V:「生きづらさ」について
自己という病
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21.自分を肯定的に見られない

  •  自信を失ってしまった。自分を責めてばかりいる。
  •  そんなとき、どのようにリカバリーを目指したらいいのでしょうか。
  • @耐えられないほど孤独だ

    孤立は自己肯定感の欠如の原因になる、とこれまで考えてきました。ここで気をつけなければいけないのは、「孤立」と「孤独」の区別です。

    人は一人で生まれ、一人で死んでいきます。他の誰をも体験することはできません。つまり、「孤独」は人本来の姿なのです。それを否定的にとらえてしまうのは、私たちがそのような文化の中にどっぷりと浸かっているからです。「孤独」であることから目をそらそうとしているのです。

    「孤立感」は人とのかかわりによって生まれる感情です。人に認められたい、人から愛されたいと思う気持ちが、充たされない気持ちを強め、孤立感を感じさせてしまうのです。さらに、人から認められ、愛されるように頑張ろうとすると、空回りして孤立感をよけいに深める結果になってしまいます。

    それではどうしたらいいでしょうか。

    Aダメな自分、つまらない人生

    人生相談の常套句に「他人と過去は変えられない。変えられるのは自分と未来だけ」というのがあります。これを「頼れるのは自分だけ」と解釈してしまうと、反対の意味になってしまいます。本当は、孤独であることを自覚しなさい、と言っているのです。充たされない自分の気持ちを、他の人のせいにして恨んだり、過去を悔やんでも、充たされない気持ちは強まるばかりだと、警告しているのです。

    そして、後半の「変えられるのは自分と未来だけ」は、見方を改めれば、自分が違って見えてくるでしょう、というアドバイスなのです。

    では、どう改めればいいのでしょうか。

    私は、自分にこう暗示にをかけることにしています。「小さな敗北なんて潔く受け入れてしまおう。そうすれば、自分の無力を嘆いてばかりではなく、清々しい気持ちになれるかも知れない」。そして、「生きているだけで、勝者なのだ。知らない無数の人のネットワークによって、これまで、生きてこられたではないか。ありがとう!」、と。

    大災害に遭って、命からがら避難所にたどりつけたとしたら、きっと素直にそう実感していることでしょう。

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