本作、ドキ展80の兄弟ということで、比較してみると、1) 75歩が香になっている 2) 55桂が加わっている の2か所が異なっています。
主な配置は同じなので、73馬上、94玉、64飛など誘い手はほぼ共通。
いや、誘い手だけでなく、ドキ展80の手順もそのまま成立するのでは?
- 73馬上、94玉、95馬、同玉、96飛、84玉、86飛、85角合、
同飛、94玉、84飛、同玉、62角、94玉、95歩、83玉、73角成(馬) まで
実はこの順が、ドキ展80を知っている人を狙った、ちょっとマニアックな誘い手なのです。
そのキーは75歩が香になっていること。
これによって、62角のとき73歩という捨て合が可能になり、同角成、94玉で打歩詰。
同角不成と取っても最終手の73角成ができなくなるのでダメ。
ドキ展80では73歩合は二歩でできず、香合などでは同角成、94玉、95香までなので、62角で詰んでいたわけですね。
二つ並べて冷静に検討すれば73歩捨合の発見は難しくありませんが、実際に大道で出題されているとしたら、
「あっ、これはあの手順だ」と勘違いして手を出してしまいそうです。
55桂があるので、ドキ展79の筋もありそう?
- 74馬寄、94玉、85馬、83玉、73馬、同玉、63桂成、同桂、同飛成まで
いやいや、63桂成に83玉と逃げられますよ。
63桂成のところ63飛成でも、同桂、同桂成、83玉で 「惜しかったね」。
55桂を活かす方針は良かったのですが、86飛と上から攻めるのが正解でした。
86飛、94玉、85馬、83玉、74馬上、72玉、63桂成、61玉、
63桂成を同桂なら、同馬左、61玉、73桂、51玉(71玉は63馬まで)、56飛まで13手。
52成桂、71玉、82飛成(馬)、同金、同馬(飛成)、同玉、
83歩、92玉、82金 まで17手
ドキ展79、80、84と、僅かな配置の違いで全く異なる手順になるところが大道棋の魅力ですね。
それではみなさんの感想を。解答到着順です。
- 山下誠さん:
- 特に迷うところはなかった。
- 長谷繁蔵さん:
- 合駒してくれ! 収束は希望的作意。
今月はこれ一題でお願いします。
全国大会宜しくお願いします。
56飛迄13手詰解。 63桂成に61玉と逃げると17手なので、ちょっと正解にはしにくいですね。 惜しい。
7月14日はいよいよ大阪で詰将棋全国大会。
今年はどんな方とお会いできるか、楽しみにしています。
- 蛇塚の坂本さん:
- 大道棋のわりに最終8二の地点でバタバタするとは意外でした。
- 本間瑞生さん:
- 単純に追っていくと案外玉が狭いから捕まるということか
- S.Kimuraさん:
- 柿木将棋と詰将棋対戦しました.
初手にどちらの馬を動かしても詰まないことを確認した後,86飛にたどり着きましたが,7手目63桂成を発見することができず,自力で詰ますことはできませんでした.
- 津久井康雄さん:
- 82でバラすのがちょっと盲点でした。
- 小山邦明さん:
- ばらばらにする手順は実戦的。
- 占魚亭さん:
- 歩と香で大違い。 初手73馬上だと歩合がきくわけですね。
- Pathfinderさん:
- No.80の兄弟だが中身は大違い。 大駒の活用順番が難しい。
- 池田俊哉さん:
- 二枚馬をさばきたくなるが、86飛で合効かずの形になる。
63桂成が重い一手
- 嵐田保夫さん:
- 先入観は恐ろしい。 上手く幻惑わされた。
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