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会社を辞めて、NZに行こう!


■はじめに


家族3人(夫婦と6歳の息子)で2011年1月から2ヶ月ほどかけてNZ(ニュージーランド)を旅した。
3月9日に帰国したが2日後に大震災が発生。
混沌とした世相の中で山梨県に引越し。どたばたとしているうちに半年余が経過してしまった。
帰国してからは旅を振り返る余裕も無かったが、山梨県の生活にも慣れてきて、ようやく旅のおさらいをする気持ちになった。

タイトルは「会社を辞めて、NZに行こう!」だが、NZに行くために会社を辞めたわけではない。
いろいろ考えることがあって会社を昨年末に退職したが、息子が4月に小学校に入学するとなかなか長い旅行は出来ないので、よし行こうと思い立ったのだ。

今振り返るとこの旅行のおかげで山梨県の生活にスムーズに入ってこれたように思う。
NZは国土が日本の4分の3もあるのに、人口はたったの400万人。
どこに行っても北海道のようにのびやかな大地が広がっていた。オークランド(首都)のような大都市であってもそこから1時間も車を走らせると、もう周囲は大自然である。

そんなNZでキャンピングカーを中心に旅をしたので、ある意味で不便な生活だった。
トイレに行くにもシャワーを浴びるにもよっこらしょと車から外に出るわけである。買い物だって近くに店があることは稀なので、しばらく車を走らせることになる。
こんな生活をずっと続けていたのだが、いつしかこれが当たり前のようになっていた。モノは無くても自然があるさ、そんな充足感を感じていた。

そして、帰国後、山梨県(北杜市小淵沢町)に引越し。
今まで住んでいた神奈川県(川崎市宮前区)に比べれば、いろいろと不便は不便。
最寄りのコンビニやスーパーは歩くと30分かかるし、ちょっとした買い物をするときは韮崎や甲府まで小一時間車を走らせることになる。
スポーツクラブは市内に一つしかなく車で30分かかる。等々挙げればきりがない。
それに今はアパート住まいなので、誰にも自分の部屋は無く、小学校に入学した息子の机すら置けない。

そんな以前に比べれば不便な生活だが、さほどストレスは感じない。
NZを旅してきたときと比較すると、家の中にトイレや風呂があるだけで大満足だし、店が近くにないのは慣れっこだ。
NZでの生活は山梨での生活の練習だったようにも思える。

そして、NZ同様、ここには自然に囲まれた充足感がある。

そうしてみると、帰国後にNZのことをあまり思い出さなかったのは、大震災や引越しの慌ただしさもあるが、実は現在の環境がある意味でNZに似ているからかもしれない。
NZ旅行から私達の新しい旅はずっと続いている、なんて思い直したりしている。

2011年10月14日 小淵沢の自宅にて