9月11日 カラカラ天気で大ピンチ!

 今年の夏はとても雨が少なかった。真夏日も記録的に多く、おかげで調査地の草もすっかり枯れ、とても夏の風景とは思えない。カラカラ天気は、せっかく実り始めた、カヤが好んで食べる種子までダメにしてしまい、彼らにとって非常につらい夏になった。

調査地 調査地
7月下旬。堤防全体が緑で覆われている。 8月下旬。堤防の植物は全体に黄色っぽく変色。
完全に枯れている所もある。

 上の写真は同じ場所を撮影したものだが、植物の変色がはっきりわかる。実際に現地で見ると、もっと痛ましい。他の調査地でも、同様だ。エサ条件が悪いためか、巣の出来具合も思わしくない。

 やきもきしているうちに、今日久しぶりにまとまった雨が降った。これが恵みの雨になればいいけれど。ただ今回の雨は台風と秋雨前線に挟み撃ちされているので、これまた記録的な大雨になりそうだ。大雨になればなったで、河川の増水で巣が流されてしまう危険がある。環境が激変する自然界で生きるのは本当に大変だ。今年生まれの子カヤたちが、何とか生き延びて欲しいと祈るばかりだ。

 余談だが、先日公表された滋賀県版レッドリスト「滋賀県で大切にすべき野生生物(2000年版)」で、カヤネズミが希少種にランクされた。滋賀県のカヤネズミ調査は、昨年私もお手伝いさせてもらった(注)が、想像以上にカヤの生息に好適な環境が少なかった。「希少種」は妥当な線だと思う。

 滋賀県版レッドリストの簡易版は、滋賀県のページから見ることが出来ます。当サイトからもリンクしています。興味のある方は、是非ご覧下さい。

(注)カヤニストへの道(前編)カヤニストへの道(後編)参照。