休日の山歩き 37 雲取山 Kumotoriyama
[奥多摩] 雲取山(2017m)  鴨沢〜雲取山〜三峰神社
2011年7月17日(日)
〜7月18日(月)
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雲取山('08年)
雲取山・飛竜山('09年)
奥秩父主脈縦走('11年)
雲取山('11年)

雲取山('12年)
雲取山山頂(7/18朝) 霧藻ヶ峰から三峰神社と両神山を望む

【梅雨明けに雲取山へ】
関東甲信の梅雨が明けると直ちに連日の猛暑になった。1週間後の3連休に、1泊2日で雲取山に行くことにした。前回、5月の連休に雲取山を断念して三条の湯から鴨沢に下山したが、今回はその鴨沢から登り、3回目になる雲取山山頂を踏み、雲取山荘にテント泊した。翌日は、長沢背稜を歩く計画だったのを今回も変更し、白岩山を経て三峰神社に下山した。登りは猛暑の中で歩くペースが遅くなり、またテント場では頭にまとわりつく虫に悩まされたが、変化のある三峰コースを初めて歩き、この山の魅力をまた一つ知ることができた。

【鴨沢から雲取山に登る】
自宅を朝6時半と遅く出発した。青梅線の車内は登山者で賑わっており、奥多摩駅前から8時35分に2台のバスが満員で出発した。少し遅い時間帯のせいか、初心者と指導者らしい会話も聞こえ、途中のバス停で下りていった。鴨沢バス停で下り、身支度をしているとさらに3台目のバスが到着した。こんな訳で、9時20分に鴨沢(550m)を出発したが、随分多くの人と一緒に歩くことになった。

七ツ石山山頂 七ツ石山山頂から石尾根と雲取山を望む
ブナ坂 小雲取山 小雲取山

天気は晴れ、朝9時台の日差しは早くも焼けるように暑い。小袖から尾根の右斜面の道に入り、木陰が続きほっとするが、汗はどんどん出る。水場は標識が壊れて分かりにくくなっており、素通りする人も多かった。尾根上の堂所でしばし吹き抜ける風に当たり、行動食のパンとおにぎりを食べた。登るにつれて少し涼しくなったのが救いだった。
岩の所(マムシ岩か)でも休み、男性3人組や若い女性の組と話をした。その先はよく考えず左に巻く太い道を歩いたが、右に尾根筋の道が分岐していて、七ツ石山への近道らしく、そちらに入る人が多かった。巻き道を行ってもすぐ七ツ石山への分岐があり、先ほどの道と合流した。
七ツ石小屋を過ぎ、その上の水場で冷たい水をたっぷり飲んだ。石尾根縦走路に合流して七ツ石山(1757m)山頂に着くと、防火帯の縦走路から雲取山山頂の避難小屋までの展望がよい。七ツ石山からブナ坂までの下り道は、昨年鷹ノ巣山に登ったときに石尾根縦走路の中で唯一歩き残していた区間であり、これで石尾根を全区間歩き通したことになった。
ブナ坂を過ぎ、先の道のりを考えると途中どこかで昼食を摂る必要があると思い、ちょうど道の真ん中にある平たい岩の上で、アルファ米のドライカレーに水を入れた。ヘリポートを過ぎ、奥多摩小屋のテント場を通るときは、今日はここに泊まろうかと弱気な考えもよぎったが、まだ歩けると思い直し、歩き通した。ヨモギノ頭の右を巻き、ジグザグの急登で小雲取山(1937m)に着いた時、先ほどのドライカレーが1時間経って食べ頃になっていたので、中途半端な昼食にした。この間にも前後して歩いてきた多くの人が追い越していった。どうせ遅れついでにと、茂みをかき分け小雲取山の標識も確認しておいた。

【雲取山山頂から雲取山荘へ】
小雲取山から程なく、最後の急登を経て3時40分に雲取山(2017m)山頂に着いた。鴨沢から6時間20分もかかっている。あいにく富士山も見えず、広い山頂は若い女性3人組がいるだけで、先ほど小雲取山で先行した人達も1人もいないから、早くも雲取山荘へ下りたか(あるいは山頂を巻いて直接雲取山荘に向かったか)と思い、自分もそそくさと下りにかかった。
4時過ぎ、雲取山荘で、既にテント場は満杯かと思って恐る恐る申し込むと、意外とまだ余裕があり、ゆったりテントを張った。周りは高校生か学生の部活動らしい大きめのテントが多かった。テント場では虫がしつこく頭にまとわりついた。
先ほど遅い昼食を摂ったので、すぐ夕食を作らず、山荘の前のテーブルに行き、途中で会った男性3人組のうち2人と話しながらビールなどを飲んだ。この人達は元々5人組で、あと3人が着かないので部屋に入れないのだとか。携帯電話はドコモが通話可能だったが、相手方が受信しないようだった。話しているうちにも自分にだけ虫が特に多くまとわりつき、服が汗くさいからかと思いテントに戻って着替えてきた。そのうちようやく3人が到着した。どうやら、先の2人が七ツ石山を巻いて先行したが、3人目の人がそうとは知らずブナ坂でずっと待っていたようだ。何はともあれ5人揃い楽しそうだった。6時になり山荘の夕食が始まったので、この人達と分かれテントに戻った。
6時50分頃日没。たくさんの小さな虫が今度はテントの中に入り、残照で明るい方向に集まっているので、ヘッドランプで出入り口におびき寄せるなどして退治した。夕食は3分茹でペンネを食べた。暗くなるとようやく頭にまとわりつく虫がいなくなった。8時、東の方の東京の町並みの上に赤く大きな月が出て、山荘前の水場で歓声が上がった。

【翌日の計画を考える】
テントの中で翌日の計画を考えた。前回3年前は小袖から雲取山まで3時間40分で登ったが(七ツ石山は巻いた)、今回は同じ区間に5時間50分もかかった。暑さと荷の重さもあり、休みを多く取ったためだ。当初の計画は、2日目は長沢背稜を歩き天祖山を経て日原に下山することを考えていたが、今日の歩きから無理はできないと考え、三峰神社に下山することに変更した。持参の奥多摩の地図から外れるが、コースは一般的で明瞭だろうと考えた。

【朝の雲取山山頂】
翌朝、明るくなるとまた虫がまとわりつき、何やら顔と耳がかゆく腫れ上がってきた。4時半過ぎに木立の間から日の出。朝食はカレーライスを食べた。テントを撤収し、山荘前にザックをデポし、朝の雲取山山頂に向かった。6時20分、山頂。今日は空気も澄んでおり、富士山は山頂に雲がかかるがまずまずの眺め(このページ冒頭左の写真)。飛竜山の奧に南アルプスも見える。避難小屋の方からは奥多摩の山並みもよく見え、大岳山の特徴的な形もくっきりだ。鷹ノ巣山の左に東京スカイツリーが見える。
山頂が混み始めて、女子サッカーのなでしこジャパンが優勝したとのニュースが流れる中、雲取山荘に向け下山。

雲取山山頂(7/18朝) 雲取山山頂から望む飛竜山 右に北岳
雲取山山頂から奥多摩の山を望む 東京スカイツリー

【三峰神社に下山】
7時20分、雲取山荘(1830m)を出発し三峰神社を目指す。前方に芋ノ木ドッケと白岩山の2つのピークが見える。2年前に日原から歩いた大ダワ林道は、歩道崩落のため通行止めだ。大ダワから芋ノ木ドッケの方向に歩くと、登り坂の途中で長沢背稜と分かれ、斜面の左をトラバースしながら階段もある険しい道を登り、大きな石灰岩の岩を過ぎ、鬱蒼とした木立に囲まれた鞍部に着いた。地形から見て、芋ノ木ドッケと白岩山の鞍部のはずだが、なぜか「芋ノ木ドッケ」の立派な標識がある。この鞍部から登り返して白岩山(1921m)で、山頂の周りは木立が切れた広場になっているが、展望はない。ここから下ると白岩小屋があり、ちょうど、昨日も前後して歩いた単独男性が先発したところだった。小屋を発ってすぐに、西側の展望がよい場所があった。次にこの男性と前後しながら歩き、アップダウンを経て前白岩山(1776m)、次に前白岩の肩と、立派な標識が続き、急坂を下って、木立に囲まれたお清平(1450m)の鞍部に着いた。前白岩の肩からここまでの急坂は、このコースを雲取山への登りに使う場合には難儀すると思われた。
ここから登り返して霧藻ヶ峰(1523m)に着くと、休憩舎があり、行く手の三峰神社が見下ろせるほか、その背後に両神山のギザギザの山稜がくっきりと現れていた(このページ冒頭右の写真)。6人位の男女がハイキングで三峰の登山口からここまで来ており、単独男性も後から着き、話をして、ハイキングの人からキュウリの漬け物をいただいたりした。また、三峰に下山してから立ち寄り温泉があるとのことで、温泉で汗を流すのも良いねと話し合った。
後は多少のアップダウンがあるものの下り一方で、地蔵峠、炭焼平とあり、二俣桧のテーブルで行動食のパンなどを食べている間に、単独男性が先行した。

雲取山荘テント場(7/17夕) 雲取山荘(7/18朝) 芋ノ木ドッケと白岩山
芋ノ木ドッケ(鞍部) 白岩山 白岩小屋
前白岩の肩 お清平 三峰神社バス停

【三峰神社から西武秩父駅へ】
妙法ヶ岳への鳥居を経て、三峰神社(1040m)の区域に入り、売店で温泉の場所を聞き、一段下がってバス停に着くと12時半を回っていた。雲取山荘から5時間10分、変化のあるコースだった。梅雨明け登山の2日目は計画変更により余裕のある下山になった。
バス停には昨日からの雲取山登山で馴染みになった顔もあったが、私より先行した単独男性がバス停に来ないのは神社の中の温泉に立ち寄ったためと思われ、また、ハイキングの男女も来なかった。程なく西武秩父駅行きの急行バスに乗り、大滝温泉遊湯館で途中下車。入浴料600円で上下2階層の温泉で汗を流し、着替え、湯上がりのビールをきゅっと飲んでさっぱりした。ちょうど1時間後に来た次のバスに乗り、西武秩父駅に向かった。

【行程】
7月17日(日)
西武線⇒国分寺7:07発⇒奥多摩8:28着・奥多摩駅8:35発バス⇒鴨沢9:10着

鴨沢9:20→9:49小袖登山口→10:55水場→11:21堂所11:36→12:10頃マムシ岩12:20頃→12:43七ツ石小屋→12:48水場13:01→13:21七ツ石山山頂13:34→13:45ブナ坂→14:26奥多摩小屋→15:06小雲取山15:23→15:40雲取山山頂15:44→16:04雲取山荘(テント泊)

7月18日(月)
5:53雲取山荘→6:18雲取山山頂6:41→7:03雲取山荘7:22→7:36大ダワ→8:00長沢背稜分岐→8:27芋ノ木ドッケ(鞍部)8:37→8:44白岩山→9:01白岩小屋9:09→9:31前白岩山9:36→9:48前白岩の肩→10:20お清平10:30→10:50霧藻ヶ峰11:06→11:47二俣桧11:59→12:27三峰神社→12:33バス停

三峰神社12:45発バス⇒大滝温泉遊湯館13:15着・14:15発バス⇒西武秩父駅15:00着⇒西武線

【標高差】
鴨沢550m→雲取山2017m→三峰神社1040m=+1467m−977m

【歩行時間】  [ ]内はコースタイム
1日目 鴨沢→七ツ石山→雲取山 6:20 [5:30]
     雲取山→雲取山荘    0:24 [0:20]
2日目 雲取山荘←→雲取山   1:29 [0:50]
     雲取山荘→三峰神社   5:11 [3:55]
ちなみに 雲取山荘→天祖山→日原  [7:50]

【参考資料】
山と高原地図「奥多摩」(2009年版)

2011/8/9整理 9/3修正 2012/3/3修正

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