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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.362 やよいさん

くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
双方持駒なし 10手台

くるくる展示室No.362 やよい

香2枚に挟まれて5筋しか動けない玉。 金を引いていく手が見えますが43には桂が利いています。 ほかに王手は、と考えると、ポツンと離れた95の馬が目につきます。

96馬と王手すると、受方は持駒なしなので逃げるか移動合するしかありません。 53玉は97馬、54玉、64馬まで。 63金は同馬、同桂、43金、41玉、42金まで。 ということで63桂と移動合してしのぐのが正解。 これで43への桂の利きが無くなったので、安心して42金と引けます。

  96馬、63桂、42金、53玉、

このまま43金、44金と引いていくのは56玉まで逃げられて失敗。 このときに備えて馬で99の銀を取りに行くのを思いつけるかどうかがポイントです。 そう、先ほどと同じように97馬、98馬と引いていけばいいですね。

  97馬、75桂、43金、54玉、
  98馬、87桂不成、44金、55玉、

99馬と取られたとき取り返せるように87桂不成と移動合します。 ここ87桂成や銀成では、99馬、56玉、66馬まで早い。

  99馬、同桂成、45金、56玉、
  65銀 まで17手

51の桂がなんと99まで4段跳ね。

作者「受方桂を4回跳ねさせるのが本来の狙いですが、馬〜桂〜金〜玉の順にいずれも4回直線に動くようにしました。」

受方桂の4段跳ねは、八代大橋宗桂の将棋大綱第7番をはじめとしてたくさん作られていますが、 ほとんどは途中で桂移動の方向が変わり、一直線に桂が4段跳ねするのは、 菅野哲郎さんの作品と本作の2作しかありません。 本作は更に徹底して桂だけではなく馬、金、玉もすべて一直線に4回移動、 受方桂の4段跳ねをもっともエレガントに表現した作品といえるでしょう。

もう1作の菅野哲郎さんの作品(詰パラ2015年10月)は、受方桂が一直線に4段跳ねするだけでなく、 詰方の桂も一直線に4段跳ねするという夢のような作品。 こちらも是非ご鑑賞ください。

棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
最初から最後まで桂合 9九に落ちて居る銀でトドメを刺す発想がユニーク
長谷繁蔵さん:
持駒なしの奥の手が有るので詰将棋は不滅です。
S.Kimuraさん:
3回移動合した後,桂馬はもう動かせないと思ったら,馬を取る手がありましたか.
山下誠さん:
馬と金を引くたびに同じ桂馬の移動合が現れる。並べて楽しい趣向。
津久井康雄さん:
この短手数で馬のスライド&桂の四段ハネが入るとはお見事。
小山邦明さん:
桂の4段跳ねのしくみがシンプルで楽しい。
鳥本敦史さん:
配置を見てまさかと思ったが桂四段跳を趣向で実現するとは。
おかもとさん:
馬引き+桂の四段跳ね。うまいですね。
ぬさん:
1段目の桂が9段目まで遠征。
占魚亭さん:
見事な受方桂の四段跳ね。好きだなぁ。
ハマGさん:
4拍子の好調な行進曲
池田俊哉さん:
馬-金引き+桂の四段跳び合。87桂成がきちんと割り切れているのが良い

くるくる展示室No.362 解答:13名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  おかもとさん  キリギリスさん
  小山邦明さん  占魚亭さん  津久井康雄さん  鳥本敦史さん
  ぬさん  長谷繁蔵さん  ハマGさん  蛇塚の坂本さん
  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。