【唯もうビールのためだけに】
(石垣島トライアスロン2010)

 みんな、アタシの顔をみると「完走した?」と訊く
「優勝した?」って聞かれるぐらいにならないとな。
今回は、初めて行った石垣島の<観光>と、ついでに<トライアスロン>について記録したので、みんなにも読んでもらう事にした。
観光編:【嗚呼、石垣島】も見てね。(2010.5.5)

《出発進行》
 朝1番の飛行機に間に合わすためには始発で行っても間に合わない。
羽田までは車で行ったのだが、4:00に着いてしまった。空港って5:00まで開かないのね。
<石垣に向かう人が多く、大きな自転車の積み込みが拒否されるかも知れません>
なんて噂で早く出てきたけど、心配不要。 「那覇」を経由して石垣へ。
少々、奮発して「石垣リゾートグランヴィリオホテル」へ。ホテルに荷物を降ろしてから 早速<エントリー>のために「総合体育館」向かう(アタシはレンタカーで)。

 体育館の周りは、最新式の自転車の展示会さながら・・・デローザ、コルナゴ、トレック、ピナレロ・・・
体育館の中にはにわかショップがあり、早速CO2のボンベを2本購入。(特別価格:ナント1本¥500)
これ、飛行機に積めないので此方で買って使わないまま棄てて帰ってくることになります。



 エントリーまでには少々時間があるのでお昼に行くことに。。
この体育館から歩いて3分ぐらいの所に<Haru Cafe>なる喫茶店がある。
ここはオススメですが・・・混んでいて入れずスゴスゴ退散する人が後を経たない。
それにのんびりしていて注文してから出てくるまでに30分以上かかる。(待っているだけで腹が減ってしまう)



 食事から戻ると、エントリーが始まっていて、ずいぶん人が増えている。
自分の番号が書かれているテーブルへ・・・自分の番号を言って、免許証等で身分をあからさまにしてトライアスロン袋をもらう。
手首に自分のエントリー番号が書かれたベルトをつけてもらう。
これが参加者たるエビデンスで大会が終わるまではずしてはいけない。
袋にはゼッケン、スイミングキャップ、石垣の塩、Tシャツなどが入っている。


 この後、隣の体育館まで徒歩で移動。
ここではジジィの下手な説明が1時間経っても終わらず、最後はケツをまくりながらも1時間15分かけて終わる。
まぁ、<シチズン部門は必須>となっていたけど、聞かなくても対戦に影響しない。
退屈な説明もやっと終わりホテルに戻ってから自転車の組み立て。(ホテルの部屋までバイクは持ち込んでOK)
この日は街の至る所で自転車が走っているのだが、組み上げると10キロほどそこら辺を転がして17:00ごろにホテルへ。



 ところで、この日のために派手なグローブを買ったのだが、どうも手のひらに入っている綿が邪魔でハンドルが握りにくい。
10キロ走ったら草臥れてしまったのこのグローブはボツ。
替わりにホームセンターで買った¥880のヤツを使う。コッチの方が遥かに使いやすい。
折角この日の為に買ったのに無駄な買い物になってしまった。


 その後、ウェットスーツを着込んで水泳会場へ車で向かう。17:00〜18:00までは会場で泳げることになっている。
1周750メートルのコースをとりあえず1周してくる。(任意参加)
塩加減、水温はちょうど良いし、水もきれいで波も無く泳ぎやすいのだが、普段プールで泳いでばかりいるアタシは下に線が無いのでまっすぐ泳げない。
大して疲れないんだけど、潮にずいぶん流されているようで無駄に泳いでしまっていてどうにも泳ぎにくい。
それに、海水は浮力が強くて、ウェットスーツを着てると脚が浮いてしまって平泳ぎができない。
まぁ、平泳ぎは必要ないんだけど混み合って来て追い越せないとき等はどうしても平泳ぎで間を取ることがある。

泳ぎを終えてホテルに戻る。帰りにコンビにで水を買い、バイク用の750cc用のボトルに水を入れて冷蔵庫で冷やす。
 さぁ、今日の仕事は一応すべてやった。
後は、もらったシールやゼッケンをヘルメットや、ウェアに付けて準備完了。
明日は、膝までの水着の上にウェットスーツを来て泳ぐ。バイクとランはウェットスーツを脱いで水着の上に黒い短パンを履いて、例の黒いUNIQLOのタンクトッ プ(¥500)。

 ところで、残念ながら・・・
先の説明会でお医者さんが・・・「今夜はお酒を飲まないように・・・」と言っていたので忠実にシラフで眠ることに。
(『飲むなだぁ!そんなこと言ったってナァー』と楽しそうに話している人たちがいたけど、競技中にお医者の世話になった人はアルコールチェックが行われ、そういう人た ちは100%前日にお酒を飲んでいるそうだ)
22:30頃オヤスミ

<大会当日>
 当日5:30に起床。
本当は朝4:00頃に朝食を取りたかったのだが、ホテルの都合で朝食は6:00から。
消化のよさそうなお粥を中心に朝食。
それから、バイクを車に積んで会場まで向かう。
車で来ている人は意外と少なくて、駐車場はガラガラ。みんな荷物を背負って自転車で自走して会場に向かっているか、前日にどこかに預けている人が多いみたい。
自転車を組んで「トランジット」とかいう所(駐輪場兼荷物置き場)へ向かう。
そのところが、昨夜冷蔵庫に入れておいたバイクのボトルをそのまま冷蔵庫に置いてきてしまった。
折角この日の為に買ったのに無駄な買い物になってしまった。
しょうがないので、500ccのペットボトルを1つ買う。
トランジットは、すでに雑然としていて、いくつか並べられた簡易トイレの前には行列が・・・(トイレくらい最初に行っておけよな!)
時計、スイミングキャップ、ゴーグル・・・ヨシッ!
自分の番号のところに自転車をひっかけその前に荷物を置いて水泳のスタート地点に向かう。
水泳のスタート=ゴールなんだけど、自転車を停めた場所まで300メートルぐらいあって、そこまで裸足で移動しなくてはいけない。

この辺りが大会本部で、「最終確認」とやらの儀式がある。足首にセンサーベルトを付けて、両腕にマジックで番号を書いてもらう。
なんか、レース開始前の緊張時にマジックで腕に字を書かれるのって注射されてるみたい。
更に、港内を水泳は2周するので、<1周目、無事到着してます印>の白いゴムベルトを手首に付ける。
こいつを1周泳ぎ終えたところで設置してあるカゴに放り込んでから2周目を泳ぐ。
あとで、この数を数えて足りない場合は沈んでいる人がいないかどうか海の中を探さなきゃいけないそうだ。(もっとも浮かんでいる場合もある)

水泳会場に向かうと7:00〜7:30の間に泳ぎたい人は少し泳いでよいことになっている。
それほど日差しは強くなく丁度いい感じ。水に入っても冷たくはない。スタート前に泳いでいる人は全体の1割ぐらいかもしれない。
アタシも折角なので100メートルばかり軽ーくながす。

≪スイム≫
スタートは<Age部門>→<リレー部門>→<シチズン部門>の順に行われる。
各部門内部も「ウェーブ」と呼ばれる140人ぐらいのグループに分けられていて、それぞれのグループが1分間隔で順次スタートする。
アタシは<シチズン部門>の「第2ウェーブ」8:21ごろのスタート。
各ウェーブごとに集団はスイミングキャップの色が違う。アタシはオレンジ色で、その前が水色、その前のリレー部門は緑色。
<リレー部門>と<シチズン部門>の間は5分ぐらい開いている。
アタシは第2ウェーブの最前列に陣取っていたのだが、時間が迫ってくると緊張してトイレに行きたくなってしまった。
泳ぎながらしてやろうかとも思ったけど、スイムの間ぐらいは持ちそうなのでバイクが始まる前に済ませることにする。

アタシがスタートするころにはAge部門の先頭の人はとっくにバイクに向かっている。

 目の前の海の中は色んな色のスイミングキャップでゴチャゴチャ。
いよいよ、アタシの前のウェーブが水色のスイミングキャップでスタートする。
『ホワーン♪』とかいう間の抜けたスタートの合図でシチズン部門第一ウェーブが一斉にスタート。
アタシ達第2ウェーブが1歩前進し、1分後のスタートに備える。(なんか、書いているだけで其の時の感覚がよみがえってきそう。)
 『ホワーン♪』とかいう間の抜けたスタートの合図で一斉に駆け出し、適当なところで飛び込むようにして泳ぎ始める。
色々な人の情報で、スタート直後は<遡上の鮭>状態でゴチャゴチャになると聞いていたけど、先頭で飛び込んでガツガツ泳いで行くとアタシはほとんど先頭。
前方を泳ぐヤツはいない。左側に1人か2人オレンジのスイミングキャップをかぶったヤツがいるけど全然邪魔にならない。が・・・・
100メートルほどいい調子で泳いでいたんだけど前のウェーブグループに追いついてしまい結局団子に巻き込まれてしまう。
仲良く、2人並んで平泳ぎしているヤツとか、ラッコみたいに背泳ぎしているヤツ。早くもロープに捕まって休憩しているヤツやら・・・
二人並んでいられると追い越すの苦労してしまい、結局、左右どちらかに迂回するようによけて泳いだり強引に中央突破したり・・・
でも、コースは昨日より丁寧にロープで仕切られていて少しは泳ぎやすくなっている。
ロープ沿いに泳いでいると途中2箇所ぐらい距離表示がある。
周りには、オレンジ以外にも水色や、緑のスイミングキャップが混ざっている。
もちろん中にはアタシを追い越して行く人もいるが、ほとんど追い越しながら泳いでいるんだけど、結果タイムがショボイ。
と、ここでストップウォッチのボタンをスタート時に押していないことに気付く。。。
折角この日の為に買ったのに無駄な買い物になってしまった。

≪バイク≫
スイム1500メートルを順調に追え、300メートル離れたバイク置き場に向かう。
のんびり歩いている人を追い越して走ってバイク置き場に到着。
窮屈なウェットスーツを脱いで靴下を履く。
次に、水着の上にはく黒い短パンが・・・・・無い。
荷物が入った袋をひっくり返すがヤッパ無い。ホテルに取りに行くわけに行かないので水着のまま走ることにする。
水着を履いててよかった。
UNIQLOのタンクトップ(¥500)を着て靴を履いてから紐を結んで、マズはトイレに・・・
トイレはガラガラ。競技中にトイレに行くヤツなんかそりゃぁいないわな。
ところが、トイレの鍵がなかなか閉まらない。
しばらく頑張ったのだがどうにも旨くいかないので片手で抑えながら用を足す。。。「あー、幸せ・・・」
すると今度は出始めたら最後、何時まで経っても止まらない。。。。<まったく何をやっているんだか・・・>自分で情けなくなってしまう。
随分時間をロスしてしまったが、遅ればせながらバイクをスタート。

 バイクを走らせながら格好悪かった分を取り返すべく両手離しでグローブを付けながら進む。
絵的にはけっこう決まっているつもりなんだけど、そんなことしてるもんだから追いつかれたバイクに次々抜かれる。
<まったく何をやっているんだか・・・>
エンジンが掛かるまでに随分時間が掛かってしまった。
 バイクは40キロなんだけど、これが気持ちいい。
信号は全て無視していい状態になっていてバンバン進める。途中海岸沿いの綺麗な景色を楽しみながら・・・
沿道の声援も嬉しいので、「ガンバッテー」とか言われるとツイ笑顔で手を振りながら・・・5人ぐらいから声が掛かると両手離しで応えてしまう。(こんなことやってるのアタシぐらいなもんです。)
ところが、下りに差し掛かった所で、ギヤをトップに入れたら、ツルンとチェーンが外れてしまった。
折角いい調子で抜いてきた人たちにアッ!という間に抜き返されてしまう。
しかも、知らんやつが「頑張ってー」なんて言いながら抜いていきやがる・・・
別にへばって降りてんじゃないのに・・・幸い、チェーンはただ外れただけだったので直ぐに復旧。
 登り下りを繰り返すが、フロントシングルのアタシも余裕で登れる。<48×25>+<ダンシング>だけで済む。(まぁ、ヤビツの覇者たるアタシならでは、なのかも知れないけど・・・)
約24キロ地点から下り中心になるけど、そこまでの間も上りらしい上りは大して多く無い。
 途中、給水所があってボランティアの人たちから水を受け取れる。
なんか、本当の選手になったみたいでチョット嬉しい。
 街中に入ってくると沿道の応援が増えてくる。それにしたがってスピードも段々速くなってきてゴール前の数キロはほとんど時速30キロ後半のスピードで大声援の中を突っ走る。<こりゃぁ、案外バイクはいい記録が期待できるか?>
なんて、ひそかに期待してたんだけど、後になって結果を見てガッカリ。<ヤッパ、いいバイク買って臨もう!>って・・・
≪ラン≫
 駐車場にバイクを置いたら最後は<ラン>。
アタシの場合バイク用とラン用の靴は同じなので此処だけは時間を節約できる。
解けてしまった左の靴紐を縛りなおして、ランのスタート。
大声援に送り出されて発進。(多分アタシに向けての声援じゃぁ無いんだろうけどみんなアタシを応援してくれていると思って誤解したまま走り出す)
コースは途中までバイクで走ってきたコースを逆方向に戻って進む。
途中、追い抜いてきた連中が次々にバイクのゴールに向かって走ってきているのにすれ違う。これもチョット気持ちいい。
 ところが、調子に乗ってバイクで脚を使いすぎてしまい脚が残っていない。
無理に飛ばせないことも無いのだが、そんなことをしたら間違いなく10キロ持たないどころか直ぐに脚が攣ってしまうのが分かる。
守りに入らないのがアタシの心情なのだが心を鬼にして、ソーッと走る。
 バイクは最後スピードが乗っていただけに、その後のランが遅いこと遅いこと。(オレこんなに遅かったなぁ!?)
でも、周りのみんなも似たようなスピードで、何時まで経っても周囲には同じような顔ぶれが塊になって移動してゆくという感じ。
それほどアップダウンも無い街の中のコースを走る。途中、何人もの人が、脚が攣ってしまい休んだりほぐしたりしていたけど幸い最後まで脚はもってくれそうだ。
ランも信号には全て警官が張り付いていて赤信号でも止まらずに進める。
選手が通らない合間を狙って車を通すのだが、選手が途切れることは中々ないので多分30分待ちしている車とかもあるんじゃないかしら。。。
 スイム→バイクの時は大丈夫だったのだが、ランになってお腹が消化しきれていない感じで少々痛い。
 何時もは時速10キロくらいで練習しているので、10キロ走るのに1時間を要す。
この分じゃ、2時間ぐらい掛かっちゃうんじゃないかしら?なんて思いながら走ってたんだけど結果53分。
 ランでは、約2キロごとに補給が可能で水、コーラ、アクエリアス、バナナ、黒糖などがおいてある。
バナナとか黒糖はボランティアの人たちの持ち出しなのかも知れない。
 それにしても一向にスピードが上がらない。約2キロごとに表示が出ていて、「ヨシ、最後の2キロぐらいはかっこよく走ってやろう」と思ってたんだけど<あと2K>の看板を見たら、「やっぱ、1キロになってからにしよーっと。」って感じで、ここでも心を鬼にしてグッと抑える。
<あと1K>の看板を見て、「ヨシ、最後だ頑張ろう」って思っても、今度は脚が『勝手にやればー』って感じで一向にやる気を出さない。
 それでも中には最後の直線数百メートルで、向きになって追い越してゆく元気な人が何人もいた。
<最後に何か良いところ見せたいなぁー>なんて思っているうちに何もできないまま平凡なゴール。
かろうじて3時間は切れたけど・・・多くの課題を残してしまった。
ゴールをくぐると、ボランティアの若い女性がタオルを1つくれた。
みんなに配っているところを見るとアタシに気があるわけではなさそう。
ゼッケンに書かれたバーコードで、完走を「ピッ!」と記録し脚に付けられていた<センサーベルト>を返却しておしまい。

『さぁ、いよいよビールがアタシを待っている!』
ビールには、3時間近くも待たせてしまい、本当に申しわけないことをした。
来年は、ビールを飲みながら2位のヤツを拍手で迎えてやろう。(2010.5.2)
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