GGGが独占的にその応用技術を保持する謎の物質・ミラー粒子。この粒子は本来互いに強い反発作用を生じるが、これを高度に圧縮することで固体に近い密度を持たせることが可能である。これを電磁気による反発力で射出することで武装として転用したのがミラー粒子砲である。本来はボルフォッグに搭載された内蔵ミラーコーティングシステムの副産物であった。ボルフォッグは自らのAIによる指示で任意に自らにミラーコーティングを施すことができる。この時、施されたミラーコーティングを時間経過と共に剥離するに任せるのではなく、機体を高速回転させることで発生する遠心力により射出し、弾丸として利用することができた。これは大回転魔弾と名づけられ、超分身殺法と並びビッグボルフォッグの攻撃力を最大限に引き出す機能となったのである。
GGG研究開発部はこれに注目し、乱射ではないより精度の高いものを目指してミラー粒子の武装への転用を検討した。その結果完成したのがミラー粒子砲である。高度に圧縮したミラー粒子をリニアカタパルトと同様の原理で超高速で射出し目標を破壊するこれは、同様の原理で物体を射出するミラーカタパルトが搭載された三段飛行甲板空母の第二カタパルトにそのシステムが組み込まれたが、2005年4月以降のゾンダーの度重なる出現による三段飛行甲板空母の出撃や予定出力を得られなかったことが重なり、実戦で使用されたのは対EI−01戦が最初となった。変幻自在のビーム攻撃を行うEI−01に対し、損害を与えることこそできなかったがその実用性は高く評価され、当時既に建造が進んでいた次世代艦、ディビジョンT・イザナギにはミラー粒子による砲撃システムが搭載されることとなった。この武装は本来輸送艦にすぎなかった三段飛行甲板空母やイザナギに高い戦闘能力を与えたのである。イザナギのミラー粒子砲は三段飛行甲板空母のそれよりも格段に出力の向上と安定が図られており、木星決戦においては衛星と融合した機界31原種に対しても高い効果をあげている。しかし、あくまでもミラー粒子砲はミラーカタパルトの「裏技」的運用法であって、ミラー粒子砲は正式な武装としては認められていない。
なおイザナギが木星決戦に置いて撃沈されたことを受けて開発された超翼射出司令艦・ツクヨミもミラーカタパルトを装備しているが、ミラー粒子砲の搭載は現在にいたるまで確認はされていない。