Preface/Monologue2023年 7月


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雨の三ツ池公園

ここまでのCover Photo:雨の三ツ池公園

1 Jul 2023

ここ数年の記録を見返してみると、7月は山に行っていない。

気象庁のデータによると、過去5年の関東甲信越の梅雨明けは、2018年は6月29日とかなり早かったものの、2019年は7月24日、2020年は8月1日、2021年は7月16日、2022年は7月23日と、おおよそ7月下旬あたりになっている。

梅雨の晴れ間が土日に当たればよいが、下旬に梅雨明けしても残る一回程度のの土日を山行に振り向けるかは微妙なところだったかと。こういう事情が7月の山行が無い理由なのだろうと思う。単に暑さにまだ慣れてなかっただけかもしれないが。

12 Jul 2023

猛暑日が続く関東。

来る三連休にどこか山へと思って、日差しを避けられそうなコースはと考えるに、10年前に行き損なった美ヶ原の焼山沢コースを思い出し、いまどうなってるかと調べてみたら…

2019年の台風であちこち山道が崩壊し、昨年になっても焼山滝近辺はかなり危険な状態だとか。倒木が遮る急傾斜の山腹道を通らなければならないとか、いやもうちょっとそれは。

10年前に行っておけばよかった。

22 Jul 2023

青春18きっぷを使って上諏訪へ。


午前中から寺社巡り開始。11年前に巡ったところのいくつかを再訪。今回は最初に尋ねた温泉寺、境内からの諏訪湖を眺めてみると、邪魔としか言いようのない大きく四角いだけのビルが湖畔に新たに建っていて、眺望が台無し。施主の方、景観に対するセンスの欠片も感じられない。

出だしからがっかりしつつ、手長神社を経て向かった地蔵寺で気を取り直して庭園を鑑賞。記憶にあったものより狭いものだと知る。これは失望するものではなく、密度の濃さが記憶の中での大きさに変換されたものだと納得する。高さのある沓脱石に腰掛けて半時ばかり、視線を上へと誘う眺めと池に落ちる豪快な滝音にしばし暑さを忘れる。

地蔵寺から法光寺方面に向かう途中には、かつては小さな川にかかる橋の上に温泉給水施設があったが、いまはなぜか無くなっていた。観光サイトの案内図は更新しないと…。

今回は正面から入った八剱神社では、拝殿のなかになにかごろごろと敷き詰められている。近寄って覗いてみるとなんと無数のジャガイモだった。神職のかたに伺ってみると、神社の畑で収穫されたのを干しているのだという。「ふかしたのに塩だけを振って食べると本当に美味しいですよ」。ぜひやってみよう。この神社では月に一回、この拝殿を中心に多種多様な催し物をされている(”ジャガイモ”は催し物にあらず)。神職のかたの視野の広さ、関心の幅がなせることかと。

八剱神社で足長神社の御朱印を先に頂いたので、片道30分くらいを炎天下に茅野側へ歩いて行く。ようやく着いた境内は高みにあり、長い階段を上がった先には林のなかに埋もれるように大きな社殿があった。無人の境内には日陰にベンチがあり、暑さと疲れとでしばらく横になっているうち寝てしまった。流れる風と響き渡る蝉の声が心地よかった。

23 Jul 2023

車を借りて美ヶ原の山腹にある三城いこいの広場へ。ここから百曲りコースを登る。


駐車場から半時の”広小場”(小広場だが”小広場”ではない)では傍らの沢音が高く、そこに建つ堅牢な造りの四阿では湯を沸かしたくなる。下ってきて余裕があればそうしよう。

そこから名の通りのジグザグ道を一時間強。この日は昨日の上諏訪周遊の疲労が抜けていないせいか、ここ最近に山に行ってないせいか、脚が重くて重くて歩みが捗らない。延々と大小の平石が敷き詰められているのもなかなか堪える。適度に休みつつ行くと、カラマツ林や広葉樹の森を抜けて笹原が広がり、世界が明るくなる。谷向こうの鉢伏山が大きい。美ヶ原溶岩台地のへりを示す岩壁が見えてくると、登高は終了。


広々とした高原の眺めはやはり見てみたく、塩くれ場まで足を延ばす。いつ見ても”着陸した宇宙船”の形容がしっくりくる山頂部の王ヶ頭を左手に望み、右手の草原に牛たちを眺めながら行くと、霧鐘塔を中心に置く高原台地の眺めが眼前に広がる。併せて観光客の人だかりも。

ここから先はやはり観光地だなと踵を返し、なによりまずはコーヒーだと、百曲りを登り着いたところの園地に戻って鉢伏山を眺めながら湯を沸かす。やっとありついた一杯は昨日も今朝も飲んでいないのでとくに美味い。一時間休憩した。


元来た道を下るのが最も安全なのだが面白くないので茶臼山を越えて陣ヶ坂コースを下ることにする。茶臼山へはかつては牧場内を牛の糞を踏まないように向かったものだけど、いまでは牧柵の外側を歩くようになっている。そのせいか彼の山に向かう人は多い。午後になって雲が広がり、一瞬だが稜線にガスもかかる空模様なのに、なぜか牛たちも牧草地内の高みへと列をなして登っていく。

そんな天気だからか、茶臼山山頂からは間近の三峰山は明瞭なものの、少し離れた霧ヶ峰はどうもはっきりしない。人も多く落ち着かないので早々に出発する。稜線に付けられた山道は、標識が立つところで先が深く笹に覆われ、わずかに道が続いているらしきが分かる程度になっている。10年前に訪れたときには、この先にハイランドロッジという建物が休業中ながら存在していたのだが、いまはどうなっているのだろうか。確認しに行く体力気力は無く、そのまま右手に下りだす。


陣ヶ坂コースは百曲りコースとは違って歩きやすい土の道があるものの、火山らしく苔むした大石がごろごろしているところを渡っていく箇所も繰り返し出てきて気が抜けない。加えてこちらは風が通らずかなり蒸した。途中で沢近くに出たときには喜んで沢水で顔を洗った。夏山の楽しみの一つ。

広小場に戻ってきて、予定通りここで二杯目のコーヒーを飲む。もう時刻も遅く、登る人はもとより下って来る人も来ない。沢音ばかりが変わらず響き渡る。駐車場に戻ってみると残っている車は数えるほどだった。脇に建つ食事処が幸いにまだ開いていたので期待していた牛乳をいただき、登山口から少々下ったキャンプサイトの入浴施設で汗を流して山を下った。


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