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1 I Can't Deny It ピアニッシモなタッチからロッドの若々しい掛け声"yeah!×3"で幕を明けるポップなナンバーでセカンドシングル曲。“どんなに愛してるかなんて言えっこないさ、君より大切な人なんてひとりもいやしない”、とロッド十八番なセリフが聞けるが(笑)、3番目の奥様レイチェルとは離婚して今は独身貴族のロッド。本作に収められたラブ・ソングは新しい恋人に捧げられているのだろうか??欧州では1stシングルでアルバムのラスト曲ですが日本盤では頭に収録。 2 Human タイトル曲で、本作での音作りを代表する曲。ロッドのアルバムに打ちこみサウンドはこれまでにも幾多あったがこれまでのように生音を単にデジタルに置き換えただけではなく、今までになかった作風に仕上げることに成功している。最後に元ガンズ・アンド・ローゼズのギタリストのスラッシュがたたみ掛けるようなギターソロが聴けるのが劇的。シングルヒットするような曲ではないかもしれないが、新しいロッドのイメージとしてもっとプッシュしてもいい曲だ。 3 Smitten かつてストーンズのミック・ジャガーは「悪魔を憐れむ歌」で“Please tell me introduce myself・・・・・・”と歌い、自らを悪魔または魔王と称し、ストーンズの魔性のイメージを広げることに成功した。かたやロッドはこの曲で“Hello,allow me to introduce myself・・・・”と歌い、女性の前で心を内を曝け出す自分を曲に投影している。そこにはミックのような演劇性はなく、自らを偽ることなく等身大のロッド・スチュワートがいる。大衆の前で虚勢を張るミックと愛する素直に自身を演じるロッド。女性ファンの多さから見て女性に受けいられやすいのはロッドということになるんだろうか?個人的にアルバム中で最高の曲のひとつ。 4 Don't Come Around Here ティナ・ターナーやマギー・ベルなどR&B〜ブルーズ系女性ボーカルとデュエットしてきたロッドですが、この曲ではヘリコプター・ガールなるシンガーをパートナーに迎えています。“ヘリ〜”は実はユニット名で、本名はスコットランド生まれのジャッキー・ジョイスというシンガー。彼女はかつてブラジリアン・ラテン・バンドでバッキング・ボーカルを務めていたという経歴を持ち、古典的ソウル・ディーヴァのような歌を魅力にイギリスでは人気が高まっている、らしい。ささやくようなソフトなボーカルがロッドのシャウトを優しく包み込むように重なり合って歌っているようだ。まだまだ無名に近い彼女をデュエット相手に選んだロッドの眼は確かである。 5 Soul On Soul 本アルバム収録曲には数千、数万人収容のアリーナよりもクラブのような小さなステージの方が映えるような、じっくり耳を傾けたいものが多く、これなどがその筆頭だろう。分厚いゴスペル調のコーラス隊が、ピンスポットのあたるロッドの背中から熱く歌い支えているような様が浮かぶ。ロッドのボーカルを聴いていると、気持ちが高く高く昇っていくようだ・・・・。最高。 6 Loveless 個人的にこれまで積極的に聴いてこなかったようなタイプの曲。宇多田ヒカルなどのJ-R&B歌手が歌ったら似合いそう・・・・と言ったらロッドに失礼か、それともほんとに日本のティーンにウケたりして・・・・・?しかしさすがはロッド、見事に歌いこなしているし、悪くない。でもアリーナで歌われてもピンと来ないだろうな。やっぱりクラブで聞いてみたい。 7 If I Had You 正直言って、ボーカルがロッドでなかったら聴き流して終わりだったろう、という感じの曲。今作にはヘリコプター・ガールなど女性のボーカルやコーラスが多用されているが、ツアーには帯同するんだろうか?プライベートでは女性の影が目立つロッドだが、ステージとなると意外にもこれまでなかったと思う。実現すれば女性シンガーと共演する光景が毎度見られるかもしれない。ところで、ギターには90年代のポール・マッカートニーバンドにいた元プリテンダーズのロビー・マッキントッシュが、ギターソロではダイアー・ストレイツのマーク・ノップラーが弾いている。 8 Charlie Parker Loves Me チャリー・パーカーとは1940年代に活躍したサックス・プレイヤーで、ビー・バップを伴うアドリブを基調とする新しい音楽モダン・ジャズの礎を作ったジャズマンだ。それにしても果たしてロッド・スチュワートはパーカーを、いやジャズを聴いたりするのだろうか?もっとも、この曲のクレジットにはロッドは作者としては加わっていないから、自身の言葉で歌っているわけではないだろうが。曲は良い出来です。 9 It Was Love That We Needed オリジナルはカーティス・メンフィールド。アルバム「New World Order」に収録されている。雰囲気は同種のもので南国風な穏やかさが漂う。 ロッドにはジェフ・ベックとの共演で有名な「ピープル・ゲット・レディ」というカーティスの名カバーがあり、あちらは渾身のボーカルが聴けるが、本作はそれとは違ったレイドバックな雰囲気の曲である。夏場に聞けばもう少し好印象かも。 10 To Be With You Needed “GSっぽい。”という意見が多く聞かれるほど、非常に軽いポップス。そうとられるのはギターリフが「想い出の渚」(ワイルドワンズ)に似ているからだろう。僕は60年代初期のアメリカン・ポップスを思い出したがイメージにそう大差はない。新境地を開拓した本作収録曲中では浮いてしまうぐらいシンプルなポップスだが、バラエティ性を考えれば収録も妥当なところか。ファンとしては安心して聴ける・・・・・・・しかしこのてのばかりだとロッドファンでないリスナーには“ロッド=ナツメロ”の烙印を押されかねない。唯一のセルフ・プロデュースということでアルバムとは別に作ってあったのかも。 11 Run Back Into Your Arms 欧州ではアルバムに先んじてシングルカット。カッコいいプロモビデオも見ることができます。ストリングスとシャウトするボーカル、ゆったりとしたリズムのニュアンスがフェイセズの「素敵なダンス」を連想させる。名曲とは言えないかもしれないが、こういう曲をコンスタントに発表してくれるとファンとしては嬉しい限りだ。外せない。 12 Peach(日本盤のみのボーナストラック) 本作関連では唯一のロックンロールナンバー。サウンドを形作る上でなんといってもスラッシュの参加が大きい。最初から最後まで弾きまくっている。それにしてもちょっと恥かしいぐらいの歌詞なのがまたロッドの若さを表していると言えば言い過ぎか。オリジナルはプリンスで、アルバム「Hits And B-sides Collection」に収録。このアルバムにはロッドが1997年夏の「サウンド&ビジョン」のコンサートでカバーした「Nothing Compare To You」も収録されている。 ところで日本盤の歌詞には歌われていない歌詞部分が最初に付いている。これはいったい何なのだろう?? ウーララボードに書きこまれたお客さんの感想は別ページに→ |