休日の山歩き 4 瑞牆山(みずがきやま)金峰山(きんぷさん) Mizugakiyama / Kinpusan
[秩父] 瑞牆山(2230m)と金峰山(2596m) 瑞牆山荘から往復
2008年7月20日(日)
金峰山の岩尾根に咲き残るシャクナゲ トップページ
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金峰山岩稜帯のシャクナゲ

次に登山に行くのは梅雨が明けてからと決め、海の日を含む3連休を前にして何も計画していなかったが、暑い日が2、3日続き、土曜日、突然というかやはりというか、梅雨明け宣言があったので、急ではあるが、翌日曜日、前から計画していた金峰山と瑞牆山の日帰りコースに出かけることにした。

(早朝に出発し瑞牆山荘を目指す)
午前3時少し前に自宅を出発、八王子ICから中央道に入り須玉ICで出て、増富ラジウム温泉を目指す県道を走行し、塩川ダムから時計回りに黒森側を通り瑞牆山荘を目指す。ここまで走り易い道が続いた。みずがき山自然公園の駐車場に間違えて入ったりしたが、5時45分、目的地に到着。瑞牆山荘上の無料駐車場に車を止めた。
2つの名山を1日で登る今日のコースは、ガイドブックのコースタイムでは10時間半前後となる長丁場だ。荷物は水3リットルと雨具など最小限にし、デイパックにまとめた。ガスコンロなどは持たず、今日の食事の友は水だけだ。金峰山と瑞牆山のどちらを先に登るかだが、天気も良いし、朝早いほど空気も澄んでいるような気がしたので、迷わず手前の瑞牆山から登ることにした。

瑞牆山。金峰山山頂から望む
瑞牆山(金峰山から望む)
瑞牆山荘 登山道の地図 富士見平と天鳥川の間から瑞牆山を望む
瑞牆山荘 登山道の地図 富士見平と天鳥川の間から瑞牆山を望む
巨岩を下から見上げる 瑞牆山山頂 瑞牆山山頂。前方が切れ落ちている。
巨岩を下から見上げる 瑞牆山山頂 前方が切れ落ちている山頂

(瑞牆山)
瑞牆山荘の左にトイレがあり、シラカバの広場に掲示された木の板の地図には、登山道の説明が要領よく書かれていた。午前6時少し前にここを出発。既に他の登山者も歩いている。まだ薄暗い林の道を上り、未舗装の林道を横切り、6時半に富士見平に着き、そのまま小屋の前を左折し瑞牆山への道に入る。木の枝越しに瑞牆山の岩峰を見、一旦下り、天鳥川を石伝いに渡ると、やがて大石が左右にごろごろした道になる。ここまで1時間余り休みなく歩き、7時過ぎに腰掛けるのにちょうど良い石で小休止し水分補給。前回、丹沢で脚がつってしまった教訓から、ハイペースにならず、小幅で歩くよう心がけたつもりだ。
どんどん高度を上げ、左側の樹間に巨岩の一部が見え隠れし、そのにょっきりした頭と同じ高さになるまで20分ほどかかった。黒森への分岐を過ぎ、7時53分、瑞牆山山頂に着いた。山頂の先客は数人、その後続々と単独や仲間連れ、家族連れの登山者が到着。前方が深く切れ落ちた岩峰で、足下に注意が必要だ。眼下右手に先ほどの巨岩や、左手にぎざぎざにひびの入った岩峰が見える。目を上げれば、雲の上にうっすらと富士山、その左に岩のアクセントのある金峰山が見える。左手後方は当方より高くそびえる小川山だ。

山頂から巨岩(大ヤスリ岩)を見下ろす 岩峰 金峰山方面
山頂から巨岩(大ヤスリ岩)を見下ろす 岩峰 金峰山方面
巨岩で岩登りをする人 天鳥川 富士見平小屋
巨岩で岩登りをする人 天鳥川 富士見平小屋

展望を楽しみ、自宅に電話し、菓子パンで腹ごしらえし、ちょうど30分経った8時23分、名残惜しいが山頂を後にし、来た道を下った。途中多くの登山者と行き交い、この分では山頂は満員御礼だろうと思った。先ほどの巨岩で岩登りをしている人たちの声が聞こえた。
9時37分、富士見平に戻った。小屋の前は登山の人で賑わっており、テント場の方はひっそりしている。ここまでの時間はコースタイムと比べても順調だ。ここから金峰山までのコースタイムは3時間20分。予定どおり、本日2山めに入ることにする。水場で水量豊かな水を飲み、1リットル補給した。山小屋のトイレが利用できる。
先ほど瑞牆山山頂で私より先に下山した男性と、富士見平で話を交わした。北東北から来られているそうで、やはりこれから金峰山を目指している。私はこの人より少し遅れて富士見平を出発し、やがて追い越すことになる。

金峰山。瑞牆山山頂から望む。
金峰山(瑞牆山から望む)
富士見平上部の尾根 大日岩 山頂までの岩稜帯を見通す
富士見平小屋の上の尾根 大日岩 山頂までの岩稜帯を見通す

(金峰山)
午前9時55分富士見平を出発。ガイドブックの記述は逆コースだが、樹林帯の尾根はやや急登で、水を補給した分、荷も重い。瑞牆山の甘美な思い出は捨てて、新たな目標に向け気を引き締める。道が緩やかになり大日小屋を右に見て、左側に大岩を見ながらの急登で、11時10分、大日岩に着き、一息入れて右折。シャクナゲの花は既に散って、葉だけが放射状につき元気だ。
この先の樹林帯の中の急登はこたえた。1日2山の疲労が出てきた。こまめに水分補給する。砂払いノ頭で一息つき、左折した先は岩稜帯となり、ほどなく金峰山山頂までの稜線が見渡せるようになった。山頂までもうすぐの気もするが、先ほどの砂払いノ頭の標識では1時間となっていた。やはり、疲労と空腹の身には厳しく、岩尾根の石一つずつで喘いだ。稜線の右側が深く切れ込んだ道だ。アズマシャクナゲだろうか、稜線上では花が残っているのが見られた。
岩の稜線を歩くこと50分、五丈石の前を通過し、午後1時ちょうどに金峰山山頂の最高点に着いた。乱雑に石を積み上げたようなこの最高点は、平らな石に5人も立てば一杯になり、ここで人々が交互に写真を撮り合っている。山頂の標識はその下だ。周囲は360度の素晴らしい展望で、中でも瑞牆山は山頂左の目立つ角のほか多くの岩の角を緑の斜面から生えさせ、勇姿を誇っている。五丈石は四角い石を積み上げて石舞台のようにも見えるが、この背面はさっき見てきたようにすっぱり切れているのだ。いつまでいても飽きない山頂の風情だが、弁当を食べ、40分の滞在で帰路に就いた。

五丈石の背面 五丈石(ごじょういわ) 金峰山山頂の最高点へ
五丈石の背面 五丈石 金峰山山頂の最高点へ
金峰山山頂の最高点から 瑞牆山方面 金峰山山頂の標識
金峰山山頂の最高点から 瑞牆山方面 金峰山山頂
葉だけになったシャクナゲ 大日岩 大日小屋 富士見平の水場
葉だけになったシャクナゲ 大日岩 大日小屋 富士見平の水場

(帰路)
栄養補給し荷も軽くなったため、岩稜帯は、往路より軽い足取りで歩けた。2時頃、富士見平の上で追い越してきた北東北の男性が登ってきた。ややお疲れの様子だったが、山頂を目指し、今日は金峰山小屋に泊まるという。お互いの健闘を祈り合って別れた。
山頂までの稜線を見納めた後、林の中を下った。急坂を過ぎ平坦な道になった所で脚がつりそうな予感がし、しばらく腰掛けて休んだ。軽い雨が降り、大日岩は霧にむせんでいた。大日小屋を過ぎる頃、雨も上がり木漏れ日が濡れた道を照らしていた。
4時15分富士見平着。キャンプ場の人々が楽しそうに過ごしていた。水場で、最後まで1リットルほど残っていた水道水を捨てて山の水を3リットル満タンにした。
4時55分瑞牆山荘着。10時間半のコースだったが、30〜40分の大休止2回を含め約11時間で歩いたことになる。天候に恵まれ大満足の1日だった。
帰路は午後5時15分に瑞牆山荘を出発、時計回りに増富ラジウム温泉の前を通り、須玉ICから中央道へ。途中、神奈川・東京都県境のトンネルを先頭に25キロの渋滞に2時間かかり、国立府中ICを下りて9時40分過ぎに自宅に着いた。

(参考資料)
関東の山歩き100選(昭文社1998年)、関東日帰りの山ベスト100(実業之日本社2006年)

(行程)
5:58瑞牆山荘→6:29富士見平→6:48天鳥川→7:53瑞牆山山頂8:23→9:12天鳥川9:16→9:37富士見平9:55→10:39大日小屋→11:10大日岩11:15→12:08砂払いノ頭→12:30金峰山小屋分岐→13:00金峰山山頂13:42→14:19砂払いノ頭→15:10大日岩15:15→15:40大日小屋→16:14富士見平16:24→16:55瑞牆山荘

(所要時間)10時間57分

2008/7/27整理、8/30、09/1/28修正

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