休日の山歩き 5 甲斐駒ヶ岳 Kai-Komagatake
仙丈ヶ岳 Senjougatake
[南アルプス] 
甲斐駒ヶ岳(2967m)  北沢峠から仙水峠を経て登り、尾根通しで下るコース
2008年8月2日(土)


仙丈ヶ岳(仙丈岳)(3033m)  北沢峠から藪沢沿いに登り、小仙丈ヶ岳を経て戻る一周コース
2008年8月3日(日)
日本アルプスの山にはまだ登ったことがない。初めてのアルプス登山は、南アルプス北部に位置する、甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳の2山に、北沢峠から週末の2日で登ろうと計画を立て、テントを購入し、マイカー交通規制の状況も調べ、梅雨明けを待っていた。若い頃登山をしていた友人は、南アルプスは山が奥深くアプローチが長いよと助言してくれたが、今日では、かつて自然破壊が問題視された山梨・長野両県にまたがるスーパー林道を利用して、南アルプスの核心部に接する県境の北沢峠まで日帰り感覚で入ることが可能になっている。 トップページ
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【北沢峠の登山口を目指す】
金曜夕、職場から帰宅後、近くで食料を調達した。夜10時過ぎに自宅を出発、国立府中ICから甲府昭和ICまで中央道を走行し、南アルプス市芦安へ向かう。途中道は幾通りかあるようだが、「芦安入口」の交差点を左折すると一本道だ。芦安地区で「市営駐車場」の案内表示に従って進むと、夜間なので必要ないとも思われるマイカー一方通行規制に沿って大きく遠回りし、広河原行きバス乗り場の真向かいにある市営第2駐車場にたどり着いた。見るとちょうど1台空きがあったので駐車。午前1時10分だ。周りは車中泊の車と、山中泊で無人の車と両方あるのだろうが、静まりかえっている。公衆トイレの位置などを確かめ、車内で座席をフラットにし赤ワインを飲み仮眠した。
午前4時ごろ、周りがざわつくので起き上がった。目の前の駐車場通路が乗合タクシーの整列場所になっていた。登山靴を履き荷物を持ってバス乗り場に行くと、多数の人がおり、すでにバスも数台並んでおり、乗車券を買うとすぐ乗り込めた。午前5時10分出発。3台目くらいのバスだ。広河原までは1時間余りの道のり。途中、夜叉神峠のバス停があり、マイカーはここまで乗り入れできるようだ。道路は、川の左岸の急斜面に取り付けた大変険しい登り一本調子の道で、バスの進行方向左側の1人座席に座ったが、ずっと谷側だった。対岸には川に近い低い位置に道路が見えた。終点の広河原は道路と川が出会う場所でもあり、かつてマイカーがここまで入れた名残か、広い駐車場になっている。ここで甲府駅発のバス客とも合流し、北沢峠行きのマイクロバスに乗り換える。乗車券を買い待っていると乗車が始まり、定刻の6時50分を待たず発車した。4台目のバスだった。この先も、左に急な谷が続く同じ状況で始まり、橋で対岸に渡り左が山側になった。7時過ぎに北沢峠に着いた。

北沢駒仙小屋 北沢駒仙小屋のテント場 バス道を山梨県側に少し戻り、左の仙水峠への道を下ると目指す北沢駒仙小屋があり、利用申込みをしてテント場に入る。石がごろごろした広い河原はすでに多くのテントが張られており、下の段の奥に石をよけた空きスペースを見つけて設営にかかった。ほぼ家で練習したとおりにテントの組立てができたが、ペグの打ち込みだけは初めてで、地面が固いと簡単にペグが曲がってしまうことを知った。テント場の横には北沢の清流があり、飲み物を冷やすのに都合がよい。
【甲斐駒ヶ岳】
今日は甲斐駒ヶ岳を目指す。途中の駒津峰までは仙水峠経由と双児山経由と2コースあり、ガイドブックでは仙水小屋泊まりを前提として登りに前者、下りに後者を取る順路が紹介されている。今回は景色を眺めるのに向いているとの理由で同じ順路を取ることにする。
コンビニ弁当で朝食とし、小屋の前の水場で水を3リットル満タンにし、午前8時40分、駒仙小屋の前の橋を渡り左折して登山道に入る。川(北沢)沿いに歩き、川を渡って登ると仙水小屋があり、小屋の人が食器を水洗いしていた。
甲斐駒ヶ岳。仙丈ヶ岳山頂から望む 甲斐駒ヶ岳
仙丈ヶ岳山頂から望む
(8月3日)
仙水小屋の上 仙水峠から摩利支天を望む 仙水峠と駒津峰の間
仙水小屋の上を登ると、ごろごろした石が斜面一面に敷き詰められた場所になり、その縁を歩いた。シャクナゲの花が咲き残っていた。やがて仙水峠に着いた。 前方左に甲斐駒ヶ岳の摩利支天が白く聳える。ここから駒津峰までは林間の長い急登が続く。途中、所々で、振り返ると見晴らしが良く、正面に栗沢山、左に鳳凰三山、右に仙丈ヶ岳。右下に先ほど発ってきたテント場が見える。栗沢山・アサヨ峰と連なる稜線と鳳凰三山の間に見え始めた形にもしかしてと思ったが・・・。
仙水峠と駒津峰の間。仙丈ヶ岳を望む 仙水峠と駒津峰の間 仙水峠と駒津峰の間
明日登る予定にしている仙丈ヶ岳も、山頂周辺の稜線が現れてきた。右の方に雪が残っている。 栗沢山の右に北岳の三角錐も現れた。さきほどのもしかしては、こちらが高度を上げるにつれそれも頭をもたげ、やはり富士山になった。
駒津峰 駒津峰 駒津峰から甲斐駒ヶ岳を望む。合成
ようやく登り着いた駒津峰からは、展望が素晴らしかった。駒ヶ岳の白い山肌が迫ってくる。その左に連なる鋸岳。
駒津峰 駒津峰の先の岩稜 駒津峰の先の岩稜
駒津峰から先は、山頂を目指す岩尾根になる。前方に登山者の列ができているから、この先のルートをなぞってから出発した。 六方石の先で道は尾根の直登と巻き道に分かれる。行きと帰りで別のコースをたどろうと、直登を選んだ。最初、岩の出っ張りに手と足をかけて登る難しい箇所があり、シャツの胸ポケットからカメラなどをザックに移して心して臨んだが、次第に普通の岩場になり、赤ペンキの丸と矢印がほぼ完ぺきで迷うことはなかった。
駒津峰の先の岩稜 甲斐駒ヶ岳の下 甲斐駒ヶ岳の下
振り返ると、たどってきた岩の道が、恐竜の背のように続いている。 後半は砂がザレて滑りやすい道になった。昼の強い日差しを受けて白い地面が光っている。 もう一方のルート、巻き道を登る人の列が見える。
甲斐駒ヶ岳 甲斐駒ヶ岳 12時10分過ぎ、甲斐駒ヶ岳山頂に到着。素晴らしい展望を楽しんだ。残念ながら少し雲が出てきた。
さて山頂での食事だが、最近2、3回の登山でガイドブックが推奨する以外の歩き方ばかりしていると、空腹・疲労が極度に達する時間と山頂での大休憩とのタイミングが合わないことが多く、行動食の考え方を導入する必要があると思ったので、今回は菓子パンと袋菓子、ソーセージなどを持参した。山頂で水と菓子パンを摂った。
甲斐駒ヶ岳の下 甲斐駒ヶ岳の下 甲斐駒ヶ岳の下 甲斐駒ヶ岳の下
下山にかかってすぐ、下の方でこちらにカメラを向けている人がいるので何かと思ったら、目の前に雷鳥の子が3羽いた。少し離れて親鳥がいる。3羽の子が登山道を走り始めた。そうとは知らず上から人が何人も下りてきて、どたばたして、雷鳥の親を羽ばたかせてしまった。雷鳥さんごめんなさい。
摩利支天に立ち寄った。道は青いロープに沿って斜面を斜めに下った後、摩利支天への直登になっている。 山頂には猪に乗った摩利支天の像(壊れている)がまつられている。後方は駒ヶ岳の絶壁。 摩利支天から鞍部に向け下っている途中、下の方から、「山頂はそっちですか、甲斐駒の」と聞かれ、「こっちは摩利支天です」と答え、「分岐点まで戻らないと行けません」と伝えた。男性1人だ。どうやら、分岐点で間違えて摩利支天の方に下ってきた後、駒ヶ岳に少し登り返していたようだが、そこには道がないはず。
確かに、分岐点では、摩利支天に直角に右折する標識があって、実際は駒ヶ岳への道と右に鋭角に分岐しており、間違えやすいが、それでは摩利支天への道がなくなってしまう。午後の遅い時間になると、あわてて道を間違え易くなることもあるのだろうか。
摩利支天 摩利支天
双児山 六方石で往路の岩稜に合流し、駒津峰に到達した。ここからは、尾根通しに北沢峠に下る。
石ころでガレた場所を下る。滑り易く歩きにくい。滑ったら尻と手の平が痛いだろうと思いながら歩くと、疲労もあり歩幅が極端に短くなってしまう。ソーセージを食べ元気をつけた。双児山への登りの方が、石ころの下りより歩きやすいと思った。
下山路からの前方の見晴らしは、雲が出て今一つだったが、やがて林間の長い下りを歩き通して、4時半前に北沢峠に着いた。朝と同じくバス道を下って駒仙小屋へ。今日の水分摂取量は、3リットルの水と0.5リットルのPET飲料のほぼ全量だった。
甲斐駒ヶ岳で見られた花
仙水峠手前で 山頂下で 駒津峰で 摩利支天で

【行程】
8:40北沢駒仙小屋→9:03仙水小屋→9:31仙水峠9:36→10:47駒津峰10:55→11:24六方石の分岐→直登へ→12:11甲斐駒ヶ岳山頂12:51→巻き道へ→12:56黒戸尾根分岐→13:13摩利支天分岐→13:26摩利支天13:30→13:43元の登山道→13:58直登と巻き道の合流→14:27駒津峰14:34→15:15双児山15:18→16:25北沢峠→16:35駒仙小屋
所要時間 7時間55分(北沢駒仙小屋発着、山頂休憩40分含む)

【テント泊】
駒仙小屋のテント場 テント場では周りに7、8人のグループや2、3人連れなど、団体の登山者が多い中、一人黙々と過ごした。まずは川の水で絞ったタオルで汗を拭き、明日の服装に着替える。夕食は缶ビールと焼鳥缶詰、アルファ米のご飯に牛丼の具、豚汁だ。食後は芋焼酎の水割り。周囲からはいつまでも人々の談笑の声が聞こえるが、いずれもテントの中で過ごしているようだ。テントは風雨を遮るが、光と声はよく通すものだと知った。明日の仙丈ヶ岳のコース取りなどを考えながら、7時頃には眠りについた。
夜中に目が覚めた。夕方は雲がかかっていたので、星空を期待していなかったが、静まりかえった真夜中、外の様子を見ておこうと起き出したところ、木立に囲まれた南北に長細い空ではあるが、星で埋め尽くされていて、その美しさに驚いた。月がなく、天の川がそれとなく分かり、すぐ分かる星座はなかったが、流れ星を2つ見た。
山中の気温は行動中は何ともないが、じっとしていると寒い。持参したシュラフは平地の夏用で、保温性がやや足りない。シャツの上に1枚重ね着して寝た。
アラームを4時半に鳴らす予定にしていたが、3時過ぎから周りが行動開始する様子だったので、4時頃に起き出し、準備を始めた。テントの外面は夜露でしっかり濡れていた。周りを見ると、行動開始しているのは7、8人のグループなど一部で、まだ動きのないテントも少なからずあった。朝食は袋ラーメンとコーヒー。

  

【仙丈ヶ岳】
北沢峠から仙丈ヶ岳への登山道は、尾根筋(小仙丈尾根)と谷筋(藪沢)の2本があり、途中尾根筋から谷筋にトラバースする道があるので、登山コースは単純な往復を除き4通り組める。谷筋から登る方が上り勾配が一定しており時間も短くてすむようなので、それを選び、尾根筋で下る一周コースを取ることにした。北沢峠発15時30分のバスに乗るため、午後1時半までには戻ることを目標とする。
午前4時45分駒仙小屋を出発。すでにヘッドランプは不要だ。仙丈ヶ岳二合目への入口を2つ見送り、北沢峠も乗り越し、長野県伊那側へのバス道から左に入って大平山荘に下る。この下りの歩きで早くも、昨日の疲れがしっかり脚に残っていることを確認した。
小仙丈カールと仙丈ヶ岳 小仙丈ヶ岳から望む 小仙丈カールと仙丈ヶ岳
小仙丈ヶ岳から望む
大平山荘 藪沢 藪沢 藪沢
大平山荘はバス道に面しており、ちょうどバス停1つ分下ったことになる。山荘前で水をいただき、藪沢の登山道(重幸新道)にかかる。急登になり、振り返ると甲斐駒(前面の双児山)の向かって右肩から朝日が昇った。 樹間から右手に滝が見える地点(滝見台?)を過ぎ、川(藪沢)の右岸に出る。崩落箇所を高く巻き、丸木橋で左岸に渡る場所には、川を覆う雪の層が残っている。高山植物を見ながら川沿いに登ると、立派な滝もある。振り返ると谷間の狭い空間にちょうど甲斐駒が入ってきている。この頃から他の登山者も見かけらるようになり、左手から五合目(藪沢小屋)からの道が合流するとその数は急増し、一緒になって沢筋から離れ馬ノ背ヒュッテへとなだれ込んだ。
馬の背ヒュッテ 馬の背ヒュッテから 馬の背ヒュッテから
ここで水を補給し、菓子パンを食べた。小屋の裏手から望むと、遙か上の稜線を10人程が等間隔で歩くのが見えた。
小屋の上のお花畑の中を登り、馬ノ背(丹渓新道)分岐を左折すると平坦な尾根道になりほっとする。高山植物の群生がある。道筋の樹木が低いハイマツになり展望が開け、高みに立つと遠くアルプスの山並みも望める。
藪沢カール下。合成 藪沢カール下
前方で数人の人が道の右側を見ている。雷鳥の親子がいるのだ。昨日と同じく子は3羽で、親が立ち止まって見守る中、子はあちこち歩いている。雷鳥は人間慣れしていると見えた。
空気が薄いのだろうか、花をマクロ撮影しようと無理な姿勢をとるとすぐに息が苦しくなる。
仰ぎ見ると仙丈ヶ岳山頂の稜線とカールが広がり、仙丈小屋が小さく見える。道は尾根から一旦沢筋(カール)の中に入り、登りになる。
仙丈小屋から。合成 仙丈小屋
仙丈小屋(カールの中)からの藪沢カールの景観。小屋の上に、昨日甲斐駒からも見えた残雪がある。その横を通り、いよいよ山頂に連なる稜線に出る。 仙丈小屋は風力発電と太陽電池を備えた最新鋭の建物だ。
藪沢カール。合成 仙丈ヶ岳山頂下
山頂に連なる稜線からの藪沢カールの景観 最後の登りで、8時45分、仙丈ヶ岳山頂に立つ。
仙丈ヶ岳山頂 仙丈ヶ岳山頂 仙丈ヶ岳山頂
さして広くない山頂は混み合っていたが、大人数の団体が出発してくれるとしばし平穏が戻った。天気が良く、素晴らしい展望だ。 甲斐駒ヶ岳は、当方の山頂稜線上の出っ張りに少し遮られながらも存在を示している。 北岳、間ノ岳の山並みの奥に富士山が見える。
仙丈ヶ岳山頂 金峰山の方向 金峰山の方向
大仙丈ヶ岳とその先の山並み。 甲斐駒ヶ岳と栗沢山の間に、金峰山の方向が見えるはずだが、写真(馬ノ背の尾根で撮ったもの)を拡大してみると・・・ 何やら、五丈石のアクセントを持った金峰山らしき山影が見えてきた。
仙丈ヶ岳山頂 仙丈ヶ岳山頂から 仙丈ヶ岳山頂から 小仙丈ヶ岳から
これから向かう山頂稜線上の2つの峰。 藪沢カールの中にある仙丈小屋、その先に小さく馬ノ背ヒュッテ。甲斐駒の左に連なる鋸岳の険しさもよく見える。 馬ノ背ヒュッテ。山頂からの写真の拡大(左写真)と、小仙丈ヶ岳から見たもの(右写真)。
仙丈ヶ岳山頂稜線 仙丈ヶ岳山頂稜線
展望を楽しみ、菓子パンと水を摂った後、下山にかかる。最初の2つの峰は、赤ペンキの指示は左を巻くようになっているが、上で休んでいる人もいる。 その先の峰を回ると、いったん山頂は視野から外れ、進行方向左後ろの藪沢カール(写真左)のほか、進行方向右前に小仙丈カール(写真右)を望むようになる。
小仙丈ヶ岳 小仙丈ヶ岳から
アップダウンの後に着いた小仙丈ヶ岳からは、山頂方面と小仙丈カールの雄大な展望が広がる。
山頂稜線上の至福の世界にも別れを告げ、下山にかかる。小仙丈尾根を下る。
小仙丈尾根 小仙丈尾根 下山路の前方に北沢沿いのテント場が縦に長く見下ろせた。色とりどりのテントが見え、マイテントもこの一角にあるはずだ。(後でデジカメ写真を拡大して探したが、1人用で小さいのと、テント場最奥で手前の木にちょっと隠れているためか、確認できなかった。) 駒仙小屋のテント場

駒仙小屋への近道が二合目から分岐しているはずだったが、見落としてそのまま北沢峠に下りてしまったのが、今回の登山の中で唯一かつ小さいミスだった。12時10分、テントに戻り、着替えとテントの撤収、帰り支度に1時間余かかった。

仙丈ヶ岳で見られた花
藪沢で 藪沢で 馬の背で 馬の背で 藪沢、馬の背で
藪沢カールで 藪沢カール、山頂下で 小仙丈尾根で 山頂下で

【行程】
4:45駒仙小屋→4:55北沢峠→4:58大平山荘入口→5:07大平山荘5:12→5:56滝見台6:00→7:09五合目からの道と合流→7:20馬ノ背ヒュッテ7:34→7:43丹渓新道分岐→8:20仙丈小屋→8:44仙丈ヶ岳山頂9:29→10:14小仙丈ヶ岳10:25→11:01大滝ノ頭→11:40鞍部→12:02北沢峠→12:10駒仙小屋テント場
所要時間 7時間07分(北沢峠発着、山頂休憩45分含む)

【帰路】 北沢峠 長衛荘
今回の登山はテント一式と2日分の食料、着替えなどの荷物となり、約30リットルのザックとデイパックの2つになってしまったが、バス乗降場とテント場が近いので、このような不十分な装備でも問題なく実行できた。テントを撤収してバス乗り場に移動するため、2日間で初めて、この区間をフル装備で登り、最後の汗をかいた。この地域の山小屋はいずれも完全予約制となっており、予約が取りにくい状況かもしれず、その点、テント泊は思い立ったらすぐに行ける気軽さが良い。しかも着替えの衣類などもテントに置いて、山小屋利用より昼間一層身軽に歩けるメリットがある。
北沢峠から広河原までのバスの定刻は15時30分だが、人数が集まり次第バスを出すとのことで、14時10分過ぎにバスが1台出た。広河原で予定より1時間早く、15時のバスに乗った。2台が芦安行き、1台が甲府行きだ。芦安駐車場でマイカーに戻り、靴を履き替え、4時20分過ぎに出発、甲府昭和ICから中央道に入り、都県境のトンネルで25キロ2時間の渋滞があったが渋滞の後半はやや速度が上がり、余計にかかった時間は1時間余りで、8時10分過ぎに自宅に着いた。
北沢峠 長衛荘
【参考資料】
山と高原地図「北岳・甲斐駒」(2008年版)、関東の山歩き100選(昭文社1998年)、関東日帰りの山ベスト100(実業之日本社2006年)、Wikipedia「甲斐駒ヶ岳」「仙丈ヶ岳」


【標高差】
北沢峠2030m
  ←→甲斐駒ヶ岳2967m=±937m
  ←→仙丈ヶ岳 3033m=±1003m
追記 読売新聞月曜夕刊の「みなみらんぼうの一歩二歩山歩」によれば、私はらんぼうさんと同じ日に両山に、しかも甲斐駒の岩稜直登と仙丈ヶ岳の藪沢コースまで同じで、登ったようだ。
そうか、藪沢の花は本当はあんな程度ではなかったのか。
追記 北岳からの眺望(09/7/20)
北岳・北岳山荘間の稜線上から仙丈ヶ岳を望む 北岳山頂から甲斐駒ヶ岳を望む
北岳・北岳山荘間の稜線上から仙丈ヶ岳を望む 北岳山頂から甲斐駒ヶ岳を望む

2008/8/10整理 8/11修正、9/1追記、9/20、12/30、09/1/18修正、8/1追記

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