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旅行記その7:「イキスプレス」※1がやってくる

TX開業への遠い道のり

良からざる第一印象

数年前のある日。

埼玉県の国道298号線を走っていた時、三郷市の某所で、だだっ広い道路敷を跨ぐコンクリート橋の下を通りかかった。橋のたもとには「常磐新線交差」と書かれていた。

橋の前後には何も出来ていない。国道の交差のところだけ「コ」の時をひっくり返したかのような橋の躯体がポツネンと存在しているだけ。異様というべきか不可解な状況がそこにあった。

これを見て「だいぶ前から騒がれていたけど、常磐新線なんて早くても十数年先、下手をすると他のローカル新線と同じように陽の目を見ることは無いのでは・・・」と正直思った。

「つくばエクスプレス(TX)」が、まだ「常磐新線」と呼ばれていた頃、自分はこのようなあまり良くない第一印象を抱いていた。

ドミノ倒しのように

しかしそれからが早かった。

山だろうが川だろうが関係なく、一年中※2昼夜を問わず工事は進んだ。高速道路からよく見える利根川の鉄橋など、見るたび毎に橋脚が続々と立ち並び橋がつながってゆき、たった数年でサラだった土地に鉄道線の一切が一気に出来上がっていった。その様は、ドミノ倒しのビデオを逆回転で見ているかのような気持ちになった。

そして、2〜3年前には「つくばエクスプレス 平成17年秋開業」という横断幕が、出来立ての高架橋に掲げられた。その横では、工事が出来たところから順次車両の試運転が始まっていった。

あれよあれよと試運転区間は全線に延びる。東京の千住でTXの試運転を見た時には、その展開の速さに改めてびっくりさせられた。

開業前の静けさというか

TXの開業が今年8月24日と決まった。その8月24日が近づくにつれ、茨城の新聞各紙はTX関連の記事がにわかに殖えていった。かく言う自分も「開業日の一番列車」には是非乗ってみたいと思い、8月24日の休暇届を会社に出した。・

TX開業まであと一週間を切ったある日曜日、所用でつくば駅周辺を通りかかった時、駅の出入口周辺で所在なげに座り込んでいる数人の集団を見かけた。その時は他人事のように「開業一番乗りを待っているのかなー」程度に冷静に見ていた。

しかし。

開業前日、「つくばエクスプレスの行列を待つ人が8月22日現在で二十余人」というローカル紙の記事を見て蒼ざめた。満員御礼で始発列車に乗れなくなる事態が脳裏をよぎり、始発直前につくばに向かう当初の予定を繰り上げ、仕事が終わったら直ぐにつくばに向かう事にした。

※1 イキスプレス
茨城のことを取り上げた某有名サイトで、「茨城訛りがひどい人は、エクスプレスを『イキスプレス』と呼ぶ」と書いてあるのを見て、思わず噴いた。つくばエクスプレスが地元に根づくことを期待し、本コラムでは、あえてこの「イキスプレス」を使用させて頂く。
※2 山だろうが川だろうが関係なく、一年中
河川とかに関連する工事は、普通、洪水の季節には工事をやらせてもらえない。しかしTXの場合は、それを押し切って工事が進められた模様である。

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更新日 2005.8.31
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