ブキティンギ
5/21 赤道の町ブキティンギへ
 いよいよひとつの目的地である赤道の町ブキティンギへ。トバ湖からバスで悪路に揺られて15時間。夜中のブキティンギに到 着。しかし寝ている間にお目当ての赤道は越えてしまったようだ・・・シートの角の金具が露出していて、ズボンを切ってし まった。タクシーを捕まえガイドブックでめぼしをつけていたドゥナムホテルへ向かった。夜中だが、タクシーの運ちゃんがドアをたたいてくれ、泊まれること になっ た。すぐにベッドにもぐりこみ、昼過ぎまで寝た。
 腹の調子がよくない・・・バスのエアコンのせいだろう・・・起きてチェックインの手続きを済ませ、宿の男(マッチャン)が勧めてくれたツアーと今日の夜 にあるミナンカ バウ族のダンス公演を予約した。
 コック要 塞、動物園に行ってみたが大して面白くない・・・檻に入った動物なら日本でも同じだ・・・街をフラフラしてみる。今までいたところとはまったく 違う都会的な街だ。ダンス公演のあるテントの近くの屋台で時間をつぶす。ここは今までの町とは違い、イスラム教の戒律が厳しいところらしい。屋台でも酒は 売っていない・・・「どこへ行けば買えるんだ?」「この町には酒は売っていない・・・」と来たもんだ!屋台の親父が勧める栄養ドリンク?を飲んだ。甘った るい甘酒のようなとろとろした飲み物。

コック要塞からの風景

博物館
ミナンカバウダンス
 ミナンカ バウダンスを見る為、テントへ行ってみる。もう一人お客がやってきた。久しぶりの日本人だ。角刈りにTシャツ、私と同じバックパッカーといった 風情。吉葉君という。
 しかし、客は2人だけ・・・これでは公演ができないという。2人で60,000Rp払い踊ってもらうことにした。客席にいる他の人たちは踊り手の家族の ようだ。
 戦いの舞、牧歌的な音楽の演奏、女性たちの華麗な舞。踊りの質はなかなかだ。極めつけはその場でガシャガシャ割った皿の上で踊る舞。割れた皿をさらに素 足で踏みつける。男性にいたっては素肌でその上を転げ回る・・・単なる見世物を超えた迫力だ。たった2名の客でも手抜きは無い!感動した。ついつい終了後 ダンサーたちにほだされ、笛や音楽テープを買ってしまった。
5/22
 
昨日予約したツアーに行く。ミニバスにガイドと、6名ほどの客。吉葉君も同行。なかなか旅慣れた感じで、外見は大学生のようだが少し年下 ぐらいだ。ミナンカバウ王宮、コーヒー工場、プランテーション、 ミナンカバウハウス、闘牛を見る。
 ミナンカバウ族は世界でも珍しい女性継承の民族だそうだが、イスラム教の侵略によって王族が虐殺されてしまったのだそうだ。最近ミナンカバウの文化が見 直されているようで、王宮も再建されたそうだ。

再建された王宮。天に向かって広がるような造形。とがった屋根が何かを指しているようだ。内部の柱は中 心から扇状に広がるように斜めに立てられている。

公民館だそうだが、かなり豪華。子供達が元気に遊んでいた。

ミナンカバ ウの伝統家屋。内部は風通しがよく実に心地よい。床の上でしばし昼寝。
丸い窓の奥が寝室になっている。管理人?のおじいさんがいい感じで窓辺でぼーっとしていた。









コーヒー プランテーション

スマトラコーヒーは、水車で細かく挽いた豆をコップに入れ熱湯を注ぐ。豆が沈殿するのを待って飲む。焦って飲むと口の中がコーヒー豆でジャリジャ リ・・・・焦らなければなかなか旨い。おみやげに小袋入りのコーヒーとジンジャーコーヒーなるものをいくつか買い求めた。




機織り工場の少女。かなり細かい模様で、織り上げるのに1年以上かかるらしい。結婚していない女性は白いスカーフをかぶるのだそうだ。

かなり細い山道を登って闘牛場に着いた。男達が人垣を作って真ん中で闘牛が行われる。賭けなどが行われているのか分からないが、静かな興奮と熱気に包まれ ていた。
 夕食を吉葉君とともにした。中華街で中華料理とビール。中華街にはお 酒があるが、やはり強い酒は置いていない・・・吉葉君はジャーナリスト志望であまり日本人が行かないようなところを旅行したりしているらしい。なんと、家 も東京の自宅に近く、すっかり意気投合した。
 宿に帰って、マッチャンに「強い酒はどこで買えるんだ?」と聞くと「本屋に行けば奥の方から出てくるよ・・・」と言われ本屋に行ってみた。が、戸が閉 まっていて開いていない、ブキティンギの夜は早い。(後から聞くと、戸を叩けば開けてくれるのだそうだ)
5/23
 
ポストオフィスへ手紙を出して、パノラマ公園へ。「You need me?」小柄なやせこけた少年?に声をかけられる・・・なぬ?よく話を聞くと女の子だ。よけい頭の中がこんがらがる・・・が、特に真っ昼間から怪しいこと ではなく、ガイドは必要か?と聞かれたのだ。彼女はYosiと普段よばれているそうだ。私も吉澤のヨシと呼ばれていたと言うと、「こちらではヨシは女の子 の名前だ」と笑われた。
 コタ・ガ ドゥン(銀細工の町)へ歩いていけるというので、案内してもらうことにした。シアノック渓谷の長い吊り橋を越え、一山越えたところ。歩くのになかなか良い 距離だ。吊り橋の下の川では大勢の人が砂利捕りに汗を流していた。重機などはなく、スコップですくっている。
 街にはいると、子供達に「ペン、ペン・・・」とせがまれるが、持っていないので、ほほえみでごまかす・・・工場に行ってみると、ちょうど昼休みで、作っ ているところは見れなかった。工場のとなりがレストランになっていて、そこで昼食。帰りに「日本軍の要塞跡」に案内してもらう。こんなものをよく他国で 造ったものだ・・・まったく戦争の力というのは恐ろしい。パノラマ公園で、ブキッラワンで出会った自転車ツーリスト、ヨーゾーさんに再び出会った。だいた いスマトラを回る行程はみんな同じのようだ。旅の途中の話をいろいろした。明日はマニンジャウ湖に案内してもらうことにした。

<ガイドのYosiと日本軍の防空壕>
5/24
 朝、Yosiがバイクで迎えに来た。しかし危なっかしい運転だ・・・本当に大 丈夫だろうか?44の九十九折をゆっくり下っていく。「ゆっくりゆっくり・・・慌てなくていいから・・・」バイクの運転ができるのだったら代わってやりた いぐらいへたくそだ・・・なんとか湖畔に着いた。湖に張り出したテラスで食事を取る。山に囲まれた静かな湖だ。対岸の山に分厚い雲がかかってきた。どんど ん厚くなっていく。雨が降る前に早く帰ろう・・・あの運転ではたまったもんじゃない・・・帰りも九十九折が上りきれずバイクを押したり、大変だったが、何 とか宿まで帰った。
 宿の男マッチャンに「赤道に行きたいのだが」と相談すると、「じゃあ俺が仕事終わったら連れてってやる」ということになり、赤道を越えた彼の田舎まで行 くことになった。仕事が終わり、彼のベスパに2人で跨った。
 運転はうまいのだが、よくべスパの調子が悪くなる・・・雨が降る中、池のような水溜りをよけつつ、まずは彼の母親のうちへ。お母さんが豪勢な手料理を出 してくれた(当然お金を払った)。周りは水田。雨も上がり、月明かりの空を雲が流れる。蛍がちらほら飛んでいる。
 お母さんのうちを後にし、マッチャンのワイフの家へ向かう。3時間程走っただろうかワイフの家に到着。子供がテレビを見ていた。日本のゴレンジャーみた いなやつだ。「われわれのボスに紹介する」という。どうやら彼らはボスのプランテーションで働いているらしいのだ。ボスの家は天井も高く、豪華なソファー が置いてある。壁も真っ白できれいな家だ。敬虔なイスラム教徒といったにおいがする。ボスは余裕のある農家のおじさんといった感じを受けた。
 トイレを借りる。「ピーピーかケーケーか?(大か小かということらしい)」と聞かれ、「ケーケーだ。」と答えると砂利を敷き詰めた囲いの中へ連れて行か れる。その竹で作った囲いに向かってするのだ。小便は砂利に吸い込まれていく。横には小川が流れている。
 その晩はマッチャンのワイフの家にて就寝。
5/25 ついに赤道の上に立つ!


 5:00AM 起床。トイレに行きたくなり「ピーピーだ」と告げると懐中電灯を持たされ、裏の小川に案内された。「ここだ。川に流すんだ。きれいだろ・・・」川に出っ 張っている石にまたがり、踏ん張ると、ピーピーは勢いよく流れていった。
 マッチャンの仕事に間に合うように暗いうちに家を出る。朝焼けが空を染める中、赤道公園に到着。ついに赤道の上に立つ!赤道は赤ではなく青?
 帰りに地元の人が使っている温泉場に立ち寄り汗を流す。湯船に入る感じではなく、お湯をすくってかけ湯にするかたちだ。
 ブキティンギに戻り、マッチャンのもう1人の奥さんの家へ。ムスリムは4人まで奥さんをもてるんだったっけ。そこにも子供がいて、ビデオに合わせて歌を うたっていた。ちょっとした朝ごはんをご馳走になった。
 宿に帰るなり、移動の支度。今日の飛行機でスマトラ島を離れる。スマトラ島の西部も見てみたかったが、先を急ぐことにする。

 パダン空港まで宿のオーナーが送ってくれることになった。ついでに家族でパダンに遊びに行くのだそうだ。彼の運転で奥さんと子供二人が車に同乗し出発。 子供たちは実にシャイだ。あめをなめながらお母さんに甘えている。途中、観光名所の滝に立ち寄り、食事をした。緑色の卵・・・アヒルの卵を土の中でゆで る?のだそうだ。
 空港に着き、彼らと別れる。ジャカルタを経由してジョグジャカルタまで一気に行くつもりだ。チケットは事前にマッチャンに手配してもらった。荷物を預け る時に、ブキッラワンで購入したバタックギターは工芸品なので別扱いになると言われ、バックから出して預ける。(これがトラブルのもと・・・)しばらく待 合室で待ち、飛行機に徒歩で乗り込む。牧歌的な空港だ。
 小さい旅客機が、ばたばたと揺れながら離陸する。眼下にスマトラ島の鬱蒼としたジャングルが広がる。川筋に村が点在している。海上の小さな島が美しい。
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