本作、投稿図に不詰、早詰があったため走馬燈IIの発表が先になりました。
走馬燈IIは二枚の馬による回転追いでしたが、走馬燈は一枚の馬による回転追い。
といっても、久留島喜内の馬知恵の輪(くるくるNo.44参照)などこれまで作られている回転追いとは一味違います。
その構造を示したのが右の図。 主役の23角と85玉を除いて、詰方の駒の利きと受方の駒が配置(玉が行けないところ)に色を付けると、*の8角形のコースが見えてきます。
ユニークなのは太枠で示した馬の軌跡。 初手の67角成、62玉のときの84馬など、離れたところからの王手が入るのが特徴で、受方持駒なしがここで活用されています。
では、実際に並べて楽しみましょう。
67角成、84玉、94馬、73玉、83馬、62玉、
84馬、52玉、51馬、43玉、42馬、34玉、
52馬、35玉、25馬、46玉、36馬、57玉、
35馬、67玉、68馬、76玉、77馬、85玉、
これでちょうど1回転。 77馬で歩の入手に成功しました。 続けてお楽しみ。
67馬、84玉、94馬、73玉、83馬、62玉、
84馬、52玉、51馬、43玉、42馬、34玉、
52馬、35玉、25馬、46玉、36馬、57玉、
35馬、67玉、68馬、76玉、77歩、85玉、
先ほど取った歩を77に打って、76の逃げ道を封鎖します。 更にもう1回転。
67馬、84玉、94馬、73玉、83馬、62玉、
84馬、52玉、51馬、43玉、42馬、34玉、
52馬、35玉、25馬、46玉、36馬、57玉、
35馬、67玉、68馬 まで69手
ユニークな馬の回転追い。 77歩1枚で3回転もさせるシンプルな構成。
走馬燈IIと同様、キーとなる77歩打以外はすべて馬(角)の王手でまとめたのも好印象です。
馬回転追いの連作として、記憶に残る作品です。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 池田俊哉さん:
- 受方「持駒なし」ならではの馬の動きが楽しい。
- 凡骨生さん:
- 玉方77歩を攻方に替えるのに、この手数。詰将棋は良いですね。
- 上田大輔さん:
- 馬の回転によって7七の歩がくるっと回るんですね。おもしろい。
- 隅の老人Bさん:
- 馬の追いかけ方に妙味あり。
合をしたいが駒がない、情けないよと、王がぼやく。
- 占魚亭さん:
- 受方7七歩を攻方の歩にするカラクリ。さすがですねえ。
- 嵐田保夫さん:
- 7七歩をヒックリ返して詰ます辺りは憎い。
- S.Kimuraさん:
- 難しそうなので敬遠していましたが,馬で3周追い回したら詰ませることができました.
感動しました.
くるくるは長手数でも大丈夫。 解けなかった方もぜひ並べてお楽しみください。
- 長谷繁蔵さん:
- 3回転するとは思わなかった
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