林寧彦の個展 2011年8月 |
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調合を新しくした釉薬と粘土の相性が悪くて、 個展の直前まで悩ませてくれました。 あと2週間というときに、この皿が窯から出てきてくれたときの うれしさ! これでなんとかなる! 花水木の白い花が微笑んで見えた。 「襲(かさね)織部釉」がいちおうの完成を見た朝のことです。 釉薬(織部)の下に別の釉薬で絵を描く技法。 私が独自に開発した技法で、おそらく誰もやっていないでしょう。 下は部分のアップ 一眼レフのデジカメでもないのに、照明が良かったせいか けっこうキレイに撮れました。 |
ツワブキを描いた皿 「深山の湧き水を溜めたような涼やかな」と 感想を語ってくれた方も。 それなら次回は小さな魚を2、3匹、釉の下で 泳がしてみようか。 下はツワブキのアップ |
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野菊。葉の部分に紅。 |
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緑の中、模様だけを紅に発色させました。 緑の織部と同じ、銅による発色で生まれた紅。 窯の焚き方をコントロールすることでできました。 唐辛子だけを紅に発色。 下はアップ |
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「秋葵大壷」 秋葵は「オクラ」と読みます。 そうです、あのオクラです。 市民農園で育ててみて、 なんと美しい花を咲かせることよ! 個展会場では、 「ちゃんとオクラがなってますね」 と微笑みながら話しかけてくださったお客様も。 写真でも、ほら、花の真下あたりに・・・。 アフリカ原産。 奴隷として海を渡ったアフリカ人が,オクラの種を たずさえて行ったそうです。 農園での苦役の日々。 ふるさとの花がこころを慰めてくれた。 葵科の花は、みな美しい。 五弁の花びらというのは、 美を構築する何か秘密があるのだろうか。 紅は辰砂釉。これも銅による発色です。 |
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「襲(かさね)天目釉」。 数年前から取り組んでいます。 襲織部釉と同じように、天目(黒)釉の下に 別の釉薬で絵を描きます。 天目釉は益子の吉川水城さんに調合 を教わりました。 「底無しの黒」と水城さんは言います。 漆の黒に似ている。 漆の黒を、「アジアの日陰を集めた黒」と 言った人がいる。 湿気を含んだ、モンスーンが生んだ漆黒。 下は部分のアップ |
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白化粧で描くグラデーション。 長年やってきましたが、まだまだ思うようには できません。 「あなたの雪はあたたかいから、 北国の人ではないと思った」 北国の人から言われました。 温暖な瀬戸内、倉敷の生まれです。 だから年に一度か二度積もる雪が好きだ。 |
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「花鳥風月」ですね、と以前言われたことがあって、 違和感は覚えたものの、違うとも言えなかった。 小さな、いっしょうけんめい生きているいのちを描いているのかな。 意識していなかったけれど、自分が描いてきたものを見渡すと、どうやらそんな共通項が見えるようです。 「足がギュッと枝を掴んでますね」の声。 はい、しっかりと掴んでいます。 |
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のほほ〜んとした、なぁんも考えてないような 花器が作りたかった。 |
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「つくる陶磁郎」に長年連載したエッセイ。 挿絵もたくさん描かせてもらった。 そんな「ヘタウマ」とも「タダヘタ」ともつかない絵を 磁器に描てみた。 真っ白ではなく、唐津の赤粘土を少し混ぜて、 ゴマを散らしてみた。 |
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同様の湯飲み。 下は部分 |
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