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紹介したい資料(一部未収集のものがあります)

題名 Heidi

監督 : Frederick A. Thomsonフレデリック・トムソン
出演 : Madge Evansマッジ・エヴァンス1909-1981(ハイジ)
制作 : アメリカ 1920大正9年(関東大震災の3年前) (一部で1921の表記有)  分数不明

説明 リンク
モノクロ 無声映画 ハリウッドで製作。日本未公開。
初めて映画化されたハイジだが、ほとんど情報がない。
写真はドイツでのハイジ展パンフレットより。(左から おんじ、クララ、ハイジ)
何か情報を持っておられる方は、どうかご連絡をお願いいたします。

主演のマッジ・エヴァンスは、当時11歳。ニューヨーク生まれで、小公女などにも出演。幼い頃からその後も長く活躍された女優です。


題名 Heidi 邦題(ハイディ)

監督 : Allan Dwanアラン・ドワン  
出演 : Shirley Templeシャリー・テンプル(ハイジ), Jean Hersholt, その他
制作 : アメリカ 20世紀フォックス作品  1937 88分

説明 (参考資料) リンク
モノクロ 音声付。日本でも戦前に公開。
写真はモノクロをデジタルによりカラー化したビデオのジャケットより
シャーリー・テンプル(1928年生)の代表作の一つ。テンプルは6歳で最年少アカデミー賞受賞。
1930年代に4年にわたり世界人気ベストワン女優に選出。12歳で映画からほぼ引退。(かわいそうな子供です・・)
ストーリはハリウッド風に大きく改変されている。

キネマ旬報データーベース


題名 高原の月

監督 : 佐々木啓祐
出演 : 大塚正義(母を亡くした少年・隆一(少年のハイジ)) 高峰三枝子(春江・隆一の姉(デーテ)) 坂本武(いっこく佐平(おんじ))
制作 : 松竹作品  1942昭和17年 85分

説明 リンク  リンク2
モノクロ 太平洋戦争を背景とした北アルプスでの牧歌的作品。 写真はビデオのジャケットより。
公開当時の宣伝文
「名作「荒城の,月」のトリオ、佐々木啓祐・佐野周二・高峰三枝子が、若き日の愛情交錯に泛(うか)び出す青春花詩集ーー」


ハリウッドリメイク映画物語」児玉数夫著 の紹介。
「映画のプロットはヨハンナ・スピリの名作"HEIDI"よりの借り物。(中略)脚本は雑多なものを盛りこみすぎた。」とある


題名 Heidi (邦題)アルプスの少女ハイジ 

監督 : Luigi Comenciniルイジ・コメンチーニ(イタリア人)
出演 : Elsbeth Sigmundエリスベート・ジグムント(一般公募の素人子役が好演とある)
制作 : スイス プレゼンス−フィルム 1952 98分
ロケ地 : ラッチ(ベルギューンの上。村のシーン)、アルプ・ファライン(夏の山小屋)、フォルクラ・スールレイ、アルプ・ラングアルト、ツェレリーナ

説明 (参考資料) リンク
モノクロ映画 
スイスで撮影された最初のハイジ映画。大ヒットして、続編が制作された。

「貴方の心を清める少女の願い!美しいスイスの山々!」公開当時の宣伝文
写真は映画館用パンフレットより
1958年・日本公開は松本トモ子(ハイジ)、劇団四季による日本語吹替版。 キネマ旬報データベース

ハイジの優しさによりフランクフルトでクララは立ち上がり、それからハイジがアルムに帰っていく。


題名 Heidi und Peter (ハイジとペーター) 

監督 : Franz Schnyderフランツ・シュナイダー  
出演 : エリスベート・ジグムント(一般公募の素人子役が好演とある)
制作 : スイス プレゼンス−フィルム 1955年 98分
ロケ地 : ラッチ(ベルギューンの上。村のシーン)、アルプ・ファライン(夏の山小屋)、フォルクラ・スールレイ、アルプ・ラングアルト、モンテラッチ氷河、マイエンフェルト、バートラガッツ

説明 (参考資料) リンク
上記「Heidi」の続編 スイスで最初のカラー映画。日本未公開。 

原作表記がハイジ第二部の「Heidi kann brauchen,was es gelernt hat」となっている。
すでに歩けるようになっているクララがアルムの山にやってくる。

前半がモノクロ、後半がカラーという、「ハイジ」になぜかよくある前半と後半のネジレ現象がここでも発生している。


題名 Heidi und ihre Freunde  Frühlingslied (邦題)ハイジと友達 春の歌 
    原題(S'VRENELI OF EGGISBERG)

監督 : Hans Albin ハンス・アルビン
出演 : Elsbeth Sigmundエリスベート・ジグムント(ハイジ)
制作 : スイス  1954 90分

説明 リンク
モノクロ映画 日本未公開 ハイジの子役を起用した映画。もともとはハイジと無関係な映画だが、女の子役がハイジで有名なため改題された。少女の名前はもともとフレニだがハイジに変更。一見すると、ハイジ続編のように見える。子どもの商業利用を否定する内容なのに、映画が後でムリヤリ「ハイジ」に結び付けれてしまったのは興味深い。
 あらすじ
6歳のスイスの少年ウォルフガングは天才的なピアノの才能をもっているが、野心家のおじによって旅から旅を続けて演奏をさせられる生活だった。事故で一時的におじがいなくなり、少年はある女性の元、山で牧歌的な生活を送ることになる。近くの少女フレニ(改名してハイジ)や山羊飼いの少年(イェーギィ)と仲良くなり、いろいろな事件のあと、三人は深い友情で結びつき、豊かな自然の中で暮らしていく。


題名 Heidi

監督 : Joy Harington   

出演 : Julia Lockwood(ハイジ) 
制作 : 
イギリス 1953年 30分 6回シリーズ

説明 リンク
イギリス英語 モノクロ テレビシリーズ 詳細不明 


題名 Heidi

監督 : Julio Gouveia  

出演 : Verinha Darci(ハイジ) 
制作 : 
ブラジル 1956年 ?分

説明 リンク
ポルトガル語 モノクロ テレビシリーズ 詳細不明 


題名 A Gift for Heidi (邦題)アルプスの天使 

監督 : George Templetonジョージ・テンプルトン
出演 : Sandy Descherサンディ・デスチャー(ハイジ・無名の少女俳優を起用) ダグラス・フォーリー(おんじ)
制作 : アメリカ 1958年 71分

説明 リンク リンク2
低予算映画だが、ハイジ本編の最初のカラー作品。 
日本では1977/8/4昭和52「アルプスの天使」の題名でテレビ放映。
ハイジのリメイクだが、ヘリコプターが登場するなど舞台は現代におきかわっている。


題名 Heidi  (邦題)アルプスの少女ハイジ 

監督 : Werner Jacobsウォルター・ヤコブス
出演 : Eva Maria Singhammerエリスベート・ジグムント、Gertraude Mittermayrゲルトラウト・ミッテルマイヤー(クララ)、
Margot Troogerマルゴット・トルーガー(ロッテンマイヤー)、Gustav Knuthグスタフ・クヌート(おじいさん)
制作 : オーストリア/西ドイツ 1965年 94分(ブラジル公開版では110分)

説明 (参考資料) リンク  キネマ旬報データーベース
カラー映画。日本では1968年劇場公開。ドイツ語。
日本でもかなりのヒットとなり、さまざまなメディアに登場。ハイジのカラー映画としてもっとも有名。
写真が角川文庫表紙に使用され、日本語版のレコードもアイドル歌手によって制作。左の写真はビデオジャケットより。

ジェット旅客機でハイジがスイスに帰るなど、ストーリは改変されている。
またスイスの1952モノクロ映画版とよく似た構成になっていて、「デルフリ村の教会の鐘のお祝いにハイジが参加する」「フランクフルトでクララの足がなおる」などの原作にないがスイスの映画と共通する場面がある。(脚本は別人)

この映画のあとに「Heidi und Peter」をつなげると同じカラーで全編が見られる?


題名 Heidi (Heidi kehrt heim 「ハイジ故郷に帰る」西ドイツ題名) (邦題)アルプスの少女
 
監督 : Delbert Mannデルバート・マン
出演 : Jennifer Edwardsジェニファー・エドワーズ(ハイジ)、Maximilian Schellマクシミリアン・スケール(ゼーゼマン)、Jean Simmonsジェーン・シモンズ(ロッテンマイヤー)、Michael Redgraveミカエル・レッドゲーブル卿(おんじ), その他  
制作 :  西ドイツ/アメリカ(オムニバス・プロ) 1967年西ドイツTV放送110分 / 1968年11/17アメリカNBC放送96分


説明 (参考資料) リンク 
英語版 西ドイツ・アメリカ合作のTVドラマ編集映画 写真はアメリカ発売DVDより。
アメリカ放送時、大変な事件を起こした。
テレビ映画の初期の大作とのこと。 監督デルバート・マンはこの作品で認められて、その後多くの作品を制作した。日本では劇場、ビデオともに未紹介だがテレビ放映された。 

屈折したハイジ、うるさいクララ、ゼーゼマンとロマンスのある優しいロッテンマイヤー、フランクフルトにヤギの赤ちゃん登場と、いろいろ工夫されている。 
音楽はジョン・ウィリアムスJOHN WILLIAMS(スターウォーズ、ジョーズ、インディジョーンズなどで有名)

(「るぅ子」様より掲示板にて「NHKでゼ−ゼマンさんとロッテンマイヤ−さんのラブロマンスのある映画を見た」と情報をお寄せいただきました。1970/05/05昭和45子供の日の放送でした。 ありがとうございます。03/3/7)

題名 Heidi (邦題)アルプスの少女ハイジ

監督 : ジューン・ウィンダム・デイビスJune Wyndham-Davies

出演 : Emma Blake(ハイジ) Hans Meyer(おんじ)
制作 : 
イギリスBBC 1974年 30分 6回シリーズ

説明 (参考資料)  リンク
イギリス英語 カラー テレビシリーズ 日本では112分に再編集されてビデオが発売。
1980年にテレビ朝日系「ハウス子供おはなし劇場」で放送される。 写真はビデオジャケットより。

の巻き毛でこれまででもっともハイジらしい子役が出演。

なお、この同じ年に日本で高畑ハイジがテレビ放映されている。
ハイジの雰囲気やコスチュームが似ているが偶然と思われる。


題名 Heidi 

監督 : Tony Flaadt/Joachim Hess(監督二人)
出演 : カティア・ポレティンKatia Polletin(ハイジ) Stefan Arpagaus(ペーター) Katharina Bouhm(クララ)
制作 : スイス・ドイツ(Swiss Television , Televetia Geneva , Intertel Basel) 1977-1978年 25分 26回シリーズ
ロケ地 : オーバーエンガディンのウレヴァザルヴァス(山小屋は200年前の本物。)、チャンプフェー、チューリッヒ、フランクフルト

説明 (参考資料)  リンク
スイスドイツ語とドイツ語 カラー テレビシリーズ。 英語吹き替えバージョンもある。 (追記 2008/8/12ハイジの日に日本語版が発売される)

写真はDVDジャケットより。 スイスなどで現在も人気がある。
「原作にかなり忠実で大ヒットしたもの」(スイス観光局パンフレットより)と
実写版ハイジの決定版に近い扱いをされている。


山小屋は撮影後サンモリッツに移築され、ハイキングコースの一部になっている。
このハイキングコースでハイジの家に続いてカリジェの「ウルスリの鈴」の道を通ってサンモリッツに到着する。


題名 The New Adventures of Heidi  (Heidi's Christmas)

監督 : ラルフ・セネンスキーRalph Senensky    
出演 : ケーティ・クルズマンKaty Kurtzman (ハイジ)、バール・アイヴスBurl Ives(おじいさん)、
制作 : アメリカ 1978 95分

説明 (参考資料)  リンク
ハイジの続編。 テレビ映画。 英語。 珍しくミュージカル風。 日本未公開。 写真はDVDジャケットより。
同一内容で、「Heidi's Christmasハイジのクリスマス」と改題されたビデオがある。
おじいさんの目が悪くなり、ハイジはアルムを離れることになる。ジェット旅客機で世界貿易センター(完成1970北棟1972南棟-崩壊2001/9/11)の建つニューヨークに行き、家庭に問題のある女の子といっしょに暮らすが、ハイジの心の優しさで家族の絆をとりもどす。
ハイジは高畑ハイジのクララみたいな長髪金髪の子役。設定改変がめだち、都会生活への懐疑が感じられない。


題名 Courage Mountain (邦題)アルプスを越えて


監督 : クリストファー・リーチ
出演 : ジュリエット・ケイトン(ハイジ)、チャーリー・シーン(ペーター)
製作 : アメリカ・フランス 1989 98分

説明 (参考資料)  リンク
第一次世界大戦のスイスとイタリアを舞台に、14歳になったハイジを描く。時代とアルム山の位置関係を改変してアクション映画になっている。日本劇場未公開。1994/10/21にテレビ放送された


題名  Heidi (邦題)アルプスの少女ハイジ


監督 : Michael Ray Rhodesマイケル・ローズ監督
出演 : Noley Thorntonノーレイ・ソーントン(ハイジ)、Jason Robardsジェイソン・ロバーツ(おんじ)、Jane Seymourジェーン・シーモア(ロッテンマイヤー)、Patricia Nealパトリシア・ニール(おばあさん)
製作 : アメリカ作品 1993年 60分×3話 193分のTVドラマ

説明 (参考資料)  リンク
日本では編集して163分のビデオが発売された (吹替版と字幕版あり)
日本語吹替版 声優 ハイジ:橋本ありす/クララ:坂本真綾/ペーター:広田雅宣/おじいさん:鈴木瑞穂/おばあさん:稲葉まつ子  
冒頭でハイジの両親が雷に打たれて死亡するシーンがある。ハイジにたいするおじいさんの態度はかなり冷たい。


題名  Heidi 

監督 :  Markus Imbodenマルクス・インボーデン  
出演 :  Cornelia Gröschelコルネリア・グレッシェル14歳(ハイジ)、Paolo Villaggio(おじいさん)、
製作 : スイス・ドイツ合作 Vega Film(Zurich)  102分 2001/03スイス公開(撮影2000年)
ロケ地 : シュクオル、セント、ラヴィン、アルプ・ツェツニナ、スーシュ、アルデッツ、ミュスタイアの谷、ベルリン 

説明 (参考資料)  リンク
スピリ没後100年を記念して製作された。日本未公開。写真はDVDジャケットから。ハイジ役は公募で400人から選ばれた。ハイジがいくのはフランクフルトではなくベルリン。
インターネットを使ったり、髪を青くそめるハイジ、アメリカからやってきた携帯電話を使うペーターなどなど。もちろんクララの性格は「悪い」。現代的ハイジとはなにか、いろいろ興味深い。


題名  Heidi ハイジ

監督 :  Paul Marcusボール・マーカス  
出演 :  Emma Bolger エマ・ボマー(ハイジ)、Max Von Sydowマックス・フォン・シドー(おじいさん)、Samuel Friendサミュエル・フレンド(ペーター)
製作 : イギリス 2005年 104分

説明 (参考資料)  リンク
2006年夏日本公開予定 宣伝文「不朽の名作完全映画化! この感動に世界が涙する。」

ハイジ役の女の子の別映画として「イン・アメリカ」がある。

日本語版吹き替えはドラマ実写版「ちびまるこ」子役の森迫永依(もりさこえい)8歳が担当。


題名  Heidi ハイジ (日本未公開)

監督 :  Alain Gsponer  脚本 :  Petra Biondina Volpe
出演 :  Anuk Steffen(ハイジ)、Bruno Ganzブルーノ・ガンツ(おじいさん)、Quirin Agrippi(ペーター)
製作 :  ドイツ/スイス 2015年12月ドイツ公開 分

説明 (参考資料)  リンク
グラウビュンデンで撮影。ハイジ役(9歳)とペーター役(13歳)も地元から選ばれた。




総 評

 どれも面白いです。どこが面白いかというと、ハイジがいかに映画にしにくい作品か、よくわかるからです。映画目録(データ古いままです)
 ハイジ自身のキャラクターで言うと、どちらかというと陰気なキャラクターとして表現されることが多く、確認できた実写版には、一度も原作に忠実な黒髪ハイジが登場しません。(確認できました(^ ^;)) ストーリーも原作を無造作に変更するばかりです。

 たしかに五歳から八歳では適当な子役が見つからなくても仕方ないかもしれません。
 しかし天才子役シャリーテンプルならできたと思えるので、1937年版をきっちり作ってもらいたかったです。(無理とはわかっております)

 つまり、何度も作られているのにハイジの実写の決定版は存在しないわけで、ここに高畑ハイジが成功するスキマがあったと言えますし、高畑ハイジがどれほど困難なことを斬新な手法で成功させたか、その素晴らしさを再認識すべきです。

2003/3/2


 (おわび)

 実写映画部門を全面的に見直しました。
 従来の紹介は手を抜きすぎていました。まことに申し訳ありません。

 それにしても映画は奥が深く、娯楽サブカルチャーの王者で、調査はまだまだ不十分です。
 雑誌などへの露出も含めたら想像を絶した労力がかかってしまい、総括などは夢のまた夢です。
 どうか得意な方がおられたらご協力お願いいたします。

 それから上記で、実写の決定版は存在しないと書いていますが、スイス製作のテレビシリーズは力の入った作品で、これで高畑ハイジにかなり対抗できています。
 時期的にいって、高畑ハイジへの地元の意地を見せたような感じがしています??

 また、スイス観光局パンフレット「ハイジの国へようこそ」を大変参考にさせてもらいました。

2005/08/15