スカイブルーの羽

                       美異亜

 

僕は昔 青と白の空色の翼を持っていた
            
みんな
僕が羽を広げると 人々は僕の羽に目を止めた

僕は羽を広げ バサバサと上下に動かした

すると 辺りは明るくなり薄暗い雲やよどんだ空気はどこかへ行ってしまった

それは 嵐の後の 青く澄んだ空の様だった

だから みんなは僕を スカイブルーと呼んだんだ

 

僕の羽は人々に愛されていた

だから僕も夢を持ち続けていられた

 

だが とうとう僕らの町にも灰色の波は押し寄せて来た

 

辺りは次々と灰色に染められ

僕らは灰色の目がねを掛けるさせられた

見るもの 見るもの 灰色になった

僕の羽も 灰色になった

けれども 僕は信じていた

本当の僕は青と白の空色だということを

人々もそう信じていると思ってた

 

だが 灰色の目がねは人々の目を大きく変えていたのだ

 

僕は人々の前で羽をバサバサと動かした

人々が前のようになると信じて

僕は羽を動かした

忘れたものを取り戻せると信じて

 

僕はバサバサと動かした

人々がまた僕をスカイブルーと呼んでくれると信じて

 

だが 灰色の世界は人々の心まで灰色にしてしまったのだ

 

そして 人々は煩いと 僕の羽を折ってしまったのだ

ぼくは知っている

僕の羽は青と白の空色だということを

ぼくは今でも忘れない

いつかあの大空を飛び回ることを

ぼくは今でも信じている

いか人々が思い出す日を 

       つばさ
今は折れた羽を抱きしめて

ぼくの名前はスカイブルー

 


生年 1971年 

在住都道府県名 東京都

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