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くるくる展示室 No.270 菅野哲郎さん 「佐渡金山」
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
受方の持駒は金1枚 90手台

くるくる展示室No.270 菅野哲郎「佐渡金山」

遠く離れた81歩が馬ノコの予感。 はたして36馬から馬ノコが始まります。

  36馬、17玉、35馬、27玉、45馬、17玉、

35馬に26金合が利きそうですが、同銀、28玉(同桂は同馬、28玉、27金)、37銀、同玉、36馬、28玉、27金まで。

27玉のとき、持駒に1歩あれば28歩と打って詰みそうです。 では、このまま馬ノコで81歩を取って戻ってくるのでしょうか。 いや、菅野さんの作品が普通の馬ノコだけというのは考えらえません。

前述の26金合の変化では、36馬と引いて詰んでいました。ということは、35馬のときはこれで詰みますが、離れて行って44馬とか53馬のときに26金合としても、この順では詰まないということ。 さて、どうなるのでしょうか。

  44馬26金合、同銀、28玉、27金、同玉、54馬、28玉、37銀、17玉、

取った金をすぐに27金と捨てるのが、馬ノコを続ける好手。 続いて37銀とすれば17玉の一手(取ると48銀から27金で簡単)で、また元の形にもどって、この10手で馬が一つ離れました。 単に逃げたら4手ですから、大幅に手数が延びますね。

仕組みが分かったところで、しばらくは馬ノコを楽しみましょう。

  53馬、26金合、同銀、28玉、27金、同玉、63馬、28玉、37銀、17玉、
  62馬、26金合、同銀、28玉、27金、同玉、72馬、28玉、37銀、17玉、
  71馬、26金合、同銀、28玉、27金、同玉、81馬、28玉、37銀、17玉、

ついに81歩奪取に成功。 この歩は28に打つしかなさそうですが、金合されていると打つチャンスがありません。 そこで、最初と同じで金合の利かない35馬型を目指して、再び馬ノコです!

  71馬、26金合、同銀、28玉、27金、同玉、72馬、28玉、37銀、17玉、
  62馬、26金合、同銀、28玉、27金、同玉、63馬、28玉、37銀、17玉、
  53馬、26金合、同銀、28玉、27金、同玉、54馬、28玉、37銀、17玉、
  44馬、26金合、同銀、28玉、27金、同玉、45馬、28玉、37銀、17玉、

ここまで近づければ一安心。 収束に入ります。

  35馬、27玉、28歩、37玉、48銀、28玉、37銀、同玉、
  36馬、28玉、27金 まで97手

菅野さんの合駒入り馬ノコは、くるくる展示室ではNo.222No.254に続いて3作目。 本作は合駒が金1枚だけで、合駒入り馬ノコとしては非常にすっきりした趣向です。

移動合による複式馬ノコはたくさん作られていますが、打合入りのノコはまだまだ新鮮。 馬ノコ以外も含めて、可能性が大きいジャンルだと思います。 作家のみなさん、ぜひ挑戦を。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
金合を挟む、こんな奇妙な馬鋸は見たことありません。
小山邦明さん:
81歩配置が馬ノコを連想させます。
嵐田保夫さん:
馬鋸に2六金合を成立させて延命させるあたりは流石の一言。
ぬさん:
普通に馬鋸して、全然手数が足りないので悩みました。
長谷繁蔵さん:
難しかったあ。千日手の不詰かとも思った。
歩を取った後も金合が成立するのですネー。
S.Kimuraさん:
「佐渡金山」で掘り出したのは,と金ではなくて,一歩千金の方でしょうか.
占魚亭さん:
一歩千金。
名無し名人さん:
手順はともかく不動の59龍が気になります。
隅の老人Bさん:
遠く離れた81歩、馬鋸は一瞥だが金合が入るとは!
収束はアッサリ、これも気が利いている。
池田俊哉さん:
逆王手を利用した金合含みの馬鋸往復。
37銀が捨て駒になっているのが良い味
秀和歌さん:
なるほど金が次々と発掘される訳ですね。軌道に乗るまで苦労しました。
やぶいりさん:
金のやり取りで命を延ばす。

くるくる展示室No.270 解答:13名 全員正解

  嵐田保夫さん  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  キリギリスさん  小山邦明さん
  隅の老人Bさん  占魚亭さん  名無し名人さん  ぬさん  長谷繁蔵さん
  秀和歌さん  やぶいりさん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。