Molly-Gucci'S乱読日記2004
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凡例・書名/編著者/版元/出版年/読了日/コメント(無いものもあります。読書の参考にしてください。 ( ^ ^ ; )

●いつでもそばに保育絵本の楽しみ/阿部恵/フレーベル館/00年/12.31

●外国人の子どもの保育―親たちの要望と保育社の対応の実態―/大場幸夫・民秋言・中田カヨ子・久富陽子/98年/12.30
 急増する在日外国人の子どもと親を保育現現場ではどう受け止めているのか? その対応に苦慮する中で、前向きな姿勢でさまざまな取り組みを試みる保育者たちの報告。

●やってあげる育児から見守る育児へ/藤森平司/04年/学習研究社/12.30

●ららら科學の子/矢作俊彦/文藝春秋社/03年/12.25
 同著者の『あ、じゃぽん』は途中で放り投げたが、本作は無事読了 ( ^ ^ ; 。政治闘争の末、殺人未遂容疑となり中国へ密航。30年ぶりに中国から帰国した男が見た日本の姿を描いた力作…という触れ込みだが、なんだか最後は知りすぼみのような。

●となりのコリアン/在日コリアン研究会/日本評論社/04年/12.18
 いわゆる拉致事件報道後に、朝鮮学校に通う子どもたちに対して実施した「嫌がらせ」実態調査アンケートを端に企画された在日コリアンの実際と意識を顕わしたベーシックなつくり。が、やはり子どもたちのアンケートをそのまま掲載したページからは、在日コリアンの(とりわけ若い世代からの)生々しい声=実態が伝わってくる。

●アンビヴァレント・モダーンズ 江藤淳・竹内好・吉本隆明・鶴見駿輔/ローレンス・オルソン/97年/12.11

●オンデマンド出版の実力/「本とコンピュータ」編集室編/トランスアート/01年/12.6
これぞオンデマンド出版のバイブル? オンデマンド出版の「希望」と「現実」が見える本。

●自暴自伝 ポンタの一九七二―二○○三/村上“ポンタ”秀一/文藝春秋社/03年/12.2

●孤独な、なかよし―あいつぐ「事件」に思うこと―/青木 悦/坂本鉄平事務所/00年/11.30
「少年事件」は教育問題であるという視点から、さまざまな「事件」を検証し、今そしてかつての子どもたちが追いつけられていったシステムを解読。そして「今、何ができるか」を私たちに問いかける。今の子どもたちが置かれている状況・心象を顕した書名が秀逸。

●「拉致」異論 あふれ出る「日本人の物語」から離れて/太田昌国/太田出版/03年/11.27
 「拉致」問題に対して膨大な読書量、資料から、そこから隠されていく本質的な問題を露にしていく。版元が太田出版というのも意外?

●ウェンカムイの爪/熊谷達也/集英社文庫/00年(98年)/11.25
『邂逅の森』(未読)で直木賞に輝いた著者の処女作。たしかに阿辺田高が解説に記すように書き出しのシーンなど、うまいなぁと思うが、いかんせん全体が短すぎ。

●葉桜の季節に君を想うということ/歌野晶午/文芸春秋/02年
「現代ニッポン」を映しだす巧妙な仕掛けが施された作品で、『シックス・センス』がそうであったように、読後にもう一度最初から読みたくなる小説。本作を映像化するのは…難しいだろうなぁ(笑)。読んだ後にちょっぴり元気になれるのは、やっぱりワタシがオジサンだから? ( ^ ^ ;

●辺境を眺める アイヌが経験する近代/テッサ・モーリス=鈴木/みすず書房/00年/11.18

●やるかFuJI Rock 1997-2003/日高正博/阪急コミュニケーションズ/03年/11.11
 インタビュー本なので、ゆるいかなと思って読み始めたが、次第に日高サンの熱い語りに引き込まれてしまった…。ニホンにロック・フェス文化を根づかせたイノベターによる貴重な証言であり、ヒストリーだと思う。

●まだ科学が解けない疑問/ジュリア・ライ、デヴィッド・サヴォルド/晶文社/91年/11.09

●育児と保育の裏ワザ50連発/原坂一郎/楽書館・中経出版/01年/11.06

●マンガ産業論/中野晴行/筑摩書房/04年/11.04
 マンガを論じるのではなく、「産業」としてのマンガを分析・論じて話題の本。しかし、今や巨大産業ともいえる規模に膨れあがったこの難物を扱う(論じる)のは苦労した模様。論じる項目があまりに多岐にわたるため、結局著者は現在のマンガ業界のどこが問題と言っているのか今イチわかりにくい。最大の問題は自前でマーケット育成してこなかったこと? それとも作家を育ててこなかったこと? それらみなが複合要因なの?…。まあしかし、本書の今後のマンガ産業論のメルクマールとなることは確か。

●ひきこもりセキラララ/諸星ノア/草思社/03年/10.28
 ひきこもり当事(経験)者の本はいろいろと出ているが、なかでも本書は冷静に自己と周囲を分析し、「課題」についても言及している点で優れた一冊だと思う。「努力すれば評価される学校社会と、頑張っても利益を生まない努力はまったく評価されない会社。(略)会社はひきこもった者がいきなり挑戦するには、ハードルが高過ぎる。(略)ひきこもり者には、学校と仕事あるいは職場をつなぐ“何か”が必要な気がする。(略)学校での価値観から仕事人(社会人)としての価値観に緩やかに移行できる場、が必要に思われる」という提言は、ひきこもりに限らず社会的弱者支援に共通するものだろう。が、「親」の一人として、著者にプレッシャーを与え続ける家族の気持ちもわからなくない。だからこそ、ひきこもりには第三者の支援が必要なのだろうが…。

●「育児不安」を消すために/石戸谷尚子/悠飛社/04年/10.27

●趣都の誕生 萌える都市アキハバラ/森山嘉一郎/幻冬舎/03年/10.24 
 来日した某有名ロック・ミュージシャンが成田に着くなり「アキハバラはどこだ?」と叫んだそうな(笑)。もう10年以上前の話だが、当時は電脳都市だったかかの地は今やオタクの聖地に変貌した…ことを文化的・歴史的に解き明かした本。著者は建築家の石山修武さんの弟子のようだが、ご本人もオタク?的なアプローチで興味深く読ませる。

●ボランティア・スピリット/永井するみ/光文社/02年/10.22
 外国人向けの日本語教室を舞台に展開される様々な人間模様を描いた連作集。日本人ボランティアの一人が呟く「結局いろんな問題は我々の側にあるのかもしれませんね」の言葉が、日本(人)社会の一面を映し出す。ほかの作品は読んでいないが、今後が期待できる(?)作家。

●若者たちの《政治革命》 組織からネットワークへ/丸楠恭一+坂田顕一+山下利恵子/中央公論社/04年/10.19
 第一章の「『若者の政治離れ』神話解体」は面白く読めたが、ネットワーク型政治論はそれほど新鮮さはなく…。

●ニッポニアニッポン/阿部和重/新潮文庫/04年/10.17
『インディヴィジュアル・プロジェクション』と同じく、途中までの何かありそうな感はオオッだけど、ありゃりゃなラスト。 ( ^ ^ ;

●真相/横山秀夫/双葉社/03年/10.15
 初横山体験。やっぱこの人、うまい! 一筋縄ではいかないストーリー展開は二転三転。新聞記者時代に培ったのか、さまざまな職業、人物像を丁寧に描き、安易なハッピーエンドは避けつつも読後感はそれほど悪くない。やはりほかの作品も読みたくなる…。

●東京都の教育委員会/柿沼昌芳・永野恒雄/批評社/01年/10.13

●野中広務 差別と権力/魚住昭/講談社/04年/10.10
 野中広務が被差別部落の出身であることを知ったのは、野中が「影の総理」などと呼ばれていた頃だったと思う。近所の床屋でヒゲを剃ってもらっていた時に、「野中さんは総理にはなれないよ。あっちの出身だからね」とほかの客が喋っているのを耳にした。それまではワタシはそのことを知らなかったので、フツーの人たちに間にもそんな風説が広まるほど部落差別とは根深いものかと、改めて思ったものだ。しかし、ワタシは本書で、野中は被差別部落出身を隠さずに政治家になった、希有な政治家であることを知った。そして、魚住氏は「部落差別」をキーワードにして、この希代の政治家の光と闇に迫った力作を書き上げた。その勇気には素直に脱帽。それにしても、野中の名前を挙げながら、大勢の議員の前で「あんな部落出身者を日本の総理にはできないわなぁ」と言い放ったという麻生太郎の発言はホントに許せない。ますますキラになった。

●日本で暮らす外国人の子どもたち―定住化時代と子どもの権利―/社団法人自由人権協会/97年/10.5
 文字通り「日本で暮らす外国人の子どもたち」の実態をレポートするこの問題の基礎資料。が、すでにデータは古くなっている。

●筋肉はふしぎ 力を生み出すメカニズム/杉晴夫/講談社ブルーバックス/03年/9.30

●「引きこもり」から「社会」へ―それぞれのニュースタート/荒川龍/学陽書房/04年/09.25
 民間支援団体「ニュースタート」のひきこもり経験者8人の物語り。基本的に支援される側のインタビューなので、支援する側の声をもっと聞きたくなった。

●社会起業家 「よい社会をつくる人たち」/町田洋次/PHP新書/00年/09.22
 ようやく日本でも現れ始めた単なるボランティアでもなく利益追及型の起業でもない「社会起業家」のコンパクトな俯瞰図というべきか。

●3歳児/依田 明/朱鷺書房/79年/09.16

●お父さんのバックドロップ/中島らも/集英社文庫/89年/09.13
 追悼の意を込めて、また映画より先に読んでおこうと手に取った本。さすがうまいと思うけど、短編ばかりなので長いものも読みたくなった。

●エスニックジョーク/クリスティ・デイビス/講談社選書メチエ/03年/09.12
 日本に住んでいるとなかなか理解できないエスニック問題をジョークから解き明かす。が、ちょっと高度(?)すぎて、読み通すのが難儀。新書くらいのコンパクトだったら良かったのに…。

●グラウンドゼロがくれた希望/堤未果/04年/09.11
 あの9.11を体験した著者による平和へのメッセージ。やはり冒頭の9.11ドキュメントが胸に迫る。終章の米マンガ家との交流が未来に希望をつなぐ。

●子どもたちの底力 自分で考える力・豊かな心を育てる/小山孝子/95年/09.10

●ひべるにあ島紀行/富岡多恵子/97年/09.08

●年収1/2時代の再就職/野口やよい/中公新書ラクレ/04年/08.28
 景気の上向きが上滑りのまま語れるなかで、家庭を直撃する不況と流動化する再就職戦線を多彩な事例をもとに検証。見えにくい「現場」を白日の下にさらすに好著。

●就職がこわい/香山リカ/講談社/04年/08.22
 今や大学生の半数が就職しないという状況を、大学と臨床、ふたつの“現場”を踏まえて報告。大学の「就職委員」を務める著者自身の体験満載の、じつに考えさせられる一冊。これは単なる若者就職論だけでなく、現代ニッポン論であり、文明論ではなかろうか。

●第4回移住労働者と連帯する全国フォーラム・関西2001報告集/同実行委/01年/08.21
 集会の報告集だが、さまざまな立場から在日外国人問題を報告・提言が語られた貴重な資料になっている。

●子どもの心を育てる しつけの本/杉浦正明・ゆめこびと/子育て協会/96年/08.17

●子どもの心の基礎づくり/石田一宏/大月書店/93年/08.13

●家族狩り1〜5/天童荒太/新潮社/04年/08.11
 巻末の参考文献に拙著『これがボランティアだ!』(晶文社)が挙げられていることを友人から聞き、読み始める。多彩な人物を編み込みながら、「犯罪」から放射される現代の問題へと展開させていく手法はこの作家の剛腕を物語っている。ラストで登場人物の一人を海外ボランティアに向かわせたのは安易、という書評も見受けられたが、じゃ、どーやって落とすのよ?という感じ。

●パパのココロ1「パパはカットウする」の編/ラズウェル細木/婦人生活社/85年/07.29
同じ子育て体験をもつオヤジとしては共感印満載の子育てマンガ&コラム。だけど、私しゃウンコの処理は平気だったゾなどとプチな優越感も。 ( ^ ^ ;

●お父さんとお母さんのための子育て110番/はまなつぐよ/PHP研究所/02年/07.25

●ニート フリーターでも失業者でもなく/玄田有史・曲沼恵美/幻冬社/04年/07.20
   ニート(Not in Employment, Education or Trainin)という存在をデータとルポして論考で、おそらく日本で最初に適確にとらえた書。単にニートを攻撃するのではなく、その問題を社会構造から解き明かし、ニート本人へもメッセージを送る。

●子どもを伸ばすお母さんのふしぎな力/渡辺久子/企画室・マルコー書籍/95年/07.18

●超かんたん!? 子育てのツボ  保育ママが楽しい子育てアドバイス/浜名紹代/97年/07.16

●子どものための耳鼻科バイブル/池田美智子/筑摩書房/97年/07.12

●「わたしの世界」から「わたしたちの世界」へ 葛藤を通した子どもたちの育ち/今井和子・神尾美津子/03年/07.11

●ワクチンの作られ方・打たれ方 メーカー事情から被害者訴訟まで/96年/07.10

●からだ力がつく運動遊び/柳澤秋孝/主婦の友社/03年/07.09

●2001年の子どもが危ないシリーズ3 体の健康編/村田光範/92年/07.08

●小山裕史/「奇跡」のトレーニング/講談社/04年/07.03
 話題の初動負荷理論を一般向けにわかりやすく解説した本、ということになっているけどやっぱり難しいじゃん(笑)。でも、見よう見まねでジョギングしてみたらたしかに小山サンの説くフォームのほうが足に負担がかからない感じ…。うーむ、勉強してみる価値ありかも。

●子どもの睡眠―眠りは脳と心の栄養/神山潤/芽ばえ社/03年/06.30

●「寝る子は育つ」を科学する/松本淳治/大月書店/93年/06.30

●〈子供〉の誕生 アンシャン・レジーム期の子供と家族生活/フィリップ・アリエス/みすず書房/80年/06.26

●続 子どもの育ち―3歳から5歳―/阿部和子/萌文書林/01年/06.24

●知りたいインフルエンザ その正体と予防接種の効きめ/母里啓子/ジャパンマシニスト社/97年/06.24

●医者には聞けない インフルエンザ・ワクチンと薬/母里啓子・山本英彦・浜六郎/ジャパンマシニスト社/03年/06.16

●年金のウソ 隠される年金積立金147兆円/保坂展人/ポット出版/04年/06.15
 衆議院議員時代も含めて保坂氏がなぜ近年、年金問題に打ち込むのが理解できる本。要するに147兆円もの積立金をどう使うのか、国民なのか、官僚なのか、それを問いているのだ。それがこの国のゆくえを占う重要なポンイトになる、とも。

●子どもの心の育ち 0歳から3歳/阿部和子/萌文書林/01年/06.12

●喜納昌吉/いつの日か花を咲かそうよ/光文社/04年/06.09
 結局、喜納サンが日本の平和・市民運動に持ち込んだのは「魂の救済」なのではないかと思う。どんなに西欧の○○主義、○○理論を持ち込んでも救済されない人間一人ひとりの「魂」の問題。それに果敢に踏込んだのが喜納サンではなっかたのか。それゆえに喜納サンの弁説はわかりにくかったし、誤解もされた…本書を読んで改めてそれを想った。拉致問題における38度線の指摘など、単なる「着想」とは一蹴できない根源的な問いがなるのではないか(ちょっとホメすぎか ( ^ ^ ; )。

●希望の仕事論/齋藤貴男/平凡社新書/04年/06.06
 企業で働くこととフリー労働者の実態を検証するなど、「働く」ことの意味を齋藤氏なりに問いかけた書。とはいえ、個人的には5章の「私はいかにフリー労働者になったか」が興味深く読めました。

●アメリカン・ディストピア―21世紀の戦争とジャーナリズム/宮台真司・神保哲生/春秋社/03年/06.04
 宮台・神保両氏によるインターネット配信によるトーク番組をまとめたもの。新聞とテレビメディアが資本を共有するクロスオーナーシップや昨今の戦争ジャーナリズムを巡る問題など教えられること多し。

●年金の悲劇―老後の安心はなぜ消えたか/岩瀬達哉/04年/06.03
 ベストセラーとなった『年金大崩壊』(読んでいない ( ^ ^ ; )の続編。巻末に付せられた年金掛け金ムダ遣いリストが圧巻。

●助走、ひきこもりから。―共同作業所「エルシティオ」のいま/クリエイツかもがわ/04年/06.02
 和歌山にある「ひきこもり」の人たちのための共同作業所の貴重な実践報告。とりあえずの中間報告といっていいいか、今後に注視。

●戦争報道/武田徹/ちくま新書/03年/05.31
 ジャーナリズムと戦争の関係を丹念に検証。ベトナム戦争で戦争報道の範となった米ジャーナリズムが、なぜ湾岸戦争では体たらくとなってしまったのかなど、興味深い論考多く、勉強になりました。「湾岸戦争の時には日本人ジャーナリストもラディカルな取材を敢行していた」として先頃、イラクで亡くなられた橋田信介さんにも触れている。合掌。

●時を盗む者/トニイ・ヒラーマン/ミステリアス・プレス文庫/90年/05.28
 ネイティブ・アメリカンの警部を主人公においたミステリーとして人気のシリーズ(らしい)。が、謎解きのミステリーとしてはの魅力はそれほい。むしろ主人公を中心に丹念に描かれるアメリカ先住民の生活、精神、思想が魅力といえる。作者はオクラホマ生まれの白人のようだが、ネイティブの血が混ざっているのかしらん? あるいは保留地近くに育った? いずれにせよエンターテインメントの分野でもこうした先住民族をテーマにしたものが、一定の支持を得ているところがいかにもアメリカ的(?)。

●脱!ひきこもり YSC(NPO法人青少年自立援助センター)の本/工藤定次・YSCスタッフ+永冨奈津恵/ポット出版/04年/05.19
 30年近く、不登校・ひきこもりの青少年と付き合ってきたタメさんが、昨今の「ひきこもったっていいじゃないか」論を始めとする、ひきこもり議論に大反論!といった本。が、YSCの実践本として読むなら『お〜い、引きこもり そろそろ外へ出てみようぜ』のほうが、わかりやすかったかも。

●こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち/渡辺一史/03年/05.14
 副題にある通り筋ジスの障害者を主人公にしたノンフィクションではなく、彼と彼を取り巻くボランティアたちの濃厚な関係=磁場のような世界を映しとった作品。障害者が地域で生きていくために、どんな努力や工夫が必要か。ニホンの福祉の現在と未来を考えるうえで、貴重な報告になっている。
今年度の大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。

●フィットorファット―やせる・ふとる科学/コバート・ベイリー/ブックハウスHD/83年/05.09

●希望としてのクレオール/柴田翔/筑摩書房/94年/05.02
 書が書かれたのは東西冷戦が終わった時期にあたるが、随所に光る論考は米国によるイラク支配の続く今も有効。

●伝統と断絶 新装復刻/武智鉄二/風塵社/91/04.29
 話題のナンバ歩きなどにも影響を与えた(?)劇評家による古典的名著(と言われている)。たしかに刺激的な論考もあるが、網野サンのような地道に研究のうえに論を展開しているわけではないので、ややトンデモ本に近い臭いも感じもしてしまうのですが…。 ( ^ ^ ;

●子どもが語る施設の暮らし2/「子どもが語る施設の暮らし」編集委員会編/明石書店/03年/04.26
劣化ウラン弾で苦しむイラクの子どもたちが見えてこないのと同じように、豊かなニホンでも忘れたられた子どもたちがいる。そして、施設の子に「昔は『施設にいるからかわいそう』みたいな言い方されていたけど、いまは施設に行けないまま殺されてしまう子どもがいるから、かわいそうだと思う」に言わせてしまう現実がある…。

●子どもの目の健康を育てる/枝川宏/草土文化/03年/04.21

●しゃべらない子どもたち・笑わない子どもたち・遊べない子どもたち―テレビ・ビデオ・ゲームづけの生活をやめれば子どもは変わる/片岡直樹・山崎雅保/メタモル出版/03年/04.19

●ゆとり教育から個性浪費社会へ/岩木秀夫/ちくま新書/04年/04.18
迷走(?)する日本の教育改革論議がこの本で整理できるかと思い読み始めたが、ますます私のアタマはこんがらがってしてしまった。 ( ^ ^ ;

●4歳 やりたがりによりそい育む/関上八重子・汐見稔幸/労働旬報社/93年/04.10

●網野善彦対談集「日本」をめぐって/網野善彦ほか/02年/04.09
 先日お亡くなりにった網野サンの対談集で、対談相手は田中優子、樺山紘一、成田龍一、三浦雅士、姜尚中、小熊英二といった錚々たる面々。とくに最後を絞める小熊氏は網野サンの仕事を見事に俯瞰しまとめた手腕をサスガ。ほかの対談でも刺激的な発言ビシバシで、やっぱり網野サンは面白い!

●りんごの木の下で/有吉有巳子/ささら書房/95年/04.06

●英文法をこわす 感覚による再構築/大西泰斗/日本放送出版協会/03年/04.04
 英文法(特に前置詞など)をイメージによる感覚で理解せよ!という(一部で評判?)の書ですが、やっぱりお勉強本の域は出ていないような…。

●3歳児 つぶやきにドラマを見いだして/汐見稔幸・勅使千鶴編/労働旬報社/93年/04.03

●路上/ジャック・ケルアック/57年/河出文庫/04.02
 今さらのビート文学だけど、やっぱり物語世界に入れなかったのは年のせい? ( ^ ^ ;

●日本コリア新時代 またがる人々の物語/共同通信社編集局JK取材班/明石書店/03年/3.21
 密かに尊敬している明石書店の仕事。といっても取材したのは共同通信だが、副題どおり日韓にまたがるさまざまな人々を取材・紹介したもの。新聞記事などでどれも短いのが残念だが、その底流には一つの潮流がはっきりと見える。

●声に出して読めないネット掲示板/荷宮和子/中公新書/03年/3.16
 書名に反して、何かと批判の多い「2ちゃんねーらー」を「折り鶴オフ」という具体的なムーブメントを検証することで擁護・支持した書。03年8月広島平和記念公園の折り鶴に火がつけられ14万羽焼失した事件から数日後に、「折り鶴を折って広島に届けましょう」という書き込みがUPされ、あれよあれよという間に「まつり」となって、全国から折り鶴が寄せられた経緯はやはり感動的。ワタシも新聞報道では知り得なっかたことでした。それにしても最近はどーも書名と内容が合致していない本が増えたよーな。これも本が売れない時代の戦略ですか。 ( ^ ^ ; =

●説得 エホバの証人と輸血拒否事件/大泉実成/88年/3.13
 ずいぶん前に購入してやっと読んだ逸品。潜入取材という果敢な手法と輸血拒否現場を再現した場面は迫真せまる力量はさすが。が、もう少し元信者である著者自身の脱エホバ体験を書き込んでほしかった。

●乳幼児期の「心の教育」を考える/阿部和子/フレーベル館/01年/3.13

●街は舞台だ YOSAKOIソーラン祭り/北川泰斗/高知新聞社/96年/3.10
 高知の「よさこい」と北海道の「ソーラン節」を結び付け、全国にYOSAKOIブームを巻き起こした一人の北大生を軸にした実録もの。が、同テーマのルポ『踊れ!―YOSAKOIソーラン祭り』(軍司 貞則著・扶桑社文庫 )や『YOSAKOIソーラン祭り―街づくりNPOの経営学』(坪井義明・長谷川岳著・岩波アクティブ文庫)のほうがドラマティックかつ、この試みの全容がつかめる。

●ちゃんと「自分でできる子」に--生きる力をはぐくむために/田中喜美子/02年/3.3

●虫歯・歯並びニコニコ相談/梶井美香/日本機関紙出版センター/91年/3.1

●幼児とあそび 理論と実際/秋葉英則・神田英雄・勅使千鶴・渡辺弘純/94年/3.1

●0歳から3歳 保育・子育てと発達研究をむすぶ〈乳児編〉/神田英雄/97年/2.28

●「やる気」が育つ脳と心の鍛え方/吉田秀樹/コスモトゥーワン/02年/2.28

●やる気をひき出す子育て/坂本泰造/あゆみ出版/95年/2.27

●ママのユーウツにさようなら/羽室俊子・望月武子・64人のママたち/赤ちゃんとママ社/00年/2.27

●ケータイを持ったサル/正高信男/中公新書/03年/2.27
「ケータイ世代に集約される(人間・日本人?の)サル化」について論考したサル学者による最新刊。でもねぇ、新世代批判、新しいコミュニケーション手段は何万年にも渡ってくり返されてきたことなのでねぇ…ちょっと論が強引なような。

●hikikomori@NHK ひきこもり/NHK「ひきこもりサポートキャンペーン」プロジェクト編/日本放送出版協会/04年/2.26
 基本的にはキャンペーンの放送内容に即したものだが、ひきこもり問題の概要から当事者の声、支援団体の紹介まで網羅しておりひきこもり問題の入門書として最適(ちょっと厚いか ( ^ ^ ; )。監修に斉藤環氏。

●見つけよう!自分流子育て/室田洋子・ちばコープ/PHP研究所/98年/2.25

●子どもが輝くとき〜生きる力を育てる保育〜/清水エミ子/すずき出版/98年/2.23

●乳幼児を育てる 妊娠から小学校入学まで/内田伸子・岡村佳子/岩波書店/95年/2.20

●きょうだいの研究/依田明/大日本図書/90年/2.17

●文学を社会学する/上野千鶴子/朝日文庫/03年[00年]/2.15
「ことば」「おい」「おんな」「うた」「こころ」と5章にわけてブンガクに分け入っているが、さすがに「連合赤軍とフェミニズム」など力の入った論考が並ぶ「おんな」編が白眉(だと思う)。

●「荒れる子」「キレル子」と保育・子育て/宮里六郎/かもがわ出版/01年/2.13

●ちょっと気になる子どもと子育て/池添 素/かもがわ出版/98年/2.13

●自分をコントロールできないこどもたち 注意欠陥/多動性障害(ADHD)とは何か?/宮尾益知/講談社/00年/2.9

●発達のみちすじと保育の課題/丸山美和子/02年/2.5

●子どもの社会的発達/井上健治・久保ゆかり/東京大学出版会/97年/2.2

●ルポ 解雇/島本慈子/岩波新書/03年/01.31
百人、何千人と連日のように目にするリストラ報道。ホント、この国どうなっちゃうの?という問いに応えてくれる力作ルポ。「解雇ルール」の新設も含めた労働基準法の改正に、地道な取材に基づいた現場から声で真正面から疑問・批判を投げかける。

●4 TEEN フォーティーン/石田衣良/03年/01.29
一本目から、そりゃないぜ反則よ、の涙腺ウルウルの連作小説。重松清サン、森絵都サン、そしてこの石田サンと近年、十代のココロを描くのがうまい作家がドッと出てきた感じ。

●ファンタジタ/星野智幸/集英社/03年/01.24

●GOTH リストカット事件/乙一/角川書店/02年/01.17
「妙にこの主人公コンビが気に入った僕と担当編集者は、勢い余って、あといくつか同じキャラで短編を作ってみることにしたのです」という高校生の主人公コンビの周辺で起きる猟奇事件を題材にした話題の連作集。作者自身が「森野のキャラクターがまさかあのような秘密を持っていたとは、作者の自分も知りませんでした。してやられました」という『記憶』など、エンターテインメントなGOTHICミステリーが堪能できる。

●引きこもりを恐れず/高岡健/ウエイツ/03年/01.15
引きこもりを肯定し、引きこもりから引出そうとする「引出し屋」を批判する著者。「引き出すことによってその先に何かいいことがあるかというと、そこには集団性から脱却できていない学校や社会しかないわけです。そんな危ないところに大事な子どもを送り出すというのは、無責任なだけです。言い換えれば、『引き出し屋』の行為は、人を丸裸で戦場へ追いやるようなものです」と喝破するが、それじゃどこに集団性から脱却できた社会がある? だってオイラも著者もその「戦場」で暮らしているんじゃん? なんで「戦場に来るな」と言えるの?という疑問も…。

●子どもの生活と心の発達/平田慶子/学文社/95年/01.14

●著作権の考え方/岡本薫/岩波新書/03年/01.10
 デジタル社会=複製化社会となった今、多くの人びとがクリエイターでありユーザーである、という規定のもと多様化する「著作権」問題を整理したキャッチーな一冊。なるほど「著作権」と「著作隣接権」の違いなど、とてもお勉強になる。が、やっぱり専門用語チリバメ〜で難しい ( ^ ^ ; 。「アメリカは(略)先進諸国中で最も著作権水準の低い国だが、『レコードの保護』だけを見ると、『レコード業界』の政治力が強いため『著作権2』が与えられている」など著者の姿勢は一貫しています。(著作権2については本書を参照してください)

●増補よいおもちゃとはどんなもの/永田桂子/高文堂出版社/00年/01.08

●ひとり出版社「岩田書院」 の舞台裏/岩田博/03年/01.06
 どうしてこう面白いんだろう。書名のとおり、たった一人で経営する日本史専門書店の悲喜こもごもの舞台裏を綴った通信を元にしているのだが、そこはかとないユーモア溢れる文章にひかれて、いや止まらないやめられない…不思議な魅力をもった本。しかも、近所だし…と思って家族に話したら、なんだ岩田さんの娘さんとうち子は同級生じゃん!(笑) 岩田さん、今度機会があったら烏山で飲みましょう。 ( ^ ^ ;

●未来免疫学/安保徹/インターメディカル/97年/01.03

●しかるってむずかしい/ちいさいなかま編集部・清水玲子/草土文化/03年/01.02

●育ちあう乳幼児心理学 21世紀に保育実践とともに歩む/心理科学研究会編/有斐閣/00年/01.01
 
 

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