか道はない。
 (走れば確実に痩せることは、オレが実証済み)

でも、もしM社が『スター・ウォーズ』とタイアップして
グッズ付きの賞品を売り出したりしたら、オレは
死に物狂いで買いまくるんだろうなぁ、と考えただけで
寒気がしますよ、ほんとに…。
posted on 2005.04.03
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