V:「生きづらさ」について
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(7) 学生時代をうまくやり過ごす方法はありますか

社会や時代が強いてくる物語に振り回されないで、自分らしくやっていく方法はないのでしょうか。特に思春期の若者にとって難しいこの時間をうまく生き抜く知恵はないのでしょうか。

子どもの自立後にも続く人生

子どもが自立し、退職した後にも20年もの時間があたりまえになってきた現在、就職や結婚が子育てのための生活体制にすぎなかった、と感じられるようになってきました。

これは就職や結婚は人生の目的ではなく手段にすぎないと考える余地が出てきたことを意味します。そう考えると、大人になる前の思春期の過ごし方も変わってくるのではないかと思われます。

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結婚や就職より大切なことは何か

結婚や就職がいまだに人生の一大事であることは確かですが、必ずしもそれがすべてだとは考えない人も増えてきています。このことによって人間関係や社会のあり方が少なからず楽になっていることは確かです。

それでは結婚や就職より大切なことはなんでしょう。それは居心地のいい自分でいることではないでしょうか。これには周りの人を居心地悪くさせないことも含まれます。ですから、大切なことは人びとが居心地よくいられることです。

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年齢にあった過ごし方

それでは居心地がいいとはどんな状態なのでしょうか。それは生きていることを楽しんでいる状態ではないでしょうか。五感を十分使って何かを感じ、自然をしっかり味わうことではないでしょうか。

しかしその内容は年齢によって異なります。子どもは子どもなりの、青年には青年なりの、そして老人には老人なりの感じ方、時の過ごし方があるに違いありません。それを自分の体から自然に感じ取るには、頭でっかちにならないことです。自分がつくった物語や時代が強いた物語に振り回されないで、しっかりと物事を感じ取ることが必要です。言いかえれば、生きていることを楽しむことかもしれません。

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新しい喜びに出会う

年齢にあった生き方はまた、新しい出会いによってもたらされることもあります。異なった環境で育った同じ世代の人から、新しいことを教わることもあります。

また、異なった世代の人から学ぶことも多いと思います。感動をおぼえるような新しいことは新しい出会いによってもたらされることが多くあります。

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青年よ物語につぶされるな

家庭の中にも、社会の中にもはっきりとした立場を持たない青年にとって、物事を具体的に考えることは大変難しいことです。就職をしたり、家族を持ったりすれば責任を持たされたり、取り組むべき課題が見えたりします。ですから何をしたやよいか具体的に見えてきます。それなりの手応えも得られます。

しかし、何事も途上にある青年には具体的な立場がありません。これが青年にとってもっとも苦しいことです。観念だけが先行し、頭のなかはいつも堂々めぐりをし、漠然とした未来だけが暗雲のように頭上にたれ込めています。こんな日々に耐えかねて、青年は安っぽい物語に逃げ込もうとします。青年の悲劇はこんなふうに始まります。

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何者にもならなくていい

「何をやっていいかわからない」と焦っている若者がには次のように考えることをお勧めします。「何者にもならなくていい、地球に生えてきた一本の草のように生きればいいんだよ。」こう考えると、自分の感覚に素直になれ、いろいろなことに興味が持てるようになります。そうすれば、おのずと何かがはじまします。


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