新春くるくる二人展、掉尾を飾る作品は菅野さんの「走馬燈II」。
形から想像できるように馬の回転追いですが、本作はなんと二枚馬の回転追い。
馬の回転追いは久留島喜内の馬知恵の輪(くるくるNo.44参照)など昔から作られていますが、二枚の馬で追いかけるとなると、いったいどうなるのでしょうか。
二枚の馬の利きを除いて、玉が行けないところに色を塗ってみました。黄色のマスは詰方の利きがあるところ、水色のマスは玉方の駒のあるところです。
中央に風ぐるまのような塊りが見えますね。 玉はこの周囲にそって*のようにまわります。
二枚の馬の動きを+と#で示しました。 二枚の馬がきれいに分担していることがわかります。
回転のキーは25桂。 ここは#がついているように馬の通り道なので、1回転すると25桂が入手できます。 その桂を次の回転のとき37桂と打つと、3回転目には45に行けないので収束します。
25桂1枚の配置で3回転もさせるとは、シンプルでいいですね。
全体の構造を頭に入れたところで、手順を見ていきましょう。
42馬、62玉、
61馬、73玉、51馬上、74玉、83馬、85玉、
95馬、76玉、94馬引、66玉、77馬、57玉、
58馬、46玉、68馬引、45玉、36馬、34玉、
24馬、43玉、25馬上、53玉、42馬、62玉、
61馬、73玉、51馬上、74玉、83馬、85玉、
95馬、76玉、94馬引、66玉、77馬、57玉、
58馬、46玉、68馬引、45玉、37桂、34玉、
24馬、43玉、25馬上、53玉、42馬、62玉、
61馬、73玉、51馬上、74玉、83馬、85玉、
95馬、76玉、94馬引、66玉、77馬、57玉、
58馬、46玉、68馬引、37玉、
36馬、48玉、58馬寄 まで69手
二枚の馬に青と赤で色を付けてみました。 見てわかるように、37桂打を除いて、ずっと最後まで二枚の馬が交互に王手しています。
二枚の馬が協力して走馬燈を回す、双馬回転追い3回転のユニークな趣向詰でした。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 凡骨生さん:
- 正に双馬燈!巧いもんですなア。
- 長谷繁蔵さん:
- 夫婦馬
- ほいさん:
- 二枚の馬で追いかけるのは初めて見ました。まさにくるくる展示室。
- OOM TAKさん:
- 馬うぜーww
-
中澤照夫さん:
- 2枚馬による回転型馬追い。こんな馬追いも可能なのか。
- 大森常一さん:
- 二頭立ての馬車。何周したのかな。
- 嵐田保夫さん:
- これぞくるくる詰と言わずして何と言う。
- 井上順一さん:
- 2枚の馬の動きがすばらしい。
- 池田俊哉さん:
- 妙案76番、79番を合わせた感じ?とは言え表現は現代風
76番は往復型の二枚馬知恵の輪、79番が回転型の馬知恵の輪です。詰将棋博物館で鑑賞できます。
- 上田大輔さん:
- 2四の馬と3四の馬が、移動したマスの数を競っているのではないかと思い数えてみたら、67手目までが39―39で、最終手69手目で39―40となり3四の馬が1マス多いという結果になりました。けっこう均衡を保つものなんだなと驚き感心しました。
- kbnrkさん:
- くるくる回してる内に楽しく解けた。最後37玉と逃げられるのをうっかりしそうになったけど///
- 隅の老人Bさん:
- なるほどなぁと感心の馬追い。
宇治川の先陣争い、勝ったのは?
- 占魚亭さん:
- 玉を追いかけ双子の馬が楽しそうにぐるぐる廻る。
- 鈴木康夫さん:
- 「走馬灯II」とは良くぞ名付けたり。
IIは二作目という意味かもしれませんが、ダブルと解釈したいです。
- S.Kimuraさん:
- 取った桂馬をどこに打つのか少し悩みましたが,玉をぐるぐる追い回すのは楽しかったです.
- 渡辺さん:
- 61馬の発見の後は順調に一周するので、あとは桂の打ち場所を一周しながら探す。
私には丁度良い難度です。
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