写真は、狭いバスの出口(京都の市バスは前から降ります)とエレベーター
3月みんなの会は2グループに分かれてリフトバスに乗って街に出ました。この企画をした時点では、京都市で3台のリフトバスを導入したばかりで、本数が少なく、乗る時間の調整に四苦八苦、リフトバスの普及率が50%を超えないと、車いすの人が気軽に街に出るのは、難しいと思いました。
このグループは西院から四条烏丸までリフトバス。ここから地下鉄で北大路へ。昼食をとったあと普通の市バスで福祉協会に戻るコースをとりました。普段は階段状のステップが運転手さんの操作で平面状になり、車いすと介護者を乗せてもスムーズに上下します。
普通のバスは幅が狭くて、車いすは前からの乗り降りができないので、3〜4人がかりでミコシを担ぐように後ろから乗せます。30〜40kgはある電動車いすだとなお大変。リフトバスの場合は前乗り前降りです。車いすが通るときにじゃまにならないように、料金箱も「自動回転式」で、ちゃんと道をあけてくれます。初めて見たときは感動しました。007に出てくるジェームス・ボンドのハイテク・カーを連想してしまいました。
車内は左側に1人掛けの座席が1列と、右側に、車内を向いて2人掛けのイスが2カ所ついてます。車いすが乗車するときは、このように2人掛け のイスをたたんで、車いすを固定できるようになっています。
エレベータを利用して、地下鉄に乗れることを知らない家族の人がいました。 重い障害を持った子供ができていらい、リフトバスはもちろん、市バスも地下鉄も自分たちには利用できないもの、縁のないものとあきらめていたそうです。そんな人が案外多いのには驚きました。
午後からは、音楽療法の講師をされている杉原さんにお願いして、みんなで音楽療法を楽しみました。部屋いっぱいに広がる大風呂敷に包まれて、四方からそれを上下に揺らすと、その大風呂敷がまるで大海原のように揺れます。
下から見上げていたメンバーさん達にはどんな風に見えたんでしょう。(写真左はシャボン玉で遊んでいるところ)
今回、リフトバス、地下鉄、市バスと乗りましたが、一番最後に残念なことがありました。いつものように手順を踏んで、後ろから降りたのですが、柄の悪い運転手が、ごろつきのような態度で、「こら、前からおりんかい!」と大声で悪態をつきました。
僕自身は「今だにこんなに程度の低い運転手もいるのか」と驚きましたが、その場は聞き流しました。今までそういう目に何度も遭ってきているので、なれてるということもありますが、あとから後悔しました。 初めて乗るバスや地下鉄に喜んでいたあるお母さんが、「やっぱり私たちはバスや地下鉄に乗ったらあかんにゃ。」と言ったのです。
争いは好きではないけど、その場で運転手の名前を聞き出し、交通局に抗議して、職員への再教育を徹底させる。あそこで僕は、毅然とそういう態度をとるべきだったのです。 今でも思い出すとくやしい。