休日の山歩き 6 四阿山(あずまやさん) Azumayasan
[上信越] 根子岳(2207m)と四阿山(2354m) 菅平牧場からの一周コース
2008年9月15日(月)
夏の終わりは各地で局地的な雷雨になる変則的な天気だった。夏山の時期も終わり、紅葉にはまだ早い。ガイドブックを見ると、多くの山の高山植物の見頃は8月いっぱいで終わっている中で、北関東・四阿山はそれが9月まで延びている。菅平高原はスキーで馴染みがあり、根子岳はランニングで登ったこともある。そこで、いつかは登りたいと思っていた四阿山に、晩夏の花を求めて行くことにした。3連休の天気は微妙だったが、最終日の月曜日に決行した。 トップページ
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午前4時前に自宅を出発し、所沢ICから関越道、上信越道を走行し、上田菅平ICで下りて、国道144号の走りやすい道で菅平高原を目指す。ここは以前は真田町だったが、今は上田市になっている。菅平に入ると、朝もやの中、合宿で来ている学生らがジョギングをしている。ダボスゲレンデを左に見ながら登る。菅平牧場の敷地に入り、まだ開いていない入山料金徴収所の前を通り、奥から2つ目の駐車場に車を止めた。7時少し前だ。靴を履き替え、菓子パンで軽く腹ごしらえした。

【根子岳に直登】
牧場事務所のある場所が登山口になっており、トイレがある。根子岳へは直進、四阿山へは右に進むようになっている。7時過ぎにここを出発し、根子岳を目指す。標高1600m、根子岳まで2.6kmの表示。草を食べる牛を横に見ながら牧柵に沿って直登する。すぐに、薄紫色のマツムシソウと、まだつぼみの青いリンドウが現れた。笹原の中に白樺や、樹皮が茶色っぽいダケカンバが立つ林を直登するが、全体的に道は明るく開放的で、所々に菅平高原が見渡せる場所がある。マツムシソウとリンドウが沿道に切れ目なく見られるほか、ウメバチソウなども見られた。

菅平牧場事務所 菅平牧場 根子岳への道
菅平牧場事務所の登山口 菅平牧場 白樺・ダケカンバの林
マツムシソウ リンドウのつぼみ ウメバチソウ
マツムシソウ リンドウのつぼみ ウメバチソウ

根子岳まで0.5kmの標識の所で木立がなくなり笹原だけとなり、石がガレた所を一登りで根子岳山頂に着いた。登山口からここまで誰にも会わず、石ころだらけの根子岳の山頂広場をしばらくの間独り占めした。山頂には祠と石碑と鐘がある。1等三角点があるはずだが見当たらないのは、上に石ころを積まれて埋もれているのだろうか。

根子岳への道 根子岳への道 根子岳山頂
山頂まで0.5km 山頂まであと一息 根子岳山頂(2207m)

山頂広場の先に麓の菅平高原が一望だ。その左に長い裾野がせり上がってきているが、やがてそこのガスが晴れ、四阿山の山頂が現れた。朝日の方角で逆光気味だが、濃い緑に覆われ、こちらとの間に深い谷がある。また、菅平高原の上にかかる雲のその上に、遠くの山並みがくっきり見えているのに気がついた。北アルプスの山々だろうか。

根子岳山頂 根子岳山頂から四阿山 根子岳山頂から菅平高原
山頂の鐘、石碑、祠 根子岳山頂から四阿山を望む 菅平高原と、その先に北アルプスの山並み

【谷を渡って四阿山を目指す】
気持ちの良い根子岳山頂を後にし、四阿山に向かい谷を下りる。下りの道は笹原が主体で、岩が露出した所もある。鞍部は笹原。四阿山の登りにかかると、薄暗い針葉樹(シラビソ)の林となり、木の根が露わになった急坂を登る。ここで今日初めて人と行き交った。やがて視界が開け、傾斜が緩やかになり、四阿山の登山道と合流すると、にわかに上り下りの登山者が多くなり、緑に覆われた三角の山頂を目指し、一列になって階段を上り、四阿山山頂に着いた。

谷から根子岳 谷から四阿山 四阿山への道
谷から根子岳を振り返る 前方に四阿山の針葉樹林帯 四阿山への登り
根子岳・中四阿分岐 四阿山山頂を見上げる 四阿山山頂を目指す
四阿山の登山道と合流(中四阿への分岐) 四阿山山頂を望む 山頂を目指す登山者の列

狭く細長い山頂の先まで行くと、一旦下った先にもう一つ峰があるので、まず行ってみると、2332mの2等三角点があり、さらに道が続いているようだ。四阿山の山頂は2峰から成っている訳だが、いずれも薄く切れた鋭い形をしている。元の2354mの山頂に戻り、だんだん登山者が増える中、座る場所を確保し、弁当を食べた。

四阿山山頂 四阿山山頂 四阿山山頂から根子岳
四阿山山頂(2354m) 山頂のにぎわい 根子岳を望む
四阿山山頂 三角点峰 三角点峰
山頂の先にもう一つの峰 先の山頂を振り返ると、向こうが高い 2等三角点(2332m)

ずっと長野県側を登ってきたのに、山頂には群馬県嬬恋村の標識ばかりだ。また、山頂には2つの祠(ほこら)があり、一つは山頂標識の隣り、もう一つは少し手前にあった。いずれも石積みに守られている。信州祠と上州祠だとか。根子岳が笹に覆われて気持ちよさそうに見える。また北面は濃い緑の山あいに地肌が露わになった箇所も多く見える。南面は的岩山、鳥居峠へと続く稜線だ。

四阿山山頂から 四阿山山頂から 四阿山山頂から
菅平高原は根子岳との間に少し見える 北面 的岩山、鳥居峠へと続く稜線

【菅平牧場に下山】
四阿山山頂からの展望を楽しんだ後、下山は、元の道を戻り、木の階段の所で鳥居峠への分岐を見送り、根子岳への分岐で中四阿の方に左折する。笹原の中に針葉樹が立つ林を通り、広いガレ場を行くと、前方に、地肌が露わになった鞍部と岩場の尾根が見える。この岩場が中四阿で、その上に立つと見晴らしがよい。この下りの道でも多くの花が見られた。リンドウは午後になったためか、少し開き加減のものがあった。

四阿山から下山 四阿山から下山 中四阿
笹原と針葉樹 地肌の鞍部の先に中四阿の岩峰 中四阿
中四阿 四阿山から下山 1917峰
中四阿の岩峰の上から尾根を見下ろす 前方に四阿高原分岐、その先右に1917峰 1917峰から四阿山を見上げる

標識によれば、四阿山・根子岳間は2.5km、菅平牧場登山口から四阿山までは4.6kmの距離になる。菅平高原を見下ろしながら歩き、白樺の木立を通り、四阿高原への分岐を見送り、1917峰は見晴らしの良い場所だ。なおも下り、大明神沢を渡って少し登ると牧柵に沿った道になり、車道に出て牧場事務所のある登山口に着いた。午後1時過ぎ、ちょうど6時間の行程だった。牧場のソフトクリームを食べた。

菅平牧場から四阿山、根子岳 菅平牧場
牧草地の向こうに、左に根子岳が丸いまんじゅう形に、右に四阿山が
きりっとした山形に見える。
菅平牧場

根子岳への単調で開放的な登山路と広く静かな山頂、心地良い谷間と鬱蒼とした四阿山への登り、狭く賑わう四阿山山頂と意外に変化のある下山路、と結構充実した登山だった。多くの花を見、天気に恵まれ、コースタイムを気にすることもなく歩き、豊かな気分になれた1日だった。

リンドウ
少し開きかけたリンドウ

帰路に牧場に入山料金200円を払い、午後2時に菅平高原を後にして朝と同じ経路を戻った。上信越道が関越道に合流するあたりから渋滞が始まり、朝より約1時間半多くかかり午後6時半に自宅に着いた。

ルート略図 (参考資料)
関東の山あるき100選(昭文社1998年)

(行程)
7:05牧場事務所→8:32根子岳山頂8:58→9:25十ガ原鞍部→10:00中四阿分岐→10:14四阿山山頂→10:18三角点峰→10:24四阿山山頂11:00→11:15根子岳分岐→11:45中四阿→12:01四阿高原分岐→12:18 1917峰→12:46大明神沢→13:05牧場事務所

(所要時間) 6時間(山頂休憩 26分と36分 含む)

2008/9/20整理、10/25修正

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