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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.361 利波偉さん

くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
夏向きの趣向詰 10手以下

くるくる展示室No.361 利波偉

さっぱりした初形で手数も一桁と、まさに夏向きの趣向詰です。

32銀では42玉と逃げられるので、それを塞ぐためにまずは42角。 同銀は32銀の一発ですから41玉と逃げる一手で、そこで51角成と捨てれば玉を2筋移動させることができます。

  42角、41玉、51角成、同玉、

角はもう1枚あるので、もう1回繰り返すことができますね。

  62角、61玉、71角成、同玉、

31の玉が71まで移動しました。 それで何が変わったって? そう、82が歩で塞がっています。 ということは。

  72銀 まで9手

はい、やっと狙いの頭銀が実現しました。

作者「久しぶりの1桁趣向詰です。 酷暑を吹き飛ばすべく、清涼詰に仕上げてみました。」

角の捨て送り趣向。 「L打−玉−L−同玉」型の捨て送り趣向は銀か桂で送ることが多く、角で送るのは珍しい。 といっても初めてではなく、いくつか前例があり、 くるくるおもちゃ箱のくるくるNo.104でも紹介しています(竹内雅彦さん、右図)。

竹内作は他に手はなく、形も盤面歩だけの左右対称と、いかにもくるくるらしい作りでした。 本作は角打も捨駒で4連続捨駒なのが主張点で、ちょっと緊張感があります。 駒数も少なく、詰上りも清涼詰と、夏向きの作品に仕立てあげました。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
角二枚で左辺に追いやり銀で仕留める所が面白い。
長谷繁蔵さん:
角3枚でも出来そう。
S.Kimuraさん:
角がもう1枚あれば端まで行けたのに・・

角合を発生させれば何回も繰り返すことができます。 くるくるNo.182棋譜ファイル)参照。

山下誠さん:
角打から成り捨て。手筋を2回繰り返す軽い趣向。
市橋宗士さん:
角を打ち、成り捨てる、これを2回繰り返す趣向性、
勿論、角打ちは守駒の銀の効きに打つ、
2一桂一枚だけで実戦的な配置に見えてしまう、
まさに、夏向けの「涼やかな」手順、堪能しました。
津久井康雄さん:
角の連続捨てが楽しい、トップバッターにピッタリの作品。
小山邦明さん:
74銀を54銀にすると余詰があるのですね。

54銀だと3手目74角以下の余詰。 3枚の銀桂がよく働いて余詰を防いでいます。

鳥本敦史さん:
ひらひらと角が舞う。
藤田卓志さん:
涼しい風に吹かれているようです。
早く涼しくなってほしいですね。
おかもとさん:
うん、これは夏向きでいいかも。
ぬさん:
5手目、離し打ちを考えてしまった。
占魚亭さん:
打って成り捨て、打って成り捨て。テンポがいい。
ハマGさん:
玉の横ばい
池田俊哉さん:
角のまたぎ捨て。 角がもっとあれば、と思わなくもない

大塚さん、古図式講座では「捨て送り」と名付けたんですが、「漫陀楽」では「またぎ捨て」と呼んでいますね。 どちらの方が認知度が高いのかな。

ところで、最近詰将棋年報の2016年版が発行されたので、改めて検索してみましたら、右図が見つかりました。 2016年7月の夕刊フジに掲載された関根茂九段の作品。

偶然の一致と思いますが、利波作は関根作とほぼ同じ構成で、類似作ですね。


くるくる展示室No.361 解答:15名 全員正解

  池田俊哉さん  市橋宗士さん  S.Kimuraさん  おかもとさん
  キリギリスさん  小山邦明さん  占魚亭さん  津久井康雄さん
  鳥本敦史さん  ぬさん  長谷繁蔵さん  ハマGさん
  藤田卓志さん  蛇塚の坂本さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。