Molly_Gucc's 読書日記  ※ブログを開設しました。2009年〜日記はこちらをご覧ください。
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凡例・書名/編著者/版元/出版年/読了日/コメント(無いものもあります。読書の参考にしてください。( ^ ^ ; )

●桃の楽々/南椌椌/未知谷/04年
●サウスバウンド/奥田英朗/角川書店/05年
元過激派の父親に振り回されながら、次第に成長していく小学6年生の目から綴った冒険ロマン(?)小説。話題になるだけある。(「甘い」と言われるかもしれんが… )やっぱおもしろいわ
●化外の花/太田順一/ブレーンセンター/03年
道ばたの何でもない花・植物に目を向けた不思議な写真(集)。
●分岐点に立つひきこもり/ドーナツトーク社/05年
関西でひきこもり支援を続ける「淡路プラッツ」の田中俊英さんらのディスカッションをまとめたひきこもり支援再考本。ニート論議に流されないためにも、今こそ必要な議論。
●アニメーション学入門/
ありそうでなかったアニメーションの歴史と現在を俯瞰的にとらえたわかりやすい研究本。
●The S.O.U.P/川端裕人/角川文庫/04年[01年]/9.28
 ネット社会に破壊するハッカーたちと、それを守ろうする主人公たちの戦いを描いたエンターテイメント小説。ネット世界での冒険は、『指輪物語』というよりは、なんだか昔ディズニーがつくった映画『トロン』を彷彿させるような…。
●分裂するアメリカ社会/堀内一史/麗澤大学出版会/05年/9.24
 アメリカ保守層と宗教との関係を詳らかにした興味深い一冊。
●日本ロック雑誌クロニクル/篠原章/太田出版/04年/9.20
 時代を彩った日本のロック雑誌を取り上げ、主に編集長インタビューで構成。日本ロック雑誌史であると共に、日本でのロック聞かれ方史としても読める。『ミュージック・ライフ』の星加ルミ子氏のインタビューなど、興味深い話満載。
●韓国のデジタル・デモクラシー/玄武岩/集英社新書/05年/9.17
●こころの科学123 ひきこもり/斎藤環監修/日本評論社/05年/9.12
 「(前略)『ひきこもり』に関する社会の側の理解は格段に深まりつつあると言ってよい。しかし、『ひきこもり』をめぐる状況は、果たしてどれほど変化しただろうか?(略)本当の正念場は『ブーム』が去った後にやって来る」として、本書をまとめた斎藤氏の姿勢は評価できる。それにしても、不登校問題でバッシングされた稲村博門下生の斎藤氏と、稲村批判を展開していた高岡健氏の論争の背景を、同じ稲村門下の山登敬之氏(いずれも精神科医)が解説するなど、あまりにディープな内容。
●希望のニート/二神能基/東洋経済新報社/05年/9.7
 本書を読むかぎり、二神氏が代表を務める「ニュースタート」がしごくまっとうなひきこもり支援を行っていることがわかる。文字通りスローライフを実践(?)するひきこもりの経験者たちが、高齢者介護には向いているというエピソードや親と子の依存関係など、読ませる部分多し。タイトルも秀逸だが、二神氏の話をまとめたライター荒川龍氏の功績?
●教育からの脱皮−21世紀の教育・人間形成の構図/汐見稔幸/00年/9.3
 幼児期から中・高校まで見渡しながら「学力低下」論を批判しつつ、新たな多文化共生型の学力形成を提唱する汐見先生らしい本。
●風光の済州島「漂流」/荒木経惟+藤井誠二/アートン/04年/08.30
 どうしてこの人が撮る何でもないような普通の風景が人を魅きつけるのだろう…というアラーキー節満開の韓国・済州島写真集+いつの間にかこんな巧い書き手になったのだろう…という藤井による豊穣の一文。
●ネグレクト 育児放棄 真奈ちゃんはなぜ死んだか?/杉山春/小学館/04年/8.29
 児童虐待のなかでも発見されにくいと言われる育児放棄の問題に正面から取り組んだルポ。虐待のメカニズムを解明するうえでも、詳細な取材は貴重。ただ「淡々と事実を集めて構成するというノンフィクションの手法に徹した」ためか、生真面目なレポートを読まされているようで、ノンフィクション作品としての深みはどうか。
●大切にしたいものは何? 鶴見俊輔と中学生たち/鶴見俊輔/晶文社/02年/8.28
●子どもがニートになったなら/玄田有史・小杉礼子/生活人新書(NHK出版)/05年/8.26
●12歳からの被災者学/メモリアル・コファレンス・イン神戸/NHK出版/05年/8.20
●夜のピクニック/恩田陸/新潮社/8.15
 2日がかりで80キロを歩くというある高校の歩行祭を舞台に繰り広げられる青春群像。もういつ直木賞を穫ってもおかしくない恩田ワールド満開の小説。
●となり町戦争/三崎亜記/集英社/05年/8.13
 なるほど評判になるはずだ。これは面白い!と言ってしまっては不謹慎か(?)。もしかするとニッポンの今も戦時中?と思わせる恐ーい小説。
●幼児期/岡本夏木/岩波新書/05年/8.12
 おおやっぱりこの人は運動の人なのか! 「『対抗文化』としての幼児期」なんてフレーズはなかなか出てこないぞ。子どもが大切にされていそうで、じつは大切にされていない昨今の状況を発達心理学者の立場から批判する。
●ノンフィクション宣言/猪瀬直樹/文春文庫/92年[88年]/8.10
 ノンフィクション作家の猪瀬が同世代の書き手6人と対談、さらに各書き手のエッセイを収録したもの。猪瀬が「<世代>で語ってみる誘惑にかられていた」とあとがきで知り、改めてこの世代にノンフィクションの有能な書き手が揃っていることを思う。「この世代特有の『転向』体験が、ある積極的表現をとった結果、ノンフィクションが選びとられた、といえないだろうか」とする猪瀬。では、われらの世代を何をよりどころとしてノンフィクションを選びとるのか?
●ダメな教師の見分け方/戸田忠雄/ちくま新書/05年/8.6
 一方こちらは現場といっても管理職の立場から、今の教育界にもの申す。たまにこういう本を読むと、教育現場で管理職が何を考えているのか参考になる。が、組合批判などやっぱり一方的すぎるのでは?。
●不適格教育宣言/赤田圭亮/日本評論社/8.5
 たたかう中学教師・赤田さんの雑誌連載エッセイをまとめたもの。改めて美文家であることを認識(失礼)。上からの教育改革など、下(現場)から徹底抗戦の論陣を張る。
●ロックの英詞を読む/ピーター・バラカン/集英社インターナショナル/03年/8.3
 著者も言うように本当に「目からウロコ」の訳詞集。ディランの「風に吹かれて」の有名な一説「答えは風に舞っている」が、「自らつかみ取るべきもの」の意があるなど、ヘェーがいっぱい。いやー、英語って奥深い。ロックの訳詞家はまず本書を読んで勉強すべし。
●ハーフ・フィリピーナ/森本葉/96年/7.27
 フィリピンクラブのホステスとして、そこで生活するフィリピン女性を取材し潮賞を受賞したノンフィクション。久田恵の『フィリッピーナを愛した男たち』とは比べようもないが、貴重な記録ではある。会話主体でもう少し地の文の書き込み(分析・洞察)が欲しかった。
●ひみつの植物/藤田雅矢/WAVE出版/05年/7.26
●靖国問題/高橋哲哉/ちくま新書/05年/7.25
 話題の書。靖国問題を感情、歴史認識、宗教、文化の問題から分析、まさに全面展開。国立追悼施設問題にも鋭くメスを入れ、バッサと切り落とす。
●教科書に載らないニッポンのインターネットの歴史教科書/ばるぼら/翔泳社/05年/7.23
 「日本のインターネットの歴史について書かれた本としては間違いなく最高峰」(大森望氏)というのもうなづける労作。だって、インターネットはビッグバンの如く日々膨張する巨大なネットワーク。その歴史をまとめようとした、その「意志」だけでも賞賛に値する(?)っていうもの。それにしても、BEKKOAMEが一般向けのプロバイダーサービスを始めたのが94年。わずか十数年でデジタル環境の様変りに改めて驚く。さて、これからどこへ行くインターネット…。
●M8/高嶋哲夫/集英社/04年/7.18
 阪神淡路大震災を体験した地震 研究者が東京直下地震を予知する物語で、説得力をもたせるためか科学的なデータや分析法がいろいろ持ち出されている。なるほど著者プロフィールを見たら「日本原子力研究所研究員を経て」とあった。この著書の本は『ダーティー・ユー』も読んでいるはずだが、うーん内容をよく思いだせん(~_~;)。エンタテインメントとしては「予知」が軸にせざるえないかもしれないが、もっと震災後を「科学的」に展開・検証した話を読みたかった。
●マーケティング・インタビュー/上野啓子/東京経済新報社/04年/7.10
●朝鮮高校の青春 ボクたちが暴力的だったわけ/金漢一/光文社/05年/7.4
 これまたワタシの知らない話満載。?セって今までの朝鮮高校本って教科書みたいにお行儀よかったから。これはフツーのチョン高生による証言として貴重。
● 知をそだてる保育/秋田喜代美/ひかりのくに/00年/7.3
● 安住しない私たちの文化-東アジア流浪/姜信子/晶文社/02年/7.2
 なるほどよく勉強している人で、ワタシも知らないこと多々。四方田犬彦らが映画評論の領域で試みた汎アジア的評論のスタイルを芸能・音楽までにおし広げ、新たな地平を切り開いたような印象。
●古典落語CDの名盤/京須偕充/光文社新書/05年/7.1
 ありそうでなかった落語の録音アーカイブガイド。著書の好みか正当な評価か五代目小さんが頻出。聞かず嫌いか、やっばり生前にナマ小さんを体験しておくべきだったかと少々後悔。
● 蝦夷・アテルイの戦い/久慈力/批評社/02年/6.22
● 不登校は終わらない 「選択」の物語から<当事者>の語りへ/貴戸理恵/新曜社/04年/6.15
●アイルランド歴史紀行/高橋哲雄/ちくまライブラリー/95年
● 一目でわかる江戸時代/竹内誠監修・市川寛明編/小学館/04年/
●子供の認知はどう発達するか/田中敏隆/金子書房/02年
●沖縄の島へ全部行ってみたサー/カべナリア吉田/東京書籍
●虚業成れり−呼び屋・神彰の生涯/大島幹雄/岩波書店
●かたづけ学/加藤博司・世古真一/青春出版社/04年/5.25
●ピアジェ理論による幼児教育/松井和男ほか編/明治図書/02年
● Jポップとは何か−巨大化する音楽産業−/鳥賀陽弘道/岩波新書/05年/5.20
『Jポップの心象風景』の著者によるJポップ興隆の歴史検証本。ジャーナリストらしい綿密な調査とデータをもとに、Jポップを俯瞰。あるようでなかった好著だが、音楽論には踏込んでいない。
● 現代哲学がわかる。[AERA MOOK]/朝日新聞社/02年/5.12
● 虚構のクレーン/井上光晴/新潮文庫/60年
● 仏教がわかる。[AERA MOOK]/朝日新聞社/00年/
● 沖縄ノート/大江健三郎/岩波新書/70年/
● 命こそ宝 沖縄反戦の心/阿波根昌鴻/岩波新書/92年/4.30
● 教育改革と新自由主義/斎藤貴男/子どもの未来社/04年/4.28
● 編集とはどのような仕事なのか/鷲尾賢也/トランスビュー/
● 「最前線」音楽業界知りたいことがスグわかる!!/梅田勝司 /こう書房/97年/4.23
● だれが「音楽」を殺すのか?/津田大介/翔泳社/04年
● 言論統制/佐藤卓巳/中公新書/04年
● シマが基地になった日/真鍋和子/金の星社/99年/4.3
  今夏、訪れる予定の沖縄・伊江島の阿波根昌鴻さんと島の人びとの半世紀にわたる闘いの記録。不明にしてこの闘いの歴史を知らずにいたが、土地取り上げによって、一時は島の7割が米軍に渡っていたという(今でも3割が米軍用地)。子ども向けの本だが、わかりやすくよくまとまっている。
● しつけ方の基本とコツ[児童心理臨時増刊]/金子書房/04年/3.31
● アメリカ素描/司馬 遼太郎/新潮文庫/89年[86年]/3.30
 多民族・多文化国家アメリカを具が混ざりあわない「おでん」に例え、ニューヨークのエスニックタウンやサンフランシスコのゲイタウンを闊歩する司馬。生きていたら今のアメリカをどんなふうに評するだろうか。
● エスニック・メディア研究/白水繁彦/04年/3.28
 海外の日系メディアを含むエスニックメディアの研究本。ワタシも知らない話が多く勉強になりました。
● 脱フリーター社会/橘木俊詔/東洋経済新報社/04年/3.20
● 13歳のハローワーク/村上龍/幻冬舎/03年/3.14
 なるほどオトナに受けるのもわかる気がする村上流職業紹介、否生き方紹介と言った方が適切かも。いろいろな「好き」を入口に514種の職業を紹介し、なおかつ刺激的なコラムで読ませるガイドになっています。ワタシ的にはコッポラの件が面白かった。
● 〈子育て法〉革命/品田知美/中公新書/04年/3.10
 日本における、とくに近年の「子育て法」の変遷をたどるという、今までありそうでなかった論点にまず瞠目。たしかに、行き過ぎた「子ども中心」育児法は問題だよなぁ(とわが家を振り返りつつ思う)。「親の主体性」のない子育てに警鐘を鳴らす著者に共感すること多し。
● [児童心理臨時増刊]子どもが変わる生活習慣づくりム 早寝早起き・食活・学習・テレビノム/金子書房/04年/3.5
● 学校に自由の風を! −保護者,生徒,教師たちの声−/都立学校を考えるネットワーク/岩波ブックレット/05年/3.5
● 世界を変えるお金の使い方/山本良一、Think the Earth プロジェクト/ダイヤモンド社/04年/3.4
● 暴走する石原流教育改革/村上義雄/岩波書店/04年/3.2
 「世界」の記事をまとめたものなので、読みごたえは今ひとつ。が、やはりこのテーマを俯瞰したリポートが少ないだけに貴重。
● 早起き・早寝・朝ごはん/鈴木みゆき/鈴木みゆき/芽ばえ社/05年/2.28
●ポスト・モダンの条件/ジャン=フランソワ・リオタール/書肆風の薔薇 (水声社) /86年/2.19
● 精神保健福祉法(2002年施行)ムその理念と実務ム/金?q晃一、伊藤哲寛、平田豊明、川副康成/星和書店/02年/2.14
 近年の精神保健福祉行政の流れと変化について、勉強になりました。
● 歌舞伎町案内人/李小牧/角川書店/02年/2.13
 こちらは歌舞伎町の裏社会モノというより、在日外国(中国)人の生活をメンタリティも含めて描いた点が秀逸。李の話をまとめたライターもイイ仕事しています。
● グロテスク/桐野夏生/文藝春秋/03年/2.10
「被害者が本名で掲載されている佐野さんの『東電OL殺人事件』は読めなかった」という某女史からススメられて讀んだ本。こりゃ、桐野ワールドだわ。人間のドス黒い本質にグイグイ迫って、ちょっと身じろぎしちゃう ( ^ ^ ; 。個人的には、中国の「盲流」(中国での地方から都市への労働力の移動)を描いた章が興味深かかった。
● [レコードコレクターズ増刊]ベスト・オブ・ベストアルバム/ミュージックマガジン/04年/1.28
● 司令官たちム湾岸戦争突入にいたるメ決断モのプロセス/ボブ・ウッドワード/文藝春秋/91年/1.24
● 教育と国家/高橋哲哉/講談社現代新書/04年/1.21 
 闘う哲学者による「戦後教育悪玉論」の無意味さを丁寧に説いた本。こういう本を読むと元気が出る。「(君が代を)教職員組合に属する教育は、立っても歌わないというケースが多いようですが、これは不起立でないから問題にならないだけに、声量調査でも始めれば、これまた処分の対象にされるでしょう」という数日前に報道された町田市教委の暴言を予見するような記述にドキリ。
●ダーリンは外国人/小栗左多里/メディアファクトリー/02年/1.15
 国際結婚の日常顛末を描いたノンフィクションやエッセイは数あれどマンガは初(?)ということもあってか、あれよあれよのベストセラーに。今や20組に1組が外国人カップルという国際ニッポンの世情を映す現象か。大笑いはできないが、クスクス笑いでサクッと読めます。
● 他国の死/井上光晴/講談社文庫/73年〔68年〕/1.14
 昨年のTHE ガジラに触発されて読んだ本。朝鮮戦争に「参加」した日本人たちへの尋問によって明らかにされる細菌兵器の開発や米軍による虐殺などが繰り返される尋問によって浮き彫りされる緊迫した構成。
●大逆のゲリラ/荒岱介/太田出版/02年/1.4
 鴻上尚史が推していたので読んだ「実録・過激派ゲリラ戦始末記」。けど、同世代じゃないしもともと武闘派には違和感をもつワタシにゃ、それほど面白くなかったが…。
● 落語 笑いの年輪/興津 要/講談社学術文庫/04年[68年]/1.1

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