2013.9月
学会参加にて
○腫瘍科
腫瘍随伴候群といって、日常的検査の中で腫瘍がある時に変化がある血液検査項目が発表されていました。
例:高Ca血症時には、リンパ腫・肛門嚢腺がん・多発性骨髄腫・胸腺腫などに変化がある、など。
その他、低血糖時・高グロブリン血症時・血小板減少時・多血症時など、それぞれ発表がありました。
○脳神経科
ここ数年、動物でも専門施設で脳外科手術が行われることが多くなってきました。そこで、手術するまでのホームドクター
の重要性が考えられています。ホームドクターが行うべき大事な術前処置について発表がありました。
○外科
ミニチュアダックスに好発する消化器疾患としての直腸ポリープと幽門狭窄の外科的治療について発表がありました。
いろいろなアプローチ法・それぞれに長所・短所があり、獣医師の判断は大事な役割を担っています。
○歯科
歯垢・歯石除去の適切な時期について
歯肉炎を発症していたら、歯垢だけなら歯ブラシのみで除去し、歯石の付着がある場合は歯石除去を早めに実施すべきとの報告がありました。
歯石除去には全身麻酔下にてスケーラーを使用し除去する方法と、薬で除去する方法があります。いずれにしろ歯肉が赤くなってきたら注意が必要です。
○眼科
ミニチュアダックスに多い三大眼科疾患の報告がありました。
免疫介在性角膜炎・白内障・網膜変性症です。いずれも失明する疾患ですので、何か気になる点があれば早めの検診が必要です。
○耳鼻科
突発性耳垢性外耳炎について
正常な猫は耳道内側に、淡く脂っこい分泌物の非常に細かい層を作り出します。しかし過度の分泌物の耳垢が耳の中に産出されることがあります。
これは様々な原因が考えられ、治療が難しいのですが、効果ある治療法が発表されていました。
○内科
短頭種気道症候群について
短頭種(特にイングリッシュブルドッグ)に多く、8歳以上になると突然死が多く認められる恐ろしい病気です。
睡眠時に無呼吸が20回/時間以上・短頭種・診療時など息遣いが荒くなる・運動を嫌がる・心不全(心肥大)・気管虚脱などがある場合要注意です。
特に手術などで全身麻酔をかけなければならない時は、気道への負担を出来るだけ掛けないように、薬を2~3週間飲ませてから行うと、リスクが
少なくなるとの報告がありました。
○皮膚科
無菌性膿疱性紅皮症について
ミニチュアシュナウザーに限定される致死的な病気です。皮膚病の他に重度の沈鬱や不快感、発熱などの症状が出ることがあり、
重症になると死に至ることが多い疾患です。ある成分のシャンプーを使用すると発症しやすいなどの報告もあり、治療が難しい疾患です。
○エキゾチック
鶏の肝疾患に漢方薬の効果があることが報告されていました。
以上、各科のセミナーに出席してきました。
参考になる例が多く、今度の治療に役立てたいと思いますy。
院長