逍遥の山
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伯耆大山九合目から弥山頂上を見上げる

 
30 Aug 2026

川崎ミューザにオーケストラを聞きに行く。「市民交響楽祭2026」ということで、川崎市内のアマチュアオーケストラの混成楽団が演奏する。曲目はチャイコフスキーの「白鳥の湖」組曲にサン=サーンスの交響曲第三番「オルガン付き」。

サン=サーンスが聞きたくて足を運んだのだったが、「白鳥の湖」はあの有名な”白鳥のテーマ”しか記憶になくて、フィナーレの曲ではそのテーマが銅鑼を含む打楽器群をバックに奏でられるのを聞いてびっくりしたのだった。物語の筋書きはどうなっているのかそのときは知らなかったけれど、結末は壮絶なものなのだろうなとは予想できた。


さてひさしぶりにホールで聞く「オルガン付き」。第二楽章第二部冒頭のオルガンの咆哮は、またこれが聞けたとばかりに涙が出るほど感動もの。自分の全身が大音響に包まれるこのほんのわずかな時間が至福のひと時。これはTVやスマホの画面で山の景色を見るのと実際に現地で体感するのと同じ差がある。現地での体験は大きい。(小中学校の夏休みももう終わり。この夏、子どもらはみな、記憶に残る体験ができただろうか。このホールにも何人かの子どもらの姿が。)

この交響曲、なにかを表わしている標題音楽ではなく絶対音楽なのだけれど、あらためて聞くと変転を繰り返す厳しい山中の眺めのように思えるところが多々。山の朝の穏やかな情景にも思える冒頭部。第一楽章第二部のオルガンの穏やかな響きは谷間を漂うガスの塊が音を出せばこんなものかと。第二楽章第一部は強い風が吹きすさぶ谷間の情景、第二楽章第二部は荘厳な稜線の眺め、オルガンの咆哮の後に続くピアノ連弾は源流のせせらぎに聞こえる。今月は高い山に行けていない身には、町中にて山の気に浸ったとも思えたコンサートだった。

 
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