今週のはまり音楽

現在僕がはまっている音楽について書きます。新盤が出てくることは・・・少ないかもしれません。

今年度中は隔週ぐらいの更新を目指してます。 過去ログ


1998年12月17日

マーラー交響曲第2番「復活」(セーゲルスタム)

 いきなりブルックナーからマーラーに行くと一部で問題がでそうですが、気にせずに(笑)。
個人的に結構好きな「クラシック名盤・裏名盤ガイド」に載っているセーゲルスタムのマーラーです。
この指揮者、見た目は熊かサンタかといった風ですが、見た目通りの怪演で、気に入りました。

 まずCDの構成上、第1楽章(&おまけの曲)が1枚目に入っていて、第2楽章以降が2枚目というのは、
実に正しいです。この曲、作曲者は第1楽章と第2楽章の間は20分休憩をとるべしといったとおもうのですが、
それを実現できます。普通は第2楽章まで1枚目なので、不都合この上ありません。第2楽章の後にエッチら
オッチラCDの交換しなければいけないのは興を削ぎます。その点はこの演奏ならばっちりです。

 で、演奏の方なのですが、まずいきなり第1楽章の冒頭で暴投かましてくれます。低弦の速いパッセージの
後半がいきなりぬーーーっとした感じに伸びます。これでびっくりです。その後はやや緩やかなペースで、
テンシュテットのような後ろのリズムの狂気を感じさせる持続と強調もありますが、実に美しく歌います。
まるでチェリビダッケがマーラーやっているみたいです。でも速いところは結構速くなるのが違いますが。
所々でニューッとのびた旋律がでてきますが、なれてくるとだんだんはまってくるところもチェリ的です。

 第2楽章はとても美しいです。あくまでも緩やかに歌うので、普段マーラーに感じるようなぎすぎすした面は
薄れていますが、これはこれで特徴のある演奏です。

 第3楽章になるといきなり不穏な空気が漂います。この演奏の無窮動感はまさに白眉で、無限に続く
円舞か、蕩々と流れを泳ぎ続ける魚の群か、ニヒリスティックな、立ち止まることなくせかされ続けるような響きが
まさにマーラーの言ったとおりの世界を描き出します。

 第4楽章は聞き易く美しいです。

 第5楽章になると、絶え間なく急かされる感じと妙に引きずる伸ばされた旋律の交錯が、まさにマーラーの
屈折した個性を描き出しているようで、おもしろいです。後半の合唱付きの部分になるとまとまり良くなりますが、
最後のオルガンの炸裂はまるで教会音楽聞いているような気分になります。

 とにかくバーンスタインが超ノーマルに聞こえるほど個性的な演奏です。決してこの曲の最初に買っては
いけませんが、いろいろ聞いてからだとおもしろさにはまれるという意味で、クナやチェリを思い出させます。

 今回は演奏のインパクト強いのですが、聞き込みはこれからです。たぶんもう一度書きます。


過去のはまり音楽

1998年12月4日  ブルックナー交響曲第7番(クナッパーツブッシュ、朝比奈)
1998年11月29日 ブルックナー交響曲第6番(ティントナー、チェリ)
1998年11月25日 ショスタコービッチ:弦楽四重奏曲第2番(マ、スターン、アックス)
1998年11月14日 ブルックナー:交響曲第9番(その1)、バッハ:通称G線上のアリア(ガーディナー)


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