【ただ、ビールのためだけに−石垣島トライアスロン2011:決戦の日−】

 さぁ、ビールまでいよいよ、余すところ3時間。。。待ってろよ「オリオン、モルツ、スーパードライ達!」
写真は所々で、プロの方が撮ってくれているのだが、今回は写ってないんだよナァ・・・
それじゃぁ、行ってみよー!
【石垣島トライアスロン2011−決戦前日−】 【石垣島トライアスロン2011−決戦の日−】 【石垣島トライアスロン2011−WorldCup−】 【石垣島トライアスロン2011−最終日−】
参考:【石垣島トライアスロン2010】

<4月17日−午前−>
先ずは、トランジション会場に行き、自転車をセット。
軽いギヤにセットしペダルにシューズを固定。それから輪ゴムでシューズが引きずらないように引っ張る。
トライアスロンの選手はみんなやると思ってたんだけど、そんなことしてる人は全体の数%
アタシの両脇と、正面が外人。左側の外人が・・・
Have you ever attended this race?(レース出たことある?)
来たな<現在完了>。
Yes, I have.こっちもすかさず、<現在完了肯定応答>で応える。
見ると、自転車を逆にセットしているので、<仮定法過去完了>で応酬しようかと思ったが、レース前の大事な時にリスクを犯すことも無い。
You are setting your bike in wrong direction.(自転車のセットの仕方が間違ってますよ)
更にバイクから戻ってきたら逆にセットするようにチャント英語で教えてやる。(エッヘン!)
すると、周りの3人の外人から、一斉にThank you, I understoodなんて言ってくれたのだが、このまま英会話に巻き込まれては大変なので、そそくさと逃げ出す。
 それから、最終受付に行ってアンクルバンドとやらを足首に巻いてもらう。これが、地点を通過するたびに時間を記録してくれるそうなー。
更に、両腕にマジックで番号を書いてもらう。この儀式がどうにも注射されてるみたいで、緊張に拍車をかける。
 ウェットスーツを着てswim会場の登野城漁港に向かう。ウェットスーツのゴムの匂いで、行ったばかりなのにまたトイレに行きたくなる。

アタシの後ろには3人グループがワイワイ話しながらスタート待っている、どうやら石垣島の島民らしい。
「漁師の話だと、今の時点で、港の中にサメが3匹居るのを確認したらしいぜ、告知しないで、スタートだって」
「あー、緊張してきた。もうやだ、帰りたい。毎年、この瞬間が来るとやらなきゃよかったって後悔するんだけど、募集が始まって気が付くと『ポチッ』ってボタン押してしまってるんだよね」なんて、言いながら楽しそう。
アタシは一人ぼっちだ。
チャント読んで居ない人の為にもう一度説明するけど、swimは150人位の塊に分けられてそれぞれ「第○ウェーブ」とか呼ばれる。
第1ウェーブが一番泳ぎの速い人たち。その時間は自己申請で、第11ウェーブまである。
このウェーブごとに1分間隔でスタートする。第1ウェーブは白いスミングキャップ→水色→オレンジ→黄色→緑(チーム)→ピンク・・・と続く
アタシは第4ウェーブなので黄色。
 8:00丁度に『ホワァーン』という間抜けな合図と共に第1ウェーブがスタート。
いそいそと、駆け込んで飛び込むやつもいれば、後ろからゆっくり入水するヤツもいる。次いで、第2、3ウェーブと1分間隔でスタートする。
もう、喉から心臓が飛び出しそうでホテルに戻って布団かぶって眠ってしまいたい気分。
それでも、ウェーブの先頭のほうにシャシャリ出て合図を待つ。

『ホワァーン!』
忘れないように時計のスタートボタンを押して海に駆け込み『ダーイブ!』
「ワォ!、なんてコッタイ!ゴーグルが取れちまった。」
しょうがないので、立ち上がって、ゴーグルを付け直し、今度は慎重にやりなおし。
前回は、「シチズンクラス」だったためか、殆ど先頭だったのだが、今回は回りに黄色帽子がたくさんいる。
 遡上のサケのようにバシャバシャ泳ぐが、蹴られたり、蹴り返したりしながら進む、いつまで経っても塊がバラけず泳ぎにくい。
それでも、段々前のウェーブのオレンジ帽子が増えてきて、徐々に水色帽子も見えてくる。
 泳ぎにくいなりに少しづつ前の方に進んでいるのがヒシヒシと伝わってきてちょっと嬉しい。
それなのに、さっきからアタシの左を泳いでいる青いウェットスーツを着たデブが目障りでしょうがない。
アタシは、殆どの場合、呼吸の時に左に顔を上げるのだが、青デブは右に上げる。
呼吸のたびに目が合ってしまい、どうにもやりにくくてしょうがない。
 客観的に捕らえて、どうしたってアタシの方が早そうなのに、一向に差が開かない。
それに、去年はもう少しバラケタので途中からは泳ぎやすかったけど今年は何時まで経っても団子状態で泳ぎにくい。
ブツブツ文句言いながら、一周目を終えて、2周目に入る。
緑のチーム帽子や、さらにピンクの帽子も見えてくるが、殆どが水色帽子。コースロープにつかまって休んでいるヤツとか、平泳ぎや、背泳ぎしているヤツもいる。
 なんか、去年よりきついなー。と思いながら1.5キロを終えて上陸。去年より、1分早いが、なんか既に疲れてるゾ。

 水泳が終ってからバイクが置いてあるトランジションエリアに走って向かう。この間なんと、300メートル。
この間に走りながら、ウェットスーツの背中のジッパーを下ろして上半身脱いでしまう。
トランジションエリアに着いたら、バイクに乗り換えるのだがいくつかやることがあって、効率よくやらないといけない
@スイミングキャップとゴーグルを外してバッグに突っ込む→Aウェットスーツを脱いでバッグに突っ込む→Bタンクトップ(ユニクロ)を着る→Cヘルメットをかぶる→Dバイクをラックから外してスタート。
 去年はウェットスーツ着たままシューズ履いているヤツとかいたし、シャツを着る前にヘルメットかぶってしまい、あわててヘルメットかぶった上からシャツを無理やり着ようとしてジャミラみたいになっているヤツとかいた。
アタシも前回はバイクに乗る前にトイレに行ったり、探し物をしたりと結構時間をロスしていたから、人の事いえない。
 今回は、シューズは既にペダルに付いているのでヘルメットをかぶったら裸足で駆け出せばよい。バイクを押してスタートラインへ・・・
スタートラインを過ぎるまでバイクに乗ってはいけない。(こういうルールはチャント守る)
 シューズは輪ゴムで後ろに引っ張ってあるのでバイクを押していても引きずらない。なんか、本当のトライアスロンの人みたいでチョット格好いい?
ただ、バイクがなぁ・・・如何せん古ッ!

 今回はカンチェラーラとアームストロングを掛けてコンタドールで割ったような走りを目指すー(気持ち悪ー)
バイクに乗り換えて足の関節が滑らかに回りだすまでは軽いギヤでブンッ回す。
暫くの間は、本物のトライアスロンの人みたいに裸足でシューズの上からペダルを踏む。
去年と同じコースで、40キロの間、交通規制されているので信号でも止まる必要はない。
これが気持ちい。スタート後暫くは平坦な道が続く。DHバーを握ってギヤを48×13に、モードをカンチェラーラにセットして行けー!
 今回は、DHバーやら、ヅラエースのブレーキレバー、バーコン、サドル等等大分投資したので、それらが無駄にならない様に頑張って踏む。
前にいるヤツは全て抜きさるつもりでブンッ回す。
「待てッ、コラー。幾らかかってると思ってるんだーっ!」
(何時から、こうゆうことでも無いと頑張れない性格になってしまったんだろう?)
 沿道には、応援の人が沢山、「誰を応援してるんだろう?」とか余計な事は考えない。
去年は、応援してくれている人には殆ど手を振って応えていたのだが、今はカンチェラーラモードなので悪いけど心を鬼にしてペダルを回す。

海岸線の風光明媚な景色をバックに暫く進むと、強烈な右折。
此処からは山岳戦だ。ギヤを48×17〜25、モードをアームストロングにして進むんだけど・・・・
 それまでは、時速40キロ近いスピードで走れていたんだけど、登りでグッ!と減速しまう・・・
更に去年は26キロ過ぎからは下り中心だったので、スピードメーターを見ながらひたすら「26キロ来い!」と祈りながら走っていたのに、一向に下りが来ない。
なんか、去年より下りが減って登りが増えているみたーい。
しかも、去年は残り10キロぐらいからバンバン追い越しながら走れたのだが今回は残り5キロ位で既に脚を使い切ってしまった感じで、抜かれるは抜かれるは・・
残り、2キロで、シューズを脱いで裸足でシューズの上からペダルを踏みながらゴール。
バイクを降りてから、トランジションエリアまでは裸足で駆ける。
周囲の人はサイクリングシューズで走りにくそうにしているのでここで少々挽回し、イヨイヨ最後のランへ。

ここでも。ゴムひもシューズの威力でラン用の靴紐を結ぶ時間を短縮。
残すところビールまで後50分余り・・・なのだが・・・
 既に、アタシの脚はレースを終えてしまっているようでやる気が無い。
おまけに、喉も「アクエリアスじゃなくてビールでしょッ!」って感じー。
オイ、まだ10キロ走らなきゃいけないんだぜ、頼むから一緒に頑張ろうぜー。
と、なだめたり、スカシたりしながら走り出す。
 レース前のイメージトレーニングだと、前に見えるヤツはことごとく抜き去って、残り2キロで更に追い込み、最後はスプリント勝負で格好よくゴールするはずだったのだが・・・
現実は厳しい!
 実はこれまで怖くて時計を見ていなかったのだが、1キロごとに標識で時間を計ると約5分で走っている。
これなら、今までのトレーニング通り、時速12キロなので、ヨレヨレながらもOK・OK
最初のうちはそれでも、少しずつ追い越しながら進んでいったのだが、途中からどうにも抜かれがちに・・・
試しに1キロのラップを取ってみると・・・
「なんと言う事でしょう!」6分掛かっているじゃぁありませんか。
見なきゃ良かった。
コレを見たとたんガックリきてしまい、沿道の「頑張ってー!」の声援が。。
<オレに言ってるんじゃないよな>
<頼むからソットとしておいてクレー>
と、ネガティブに受け取るようになってしまった。折角の声援にも力なく微笑み返すのが精一杯。
ゴール手前2キロ近くなると、コレまで抜き去ってきたゼッケンがドンドンアタシを追い越して行く。
「ガンバってー!」の声援も何処か、「私の前で倒れないでおくれー、倒れるなら他所にしとくれー」
と、言われているように聞こえてくる始末。
あー、もう何でも良いから早く終ってクレー。。
なんとも、情けない状態でかろうじてゴール・・・
 結果、スイム:約1分、バイク:約12分、ラン:約1分。
合計前回より14分ほど短縮したのだが、ショボイ記録で、終ってしまった。

 実は、『優勝』を謳っていたのだが・・・
「Age部門」は年齢ごとに枠があり、アタシの年齢だとあと、10数分短縮すれば<ベスト5>に入れる。
アタシのバイクは前のギヤが48T一枚のシングルなので、これをダブルにすれば・・・
あとはランをなんとかすれば、悪いが、来年は・・・
それにしても、同い年の猛者が居るのには参る。
【石垣島トライアスロン2011−WorldCup−】につづく・・・
TOPへ優太郎左衛門の先端へ