今そこにある危機?

歩道の自転車 車道の泥酔者 目前の死角 ウィンカーの意味2 死角の右折 青の残像

歩道の自転車

たとえば、車道と歩道とが分かれていて歩道の方が一段高くなっているような場所を走行中、前方に歩道を走っている自転車を見つけた時は、「あの自転車の横を通る時、もしもあの自転車がふらついて歩道からずり落ちて自分の前に倒れ込んできたら自分はそれをかわせるだろうか」と考える。

特に、狭い歩道上で自転車同士がすれ違う場合や、歩道上にいろいろな障害物がある場合(電柱があったりゴミ袋が山積みになっていたりする)、それから複数の歩行者の脇をすり抜けなければならない時等、自転車は意識的に一旦自分で車道側に降りてくる事もあるだろうし、障害物の脇を通ろうとして歩道の“へり”ぎりぎりのところを通る事もあるだろう。そんなときに自分のクルマがちょうどその場所にさしかかったら、やはり何も考えずに漫然と通り過ぎるのは危険だと思うのだがどうだろうか。

「いちいちそんなこと考えていられない」とか、「そんなことを考えてあなた一人が徐行したとしても、そのことを知らない後続車が追突してしまうじゃないか」という考えもあると思う。もちろん歩道以上に後方も確認しているので、タイミング的にかえって危ないブレーキは踏まないし、ケースバイケースだと思う。でも、向こうの方から80歳ぐらいのおじいちゃんが、歩道のへりを自転車でふらふらしながらやってきた時は、おもわずアクセル全部戻しちゃいました。

車道の泥酔者

酔っ払いが夜道に寝ていて、走行中気づくのが遅れて轢いてしまったというニュースを時々耳にするが、いつもこういうニュースを聞いた時に思うことは、もしも自分が同じシチュエーションに出会ったら、はたしてその酔っ払いを轢かずに止まれる(あるいはかわせる)だろうか、ということだ。

状況的にはかなり難しいとは思う。でも、たとえば、普段道路を走っていて、車道上に大小様々の障害物が落ちているという事は意外によくある。空缶が風に吹かれて目の前にコロコロと転がってくる事もあるし、けっこう大きめのダンボール箱がなんだか知らないけど道の真ん中にどかんと置かれて(落ちて)いたこともある。そんな時、たとえそれが視界の悪い夜間であっても、意外にそこを走っていたクルマ達は皆じょうずにその障害物をひらりひらりとかわしてその場を通りすぎることができていた。それが何故物ではなく人だと轢いてしまうのか?

当然、まずその障害物としての大きさが違いすぎるから比較の対象にはならないとも言えるだろう。しかし、その障害物が大きければ大きいほど、その分逆に言えばよりずっと遠くの方から早目に発見する事も可能なはずである。そして、見つけた時点でそれほど速度が出ていなければ、後続車の為に瞬間的にポンピングブレーキを使い、その後おもいっきり急ブレーキを踏んで、なんとかギリギリ寸前で止まれる可能性というのは、決して0%ではないと思う。

通常酔っ払いが道に寝ている事を想定して運転するなんてことは有り得ないと言う人もいるけれど、自分はいつもその可能性を頭に入れて運転している。特に、緩い上り坂が終わり平坦になる手前のあたりとか、見通しの悪い緩い左カーブとか、そういうところに来ると、「もしもこの先に人が倒れていたらこのスピードで止まれるか?」と瞬間的に自問自答します。

実際にはこればっかりは、本当にそうなってみなければ分からない。どんなに普段大丈夫だと思っていても、実際その場面に遭遇し、アッ、人だ!と思った瞬間、パニックになってブレーキとアクセルを踏み間違えてしまう事だってあるかもしれない。自分がどれだけ冷静でいられるか、そこまで考えると正直あまり自信はない。

ただここで一つ思った事は、もしもこの場面でドライバーがケータイでお話に夢中になっていたら、まず100%寝ている人をかわすのは不可能だろうということだ。

夜のケータイだけはやめた方がいいと思います。本当に…。

目前の死角

・青いクルマが駐車場から出て左に行こうとしている。
右側をよく見てクルマが走ってこないのを確認してから道路上に出て加速しようとした時、気がつくと目の前に黒いクルマがいてこちらに向かって来る。一瞬何が起こったかも分からず、慌てて急ブレーキを踏んだ。

・黒いクルマが道路を走行中、自分の前を走っていた路線バスが停留所に止まったので、対向車が来ないかをよく確認したうえで中央車線をはみ出してバスを追い越そうとしたのだが、その時、突然道路脇から一台のクルマが飛び出してきてあやうくぶつかりそうになった。


一つのシチュエーションをそれぞれの当事者の立場から書いてみましたが、この場合、いったいどちらが悪かったのでしょう?

何対何でどちらが悪いということは私には分かりませんが、やはり双方それぞれに確認の怠りや判断ミスがあったとは言えると思います。

私は以前、青いクルマの側の立場になったことがあるのですが、その時はたまたま黒いクルマが車線を飛び越えてくるタイミングが一瞬早かった為、黒いクルマが目の前を通り過ぎるのを待つことができましたが、まさかこの状況で左からクルマが来るなんて思っていなかったので(対向車線のバスのことなんかちっとも頭の中にありませんでした)、あともうちょっとタイミングがずれていたら左側を殆ど確認することなく路上に飛び出して、同じ状況になっていたかもしれません。

黒いクルマの方にしても、バスを追い越す際に対向車線のクルマをちゃんと確認するのは当然として、道路脇に停まっているクルマの動向を予測できなかった(あるいは確認できなかった)ことに全く責任がなかったとは言えないでしょう。

自分がどちらの立場であったとしても、また、法的にどちらに責任があるにせよ、予測の難しい状況というのは、いつでも突然目の前に現れます。
このような危険を避けるには、当たり前のことですが、心に余裕を持った運転をするしかないと思います。イライラして先を急いでいたら、見えるものも見えなくなってしまいます。

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ウィンカーの意味2

前方にある交差点を左折しようとしていた時、信号が青から黄色に変わった。
自分のすぐ前を走っていたクルマも左ウィンカーを出しており、タイミング的に、前のクルマについて行けば信号が赤に変わる前に自分も一緒に曲がれると思って加速した。
すると、前のクルマが左ウィンカーを出したまま殆ど止まりそうなぐらいの減速をした為、慌てて急ブレーキを踏んだ。
そして、そのまま前のクルマはゆっくりと交差点手前のコンビニの駐車場に入っていった。

前のクルマは左折の為ではなく、その店に入る為にウィンカーを出したのだ。
2台目のクルマはてっきり前のクルマが交差点を左折するつもりだと思っていたので、減速のタイミングが遅れ、もう少しで追突するところだった。


ぼーっとして走っていたら本当にぶつかってしまいそうなケースですが、同じような状況でドキッとした経験を持つ人も少なくないんじゃないでしょうか。

これは、交差点手前で左ウィンカーを出したクルマはみんなその交差点を左折するという思い込みが招いた危機と言えます(実際、交差点のすぐ手前で左ウィンカーを出していきなり路肩に止まるクルマもよくいるし)。

回りのクルマの発する様々な形(方法)による「意思表示」をいつでも正確に理解するというのは(いろいろな人がいろいろな考えを持ってハンドルを握っている以上)現実には不可能ですから、大事なのはやっぱり、十分な車間距離とココロの余裕を持つ事ではないでしょうか。

関連日記

死角の右折

左側(A)が「危険な」右折。右側(B)が「より安全な」右折です。

Aは、対向車が近くまで来ているのが「見えていたので」急いで右折を開始して、狭い路地をこちらに向かって走って来るクルマの発見が遅れて鉢合わせになるパターン。
Bでは、対向車が通り過ぎるのを待ってからおもむろに曲がり始めています。

対向車が「微妙な」距離にある時、えてして特に急いでいる訳でもないのに、ついAのような「先の見えない」右折をしてしまう事があります。
私自身、実はごくまれにですがこれに近い曲がり方をしてしまい、後になってなんて危ない事をしたんだと思って怖くなる事があります。

Bの右折の「良い」ところは、対向車が通り過ぎるのを待って、これから曲がっていく自分の進路が見える位置まできっちり進んでから右折を開始しているという点です。この、当たり前の運転が時々できなくなるのは何故なのか。私自身反省をすると同時に、とても不思議な感じがしています。

先の見えない右折はやめよう。こういつも自分に言い聞かせています。

死角に吸い込まれようとする自分の心に負けないように。

関連日記

青の残像

夕方になって混み始めてきた頃。
私が、ある交差点から30〜40mぐらい手前にいた時、実際に見た場面。

交差点の信号機が青から黄色に変わり私の前を走っていた数台のクルマが減速し始めた時、その交差点の手前右側の小路から一台のクルマが飛び出してきて、赤になったばかりの交差点の中に突っ込みかけて、少し入った所で急ブレーキをかけて停止した。

このクルマ、ずっと右に出るチャンスをうかがっていたのだろう。
本人は、回りをよく確認した上で、行けると思って飛び出したつもりだったろうけれど、交差点まで来た時、すでに信号は赤に変わっていた。

このドライバーが、飛び出すにあたって確認しなければならない事は3つあった。
・右側から走ってくるクルマの有無。
・左側から走ってくるクルマの有無。
・そして、信号が青である事。

以下推測だが、実際に飛び出した直後、左側から走って来ていたクルマが、前方の信号が黄色に変わった為に減速。飛び出したドライバーは、それを見て自分の為に減速してくれたのだと勘違いして、少しでも速くその場を通過しようとして、もう一度その場で信号を確認する事なしに加速して、交差点直前まで来て信号が赤になっている事に気づいて慌てて急ブレーキを踏んだ、という感じではないだうか。

一度に複数の事に注意して素早い動きをしなくてはならない場合、そのうちの一つでも見落とすと、このようにとても危険な状態に陥る。

私自身、元々このような形の道路でラッシュ時に右折をしようという事自体に無理があるのではないかと思うのだが、いずれにしても刻々と移り変わる道路状況を見逃さず、ポイントを一つ一つクリアしていく高い集中力が必要とされる場面であるとは思う。

事故を起こしてから、「出た時は確かに青だったんです」と言っても誰も相手にしてはくれないのだ。

予測できる事私の街の走り方