Molly-Gucci'S乱読日記2001
TOP PAGEに戻る

凡例・書名/編著者/版元/出版年/読了日/コメント(無いものもあります。読書の参考にしてください。 ( ^ ^ ; )

●本屋はサイコー!/安藤哲也/新潮OH! 文庫/01年/12.31
 文脈棚など独特の書店経営ノウハウを持つ現bk1店長の安藤サン。出版流通の問題を考えるうえで参考になりました。

●ブレアのイギリス 福祉のニューディールと新産業主義/舟場正富/PHP新書/98年/12.23
 ブレアの斬新な政策はわかったが、ニューディール政策の若者支援についてもうちょっと知りたかったなぁ

●プロ教師読本Vol.5  それでもまだ生徒を教育できるのか?/洋泉社MOOK/99年/12.22
 
●町にオウムがやって来た/藤岡オウム騒動を記録する会/リベルタ出版/01年/12.17
 よくこんな本が出せたなという一冊。なにしろ住民と信者の双方が執筆・編集にあたっている。しかし、オウム問題とは不可解かつ複雑な問題なのだと改めて思う。

●韓国美人事情/川島淳子/洋泉社新書/01年/12.16
 いつもご協力いただいている川島サンの最新刊。韓国のことは結構知った気でいたけど、いやーまだまだ知らないことだらけでした。 ( ^ ^ ;  

●かめくん/北野勇作/徳間デュアル文庫/01年/12.08
 今年度の日本SF大賞を獲った不思議な味わいのある、想像力をかきたてられる不条理SF小説。

●死の準備/近藤誠・日垣隆・山田太一・吉本隆明ほか/洋泉社新書/01年/12.05
 近藤サンのガンを患った際の対処法が参考になったのと、日垣サンのコラムが良かったです。

●東電OL殺人事件/佐野眞一/新潮社/00年/12.04
 これまた佐野サンの労作。足で歩いた取材力と想像(妄想?)力でグイグイ押してきます。 ( ^ ^ ;  それにしてもこの渡辺サンっていう人は‥。

●キーワードでわかる最新・心理学/成田毅/洋泉社新書/00年/12.02

●私の体験的ノンフィクション術/佐野眞一/集英社新書/01年/11.30
 いやー、これは参りました。佐野氏の求道的な取材・執筆姿勢には圧倒されます。勉強になりました。

●ひきこもり−「対話する関係」をとり戻すために−/田中千穂子/サイエンス社/96年/11.16

●出版幻想論/藤脇邦夫/太田出版/94年/11.15
 「出版」に幻想を抱いているのは著者自身?

●[市販本]新しい公民教科書/西部邁ほか/扶桑社/01年/11.14
「歴史教科書」もざっと読んだけど、やっぱりこっちもおかしい。ひっかかるところばかりで、スラスラ読めない。ホントにこんな教科書を採択した学校があるの?

●「難民」世界と日本/吹浦忠正/日本教育新聞社/89年/11.11
 「難民を助ける会」代表幹事による難民問題についてよくまとった本。これを読むと改めて人類の歴史は「難民の歴史」でもあったことがわかります。

●ひきこもりからの旅立ち[ももこ14歳 魂の詩]/北風ももこ・井上敏明/朱鷺書房/01年/11.06
 ひきこもりの心の世界を詩で表現する14歳の詩集と、カウンセラーと父母による対談。父親との関係など興味深い。

●難民と人権 新世紀の視座/難民問題研究フォーラム編/現代人文社/01年/11.04

●国家が見捨てられるとき/長谷川慶太郎/東洋経済新報社/90年/11.01
 やたら書きまくっている経済学者(?)の長谷川サンだが、これは難民・外国人労働者について書いた結構まともな本。ただし、記述はインドネシア難民まで。

●朝まで生テレビ! 激論!! 外国人労働者/テレビ朝日/90年/10.31
 今から11年前に議論された外国人労働者の受け入れ問題。ここで交わされた議論は、基本的に現在にも通じる問題でしょう。でも、テレビの再録だから読みにくい。

●ユートピアの冒険/笠井潔/毎日新聞社/90年/10.31
 現代思想の流れを易しく解説した本、ていうけどやっぱり難しかったよ〜ん。 ( ^ ^ ;

●ドラマチック チルドレン/乃南アサ/新潮文庫/96年/10.29
 さまざまな問題を抱えた子どもたちが共同生活をおくる「ピースフルハウス・はぐれ雲」(富山)を作家の目で追ったノンフィクションです。

●こんにちは、メンタルフレンド 「引きこもり」の子どもの心を開き、家族を開く支援システム/長谷川博一/日本評論社/00年/10.16

●カンチャマ[運命] 在日ビルマ人難民認定の3000日/ミャミャウィン/97年/10.16
 民間人で最初に難民認定を受けた著者の体験記。ビルマ民主化のために日本で活動する著者の思いが伝わってきます。

●ひきこもりカルテ/内田千代子/法研/01年/10.14

●密室の人権侵害 入国管理収容施設の実態/入管問題調査会/現代新社/96年/10.10
 「外国人は煮て食おうと焼いて食おうと勝手」という日本の入管行政を象徴する非人間的な収容施設の実態を暴く。

●「難民」とは何か/小泉康一/三一書房/98年/10.5

●難民/加藤節・宮島喬/東京大学出版会/94年/10.4

●図書館逍遥/小田光雄/編書房/01年/10.2
 図書館にまつわるさまざまなエピソード、物語をつづったコラム 。

●若者のすべて ひきこもり系VSじぶん探し系/斉藤環/01年/09.30
 う〜ん、これはよくわからん本だったなぁ ( ^ ^ ; 。

●ひきこもりカレンダー/勝山実/文春ネスコ/01年/09.29
 ひきこもり当事者による手記ですが‥‥一番面白かったのは巻末の斉藤環氏との対談でした。

●激論!ひきこもり/工藤定次・斉藤環/ポット出版/01年/09.27
「ひきこもり界の戸塚ヨットスクール」という(もちろんそんなことはない ( ^ ^ ; )工藤さんと、精神科医の斉藤サンの対談。民間支援団体と医者という立場の違う二人が、ひきこもりをめぐるさまざまな問題を議論。いやー、これは勉強になります。

●日本の難民認定手続き−改善への提言/難民問題研究フォーラム/現代人文社/96年/09.23

●難民からみる世界と日本 アムネスティ・インターナショナル日本支部人権講座講演録/
 アムネスティ・インターナショナル日本支部/98年/09.23

●僕らが働く理由、働く理由、働かない理由、働けない理由/稲泉連/文藝春秋/01年/09.22
 前作『高校中退マニュアル』で取材させてもらった稲泉クン。すっ、すごく文章が上手くなっている(絶句)。これって、天賦の才? 「働くこと」をキーワードに、中退、フリーター、ひきこもり、自営などさまざまな道を歩む同世代の若者たちのルポ。早くも次作が楽しみ。

●単一民族神話の起源〈日本人〉の自画像の系譜/小熊英二/新曜社/95年/09.21
「日本社会は単一民族社会である」という神話は、意外にも戦後に生まれだということを膨大な資料をもとに立証した労作。

●日本における難民の保護 アムスティインターナショナル調査報告書/アムネスティ・インターナショナル/93年/09.20
 難民政策において国際的な義務を果たさない日本政府を批判したコンパクトな調査報告。

●R.P.G./宮部みゆき/集英社文庫/01年/09.17
 はい、家族問題をネットにひっかけた話題作ですね ( ^ ^ ; 。もちろん宮部印は安心ブランドですけど、でもこれって途中で犯人わかっちゃうよね? そのあとはコロンボ的展開を楽しむきゃないのかな?と思っていたら、一応ドンデン返しはありましたけど‥。

●Suger andSpice[写真集]/蜷川実花/河出書房新社/00年/09.15
 太陽賞をとったあのニナガワさんの娘さんの写真集。同時受賞のHIROMIX同様、やっぱピントはずしまくりの自然体写真の羅列で、最初はなんだかなぁ〜なんだけど、ずっと眺めていくと不思議と元気が出てきてニンマン‥ ( ^ ^ ; という魅力がある。それがこの人の真骨頂?

●難民問題とは何か/本間浩/岩波新書/90年/09.10
 これはもう難民問題の基本テキストでしょう。なのに、品切れ状態というのがじつに残念。

●働くことがイヤな人のための本/中島義道/日本経済新聞社/01年/09.09
 なんだかな〜の人生訓。さっぱり頭に入ってこないのは、働くことがイヤじゃないからかしらん? ( ^ ^ ;

●市民社会と教育/藤田英典/世織書房/00年/09.07
 やっぱりそういう↓批判もあったようで、こちらでは具体的な改革も提案している。

●教育改革/藤田英典/岩波新書/97年/09.04
 現在、議論・進行しているさまざまな「教育改革」に疑問を呈する藤田氏。でも、じゃどうしたらいい?という論が少ないのでは?

●インターネットはグローバル・ブレイン/立花隆/講談社/97年/09.02
 もう4年前の本だし、今さら‥という感じで読みはじめたんだけど、次から次へとさまざまなWEB 情報をまな板に乗せ、料理する包丁さばきはさすがさすがシェフ立花氏。まるで立花氏のナビでネットサーフィンを体験しているような気分になりました。

●本日も不法滞在/張芸真(チャン・イェジン)/朝日ソノラマ/01年/08.30
 不法滞在で「強制送還」される外国人を相手に航空チケットを売る張サンの体験レポート。なるほどこんなエスニック・ビジネスがあるのかと関心。韓国人ホステス相手のホストクラブがあるなんて知ってたぁ?

●ひめゆり忠臣蔵[増補新版]/吉田司/太田出版/93年/08.21
 戦後沖縄の反戦平和の虚妄さを暴いて(?)話題となった『ひめゆり〜』のその後の顛末も収められた増補新版。まあ、たしかに史実はともかく、筆者の自虐的なオフザケ文体にカチンとくる人は多いでしょう。(取材者などからの削除要求で)虫食いだらけになった本書よりも、ここはやはり旧版を読むべきか。

●思春期サポートガイドブック/社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会かながわボランティアセンター/00年/08.20
 不登校やひきこもりなど思春期をサポートする民間も含めたさまざまな機関を紹介したガイドブック。半行政がここまで踏み込んだの評価できる? ほかに関係者による座談会など収録。

●北アメリカ大陸先住民族の謎/スチュアート・ヘンリ/光文社文庫/91年/08.19
 タイトルはなんだかトンデモ本ぽいが、これまたネイティブ・アメリカンやイヌイットら先住民族の歴史と現在を的確に記した良書(だと思います)。

●日本人が知らないアメリカ/アンドレ・キャラビ/小学館/98年/08.16
 『SAPIO』の連載をまとめたものらしいが、意外や(?)多民族・多文化社会アメリカを紹介する良書なのでビックリ。オススメです。

●自動車の社会的費用/宇沢弘文/岩波書店/74年/08.12
 高名な経済学者による車社会批判。さまざまな統計・調査を例にとりながら都市交通の問題点を指摘するが、いかんせん四分の一世紀前に書かれたものなので、数字が古過ぎます。 ( ^ ^ ;  でも問題はますます深刻になっていることは確か…。

●国民の油断 歴史教科書が危ない!/西尾幹二・藤岡信勝/PHP文庫/00年/08.12
 教科書問題で大きな話題と議論を呼んだ「つくる会」の中心人物による歴史教科書批判。でも、読んでてやっぱおかしいと思うところだらけ。「日教組が裏検定」だなんて、そんなチカラ持ってないってば ( ^ ^ ; 。

●新編・琉球弧の視点から/島尾敏雄/朝日文庫/92年/08.11
 日本列島とそれに連なる奄美・沖縄などの南西諸島、そして台湾、フィリピン、ミクロネシアなどの大平洋諸島との精神的・文化的つながりを「ヤポネシア」と名づけて、考察を続けた島尾の名著(と言われている)。ただ、『ちゅらんさん』が中高生たちの間でも人気を呼ぶなど、南西諸島がさまざま局面でグッと身近に語られるようになった現在、古めかしく感じてしまうのはいたしかたないのかも。

●ネグロス−希望の島 飯田典子写真集/太田出版/01年/08.10
 「つくられた飢餓の島」ネグロスに通い続けた飯田さんの写真集。おそらくは何(十?)万点ものなかから選ばれた写真は、人びとの「希望」を写している。願わくば飯田さんのレポートとともに読みたかった。この写真の裏側に膨大な物語が隠されているだろうから。

●出版大崩壊/小林一博/イースト・プレス/01年/08.09
 出版不況の深刻さを具体的に指摘して話題となった本書だが、佐野サンの本を読んだ後ではやはり色褪せる感も。

●日本の音 世界のなかの日本音楽/小泉文夫/平凡社/94年/08.08
 民族音楽研究者として著名な小泉氏による日本音楽の普遍性と独自性を論考したもの。小泉サンの本ってたしかに読みやすいんだけど、なんかこう読んでいてストンと落ちないないんだよね。やっぱ、学究的な説明が多いため?

●すばらしい新世界/池澤夏樹/中央公論新社/00年/08.02
 池澤サンの本を読むのも初めて。ネパールに風車を建てに行くというエコロジー小説(?)。ちょっと説教くさいけど、ラストに小説的な展開もあって結構オモシロかったです。

●だれが「本」を殺すのか/佐野眞一/プレジデント社/01年/07.27
 じつは佐野サンの本を読むのは初めて。で、この本は出版に関わる仕事をしている人はやっぱ必読だと思います。幅広い視点ですごくよく取材している。まさに著者が言うように「『本』の世界にいま起きている事件ルポルタージュ」。図書館の項で、あら懐かしや、西河内さんの名前にもびっくり。
この本のその後を追った「本のゆくえ」をbk1サイトに連載中です!

●武士道とエロス/氏家幹人/講談社現代新書/95年/07.25
 ゲイをテーマに取材を続けている頃、読みたいと思った本。「衆道」など江戸・明治期の知られざる同性愛社会を描写・論考している。

●引きこもり生還記/池上正樹/小学館文庫/07.22
 主にひきこもり体験者とその親たちのインタビューで構成。「親たちは、この問題を親身に考え、行動してくれるスタッフやシステムを真剣に待ち望んでいるのだ」という訴えには、共感する。

●全身落語家読本/立川志らく/新潮社/00年/07.21
 これは師匠・談志の名著『現代落語論』に並ぶ現代落語論。「大喜利」の功罪などポンとヒザを打つことしきり。志ん生をはじめ歴代の名人を評した咄家論から、ネタの解説までぎっしりとつまった内容だが、一気に読んでしまった。ちなみに巻末の「卒業試験」はまったくペケ。とても落語通を名乗ることはできませんね ( ^ ^ ; 。(ちなみに私の贔屓は喬太郎)

●放課後泥棒/森末哲朗/曇母書房/01年/07.13
 神戸の六甲学童保育所(どんぐりクラブ)の指導員をされている森末氏の実践と活動記録。「子どもは一人では育たない、群れのなかで育つ」を信念に、学童保育を超えたさまざまな活動に取り組むという氏だが、その面白さが十分に伝わってこないのは構成のせい?

●ケルトの風に吹かれて/辻井喬・鶴岡真弓/北沢図書出版/94年/07.09
 西武(笑)の辻井サンと“ケルトの伝道師”鶴岡サンの対談。ケルトから縄文へと話はあちこちへ広がり、通低するのはポストモダン? ケルトの基礎知識がないとちょっと読みずらいかも。

●セカイをよこせ! 子ども・若者とともに/楠原 彰/太郎次郎社/99年/07.07
 アフリカやアジアの子どもたちの「世界をよこせ!」と、日本の子どもたちの「セカイをよこせ!」を考える評論集。

●刑務所の中/花輪和一/青林工藝社/00年/07.03
 銃刀法違反で3年の懲役をくらった著者による克明な受刑記録コミック(こんな表現がある?)。いやー、それにしても食事から風呂、服装にいたるまでフェチともいえるこの記録(記憶)はすごい。そして、受刑者の非人間的な扱いにも驚嘆。やっぱ、あんなとこ行きたくないよね。 ( ^ ^ ;

●八ツ場ダムの闘い/萩原好夫/岩波書店/96年/07.02
 今からおよそ50年前に計画が成され、ようやく着工が決まった八ツ場(やんば)ダムの予定地・川原湯で、非民主的なダム行政と闘ってきた著者の記録。その後の成田闘争をはじめ、さまさまな官と民の闘いの原点を見る思いが…。今夏に現地を訪れる予定です。

●ガイジン会社/ジャクソン・N・ハドルソン/サイマル出版会/90年/06.30

●選挙参謀/関口哲平/角川書店/01年/06.28
 アントニオ猪木、野末珍平、舛添要一らの選挙プロディーサーだった著者による自身をモデルにした選挙小説。一応「フィクション」としているが、きっとこれに近い汚い手はさんざん使ったのだろうな…。やっぱ、選挙ってスゴイ世界だわ。

●グヌーテラでいこう! インターネット世界に革命を起こす『Gnutella』/山村恭平/01年/06.26
 ネットに接続している無数のPCとファイル共有の仕組みをつくるソフトGnutellaの解説書。勉強になりました。 ( ^ ^ ;

●ナショナリズムとジェンダー/上野千鶴子/青土社/98年/06.25
 表題の問題を「従軍慰安婦」問題などを中心に据えて力のこもった論考。

●ガラスの麒麟/加納朋子/講談社文庫/00年/06.24
 通り魔に殺された女子高生の事件を発端に、登場人物や視点を変えながら、女子高を舞台に連作のかたちをとりながら進んでいくミステリー。うーん、まあまあすっね。

●愛情遮断症候群/三木裕子/角川書店/01年/06.23
 全P研大会でご一緒する予定の小児科医師・三木さんの書き下ろし「角川oneテーマ21」(新書)。親から愛されない子どもの問題を臨床と自身の子育て体験をもとに報告・論考してます。

●共生の大地 新しい経済がはじまる/内藤克人/岩波新書/95年/06.21
 資本主義的競争社会に別れを告げ、オルタナティブ経済・社会のあり方を実例をもとに探った話題の書。6年前に提起されたこうした流れはますます大きなものとなっていると思うが、いま読むともはや、やや古いか。

NHKスペシャル驚異の小宇宙・人体3遺伝子DNA3−日本人のルーツを探れ−人類の設計図−/NHK「人体」プロジェクト/日本放送出版協会/99年/06.14
 これNスペで観たけど、すっごく面白かった。たとえば、日本人のDNAタイプのうち日本人固有のタイプはわずか4.8%しかいなくて、あとは韓国に多いタイプ24.2%、中国に多いタイプ25.8%、沖縄に多いタイプ16.1%などで、DNAレベルでも「日本人」ってめちゃめちゃ混血であることが証明されているわけ。なぜ、改めて本を読んだかというと、金城一紀の小説『GO』のなかで、主人公の在日韓国人青年が日本人のガールフレンドに「日本人」を説明するくだりがあって、参考文献として挙げていたから。でも、やっぱり映像のほうが面白かったなぁ。 ( ^ ^ ;

●経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか/ダグラス・ラミス/平凡社/00年/06.11
 タイトルはこうだが、実際には経済発展だけでなく、安全保障や日本国憲法、環境問題など、いま地球が直面しているさまざまな問題を取りあげている。それも、実証的に。たとえば、国家によって殺された人の数は、この100年間でおよそ2億人にのぼり、うち1億3千万人が自国民だという。よって「国家は国民を守ってくれない」と。こうした例を持ち出したながら、「大多数の人が『非常識』と判断しているものの考え方が主流の常識にとって代わる」変革を促す。うーん、さすがはラミスさん、もっとこの人の本を読みたくなった。

●言語としてのニュージャーナリズム/玉木明/學藝書林/92年/06.06
 「ニュー・ジャーナリズムを論ずることは、そのままわが国のジャーナリズムの貧しさを確認する作業であった」という著者の言が耳に痛い。新聞記者・ボブ・グリーンの「一遍の短編小説にも似た味わい」をもつコラムが生まれた背景、湾岸戦争での米政府のマスコミ操作術など、いくつかの興味深い論考あり。

●カリブ海世界/石塚道子編/世界思想社/91年/06.05

●Alone together/本多 孝好/双葉社/00年/05.31
 不登校児を対象にした塾で働く主人公は、相手の波長と共鳴することで「会話」ができる不思議な能力を持つ。問題をもつ子どもや親たちの描写など、なかなか読ませるミステリーでした。

●沖縄は歌の島−ウチナー音楽の500年/藤田正/晶文社/00年/05.27
 「沖縄のどこへ行っても歌があふれているという幻想も否定しようと思っている」「観光ガイドにあるような、誰でも三線が弾けて、誰もが歌が得意であるという『定説』も、嘘である」と断言する著者。古典音楽からウチナー・ポップまで、500年にわたる沖縄音楽を俯瞰しつつ、「沖縄は、なぜ歌の島であるか」という秘密に迫る。いやー、『メッセージ・ソング』といい『クロニクル 20世紀のポピュラー音楽』といい、最近の藤田サンはホント、いい仕事してます。

●クロニクル 20世紀のポピュラー音楽/三井徹・北中正和・藤田正・脇谷浩昭編/平凡社/00年/05.22
 この100年間の世界各地のポピュラー音楽を編年体でつづるという、今までありそうでなかった画期的な音楽史。とかく欧米(とくにアメリカ)を中心に語られがちなポピュラー音楽をグローバルに俯瞰することで、狭義の音楽観からの解放をめざす。各執筆者の説明文も短いながら、じつにツボをおさえています。いやー、編者のみなさん、いい仕事してますねぇ。

●新時代の教育をどう構想するか 教育改革国民会議の残した課題/藤田英典/岩波ブックレット/01年/05.17
 さまざまな問題を残した「教育改革国民会議」の委員として参加し、最終報告を「30点」と評した筆者による「会議」批判。筆者の意見にすべて賛同するわけではないが、「会議」の「報告」がいかに問題をはらんでいるか丹念に論考している。

●真実は警察よりも正しい−再び、妹の不慮の死の真相を訴える−/木村荘一/けやき出版/00年/05.16
 これは知人よりいただいたもの。妹の不慮の死を「転倒によるもの」とした警察捜査に疑問を抱き、ひき逃げによる交通事故だとを訴える筆者による執念の記録。ひき逃げの可能性をかたくなに否定する松江警察署…筆者は警察ぐるみによる身内の犯人隠しではないかと疑う。

●外国人労働者新時代/井口泰/ちくま新書/01年/05.11
 少子・高齢化がすすむなかで、外国人労働者をどう受け入れていくのかを探った論考。「アジア諸国と連動した人材開発」など新しい視点もあるけど、ガクシャさんの本は読みにくいねえ…。

●森の仕事と木遣り唄/山村基毅/晶文社/01/05.10
 ルポライター山村さんの書名どおりのルポルタージュで、弊社の松原が編集したもの。これって、失なわれゆく仕事と唄をテーマにした記録文学ともいえるかも。それにしても山村さん、地味なテーマを地道に追いかけています。m(_ _)m

●音楽ライター養成講座/小野島大/音楽之友社/00/05.07
 べつに今さら音楽ライターになろうなんて気ないってば ( ^ ^ ; 。そうじゃなくて、ノウハウ本の体裁をとりながら現在の日本の音楽ジャーナリズムや音楽を聴く、批評するとはどういうことなのかを考えさせれる本、ということで購読。で、まさにそーいう本でした。現役ミュージシャンでライターであるさえきけんぞう氏や評論家の北中正和さんとの対談など、なかなか面白かったです。

●コンセント/田口ランディ/幻冬社/00年/05.04
 ネット作家として有名になった田口ランディの初小説。この人、う、うまっい!と久しぶりに興奮しながら読みました ( ^ ^ ; 。が、最後はなんだか…。ひきこもりの末に衰弱死を選んだ兄(これ、実体験らしいです)が残した死の謎を追う妹(これも田口さん?)。結局、テーマは「自分探し」ということでしょうか。だから、結末をどうするか本人(作者)も悩んだのでは?

●漂流教師/パルコキノシタ/青林堂/01年/05.02
 一部で話題(?)の元小学校教師による教師を主人公にした学校コミック。作者はフィクションだと記しているが、いうこときかない子どもの給食のプリンを取りあげたり、親にはわからない「体罰」を加える教師が出てきたり、おっかない主任がいたるとけっこう描写がリアル(?)。「現場の教師は『朝生』なんかに出ているヒマはない」とか「教師はお客さん(生徒)をめんどうみていくことでギャラをもらっているサービス産業だ」とか教師の本音(?)もあちこちに。現役の教師たちの感想が聞きたい。

●遺言状を書いてみる/木村晋介/ちくま新書/01年/05.01
 そうそう、前から遺言状を書いておこうと思っていたんです私。もちろん財産なんてないっすよ ( ^ ^ ; 。じゃなくて、私が死んだ後に残される大量のCDや本、パソコン・ネット関連の契約解除など、データを残しておかないとカミさんが大変でしょ? たとえば、CDはどこに連絡すれば買い取りに来てくれるとか、音楽関係の本はどこの古本屋が高く売れるとか…。で、この本ですがこ難しい(難しそうな?)遺言にまつわる法律も平易に書いてあるんので、読みやすかったです。でも、私はこんなにちゃんとした遺言を残そうとは思っていないけど…。

●ボランティアへの招待/岩波書店編集部/岩波書店/01年/04.30
 さわやか福祉財団の堀田力さん、世田谷ボランティア協会の牟田悌三さんらによる奇稿、ボランティア体験者の手記、そしてさまざまなボランティアに関する情報や活動案内という構成のぶ厚い本。私的には巻末のボランティア案内が充実していると思いました。

●レディ・ジョーカー(上)(下)/高村薫/毎日新聞社/97年/04.26
 誘拐、企業恐喝、総会屋…とグリコ森永事件をモデル(?)に日本の闇社会を描いた高村サンの話題作。でも、これ、読み終わるまで2カ月もかかったんだよね…フゥ ( ^ ^ ; 。事件に関連したさまざまな登場人物の行動と心情を描写することで、大河ドラマのように展開する犯罪小説を狙ったんだろうけど、こちらはなかなか人物に感情移入できなかったんだよね。野心が空回りした感じ?かな 。

●有機農業農園の四季/大平博四/七つ森書館/93年/04.25
 先日、インタビューさせていただいた東京・世田谷で独自の有機農業を営む大平さんの本。大平さんの研究熱心さ、有機農業へのこだわりが伝わってきます。

●教育勅語/山住正己/朝日新聞社/80年/04.22
 「教育勅語」と聞いても私の世代(60年生まれ)では、ちょっとピンとこない。でも「教育」を語る政治家がしばしば口にするのは、それだけ影響力があったってことでしょうね。その成立過程も含めて、ほとんど知らないことばかりで勉強になりました。 ( ^ ^ ;

●ひきこもり・不登校からの自立/荒井裕司/マガジンハウス/00年/04.16
 国際高等学園(サポート校)校長で、東京拒否の子供たちの進路を考える会代表の著者による「ひきこもり」の若者たちのサポート記録。具体的な実践記録としてわかりやすい。ただ、対象が若い子ばかりで、(私の問題意識としては)「大人」のひきこもりへの対処も知りたくなる。

●もろびとこぞりて−−思いの場を歩く/与那原恵/柏書房/00年/04.10
 私が編集した『「在日」外国人』(晶文社)でもお手伝いいただいた与那原さんのルポ集。「ひきこもり」「ドクター・キリコ事件」「金属バット息子殺害事件」「沖縄とヤマト」「小林よしのり『戦争論』」など、多彩なテーマに粘り腰の取材力と独自の考察でグイグイと迫っていく。こういうルポを読むと、あとがきにある「インターネットや映像にない表現が、活字のノンフィクションにはあると思う」という言葉が説得力を持ってくる。

●「引きこもり」から、どうぬけだすのか/富田富士也/講談社+α新書/01年/04.08
 出版ラッシュが続く「ひきこもり」本。富田さんは20年近く前から「ひきこもり」の若者や家族の相談にのってきた人。ただ、今まで彼の著作に比べると新味はない。

●高野聖・眉かくしの霊/泉鏡花/岩波文庫/36年/03.30

●日本の公安警察/青木理/講談社現代新書/00年/03.28
 公安よる監視・尾行・盗聴・スパイ養成などの「治安活動」を具体的に詳述。参考になります。

●エンデの遺言「根源からお金を問うこと」河邑厚徳+グループ現代/日本放送出版協会/00年/03.27
 「地域マネー」や「エコ・マネー」のことは知っていましたが、ミヒャエル・エンデの『モモ』がじつはお金の問題をテーマにしていたとは!知らなんだ。

●複製技術時代の芸術/ベルター・ベンヤミン/晶文社/70年/03.20
 まあ、こういう時代ですから、必読の書でしょう。(^_-)

●ビートルズ 二○世紀文化としてのロック/和久井光司/講談社/01年/03.12
 今まで世界中でどれだけの数の類書が出版されているのかわからないビートルズの評伝。でも、メンバーの出自アイルランドにこだわったり、元スクリーンの筆者だけあって、音楽面・レコーディング面での言及もなかなか読ませるものがあり、かなり良質のビートルズ本になっています。ビートルズは“完璧なコンビニエンス・ストア”という指摘にはしごく納得。それにしてもビートルズって本当に興味が尽きない、スルメイカのようなネタです。ああ、もっとビートルズを!

●子どもと若者の居場所/久田邦明/萌文社/00年/03.02
 「居場所づくり」に取り組んでいる各地の実践例。中高生に運営参画させている「ゆう杉並」など、参考になりました。

●電子・少女・犯罪/朝倉嵩司/現代書館/00年/02.27
 アサやんの『少年Aの犯罪+α』(未読)に続く犯罪ルポ。雑誌に発表したものを並べているせいか、いつものスルドサが足りないような…。

●カップリング・ノー・チューニング/角田光代/河出書房新社/97年/02.21
 十九歳の青年が3人の女性と次ぎ次ぎと出会い・別れるさまを描いたロード・ノベル(こういう言い方がある?)。それにしても何でこの小説を読もうと思ったのか思いだせん。 ( ^ ^ ;

●機会不平等/斉藤貴男/文藝春秋/00年/02.20
 新たなに形成されつつある新階級社会の問題を告発した力作ルポ。とくに「ゆとり教育」など教育をめぐる取材と考察は傾聴の価値あり。

●「学校が変わる」のウソホント−「新学習指導要領」って何だ?/岡崎勝/風媒社/01年/02.17
 名古屋の名物小学校教師・岡崎サンが書いた2002年から始まる「新学習指導要領」の批判本。やっぱり文部省って現場がわかっていないんじゃない?という気持ちがヒシヒシ(?)と伝わってくる。そして、もっと学校や教育モンダイに市民の生の声をと呼びかける。

●ひきこもりの家族関係/田中千穂子/講談社+α新書/01年/02.12
 「ひきこもり」をただ困ったこと、悪いことと短絡的にとらえるのではなく、ひきこもるわ若者たちが何を訴えているのか考えることに意味があるという著者の意見には共感できる。

●非営利組織の経営/P・F・ドラッガー/ダイヤモンド社/91年/02.11
 高名な経済学者が書いたNPO本。NPOに「マネジメント」との概念を持ち込んだ点は面白いが翻訳のせいかやや読みずらい。

●少年法を問い直す/黒沼克史/講談社現代新書/00年/02.04
 少年法論議に一石を投じた(?)話題の書。少年法の成り立ちに言及しながら、「保護」と「刑罰」が混在する問題点など、興味深い指摘も多い。法曹界からの意見をぜひ聞きたい。

●学歴社会と塾/小宮山博仁/新評論/93年/02.02
 なんかやたら塾肯定の論をすすめる人だけど、この人、塾業界の回し者?

●在日外国人が創る新市場/神雄英一/ダイヤモンド社/00年/01.30
 毎年500万人が入国し、年間数兆円の市場をつくる在日外国人。彼らはすでに「消費者」として十分にこの日本に貢献しているのだ。

●火怨 北の耀星アテルイ/高橋克彦/講談社/99年/01.28
『北条時宗』で話題の高橋氏がアイヌの英雄・アテルイを描いた歴史小説。どこまで史実に基づいているかわからんが、これが本当ならアテルイは相当の策士。でもアイヌの生活・信仰があまり描かれていないので、単なる合戦物に終わっているのが残念。それでも最後はちょっと感動。 ( ^ ^ ;  船戸与一の『蝦夷地別件』もオススメです。

●スター誕生/吉田司/講談社/99年/01.26
 副題に「ひばり・錦之助・裕次郎・渥美清 そして新・復興期の精神」とあるように、ノンフィクション・ライター吉田氏の戦後芸能人の評伝。若い頃の石原慎太郎人気とか、知らなかったことも多いし、まあまあ面白かったっす。

●どーもアリガトだよ/稲川素子事務所/メタモル出版/00年
 「ここがへんだよ日本人」などに外国人を出演させている稲川事務所編集の外国人ひとことインタビュー集。参考のため読みました。 ( ^ ^ ;

●夏の約束/藤野千夜/講談社/00年
 ゲイの青年を主人公とした芥川賞作品。まあまあっすね。

●カルチュラル・スタディーズ入門/上野俊哉・毛利嘉孝/ちくま新書/00年
 知り合いの上野教授が書いた「文化研究」本。さすがロック世代の学者さんはこだわっています。そうか、鶴見俊介がやっていたこともカルチュラル・スタディーズだったんだ。

●高齢者NPOが社会を変える/田中尚輝・安立清史/岩波ブックレット/00年

●戦後史のなかの日本社会党/原彬久/中公新書/00年
 勉強のため読みました。 ( ^ ^ ;

●カラフル/森絵都/理論社/98年
 映画化もされたヤングアダルト本ですけど、結構面白かったっす。中高生に読んでほしい。

TOP PAGEに戻る