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2005 Z-2:2005年ホームページtc-pmt活動について


1) ホームページ(tc-pmt)の1年間(2004,3〜2005,2)を振り返って:

  昨年3月、晶析工学の発展を目指して共に活動してきた研究室卒業生とフリーな立場で「同門卒業生が独創的活動をする環境構築を目指した」新しい活動をするためのホームページを立ち上げた。このHP立ち上げの趣旨は2004年2月1日のtc-pmtに掲載した。卒業生はこの趣旨に賛同し、この1年間に25名が掲載記事を寄稿し、全体で64件の記事を掲載した。この記事はほぼ当初の方針通り奇数月には豊倉が、偶数月には卒業生が執筆した。その詳細は今年2月までに掲載された各記事を御覧頂くとして、以下にその概要を記述する。

   2004,3〜2005,1の奇数月に掲載した豊倉の記事は分類のA,BとZに分けて執筆した。
2004.A-1〜5と2005,A-1に豊倉が執筆したものは、世界に通用する工学系研究者・技術者の活動は如何に進めるべきかを、主に1970年代までに豊倉と関係を保ちながら行った日本晶析グループの研究活動等を思い出して書いた。その当時の晶析研究組織は化学工学協会に設置された晶析に関する研究会がスタートして日が浅く、また中心的の活動したグループの人達の心意気もフレッシュで若かった。そのためか、今考えても難しいと思われる晶析研究課題に対して冒険的な研究や活動を行った。このHPに掲載したそれらの記事は豊倉が幹事を務めて行った晶析研究グループの活動を纏めたもので、その主な内容は「工学系研究者・技術者の研究・活動哲学」、「日本における大学研究と技術開発」、「日本の晶析グループ組織化の過程と国際交流および日本の活動に対する国際的な評価」などに関するものである。その記述内容は国際的に評価された日本のオリジナルな研究と独創的な技術開発の成果を中心にしたもので、1960年代〜70年代における日本の晶析活動が世界に認められたベースになっている。その内容は晶析に限らず、これから新しい分野を立ち上げようとする研究者・技術者の参考になるところが多いと思う。この様な経過を経て国際的な評価が得られた晶析グループの最近の活動は既に研究された成果の延長上で発展させるものが多くなっており、1960〜70年代末に掛けて行ったような欧米先進国でも未だ研究されてないような独創的なアイデイアに基づいて行われた冒険的な研究は少ないような気がする。現在WCP代表を務めるUlrich教授は日本の晶析研究者の論文を読んで研究をよく考えたいと言っており、1980年にUCLでProf. J. Mullinから日本で抜本的にオリジナルな研究は何か尋ねられたことを思い出す。欧米先進国の晶析研究者・技術者が日本の活動に関心を持っていたのは、晶析では欧米にない研究が日本にあったためであった。このHPに掲載した日本の晶析グループの活動についての記事は、研究グループリーダーやこれからリーダーになると期待される人々が世界から評価されるグループの活動に対する新しい戦略や戦術の創生に参考にしていただけたらと期待する。

  2004A-2,1〜4,2005A-2,1 のA-2シリーズでは、上記A-1シリーズで記載された日本の晶析研究の具体例として、卒業生や日本の技術者と行ったと研究活動や成果を過去に学会誌等に掲載された論文を引用しながら紹介した。主な内容は1960年代から70年代のはじめに行われた晶析装置設計理論と2次核化現象に関する初期の研究です。これらは現在でも時々引用・討議されており、新しい研究や技術開発の進展に寄与している。

  2004B-1,1〜5 は最近では資料として余り目に触れなくなった20世紀前半に発表された晶析研究、技術を整理したものです。晶析に関する研究者・技術者の活動が学会の研究会等を通して組織的に行われるようになったのは1960年代末からで、それ以前はIECのAnnual ReviewsとかFaraday Societyその他のSymposium Seriesを個人的に調べるなどして、関心のある論文を孫引きしていた。そのようにして集めた資料を整理したものは化学工学のレビユー等に掲載されているが、さらにそれらを整理した20世紀前半の晶析工学基礎概念、晶析装置の状況をこのHPに掲載した。2005B-1,1では早稲田大学豊倉研究室で2次核化現象の研究を始めた経緯と研究テーマ選定の考え方および研究を進めたとき予想されたトラブルに対する対応策などを記述した。

  2004B-2,1〜4では豊倉研究室で検討した晶析操作に対する拡散単位操作の位置付け、および結晶成長速度に対して行った研究概要等を化学工学に発表した論文を引用して紹介した。また2005B-2,1では2005B-1,1で紹介した2次核化現象の研究で得られた研究成果とその意義を紹介した。ここで記述したA,Bの記事は晶析研究を始めてほぼ10年間に得られた成果を中心に紹介したものである。これは、それに引き続いて行われた研究を理解しやすくすると同時に、若い研究者が研究を始める時の参考になればと期待している。今月のホームページからは2年目に入り、HP発足時に予定した記事をこの1年間の経験に基づいて次のように一部修正する。


2) 2005年度ホームページ掲載記事の分類について:

  2004年のホームページに掲載した記事はA,B,Cの3分類であったが、このホームページを継続する上で方針の変更などを必要とすることなどがある。その変更その他のことで必要事項をこのホームページに関心のある方々に容易に理解して頂くために、分類A,B,Cの記事でカバー出来ない記事を掲載する分類項目として新たに分類Zを置くことにする。この分類Zは既に2005年1月に「 2004年のHPを振り返ってこれからを考える」を掲載したが、ここでは、その内容を再度検討して2005年3月から始まるHPの内容充実を図る。

  2004年3月に始めたHP(ホームページ)tc-pmtHPは、オリジナルな着想・展開による個性ある活動を容易にする環境構築を目的に、研究室卒業生の理解と協力を得て立ち上げた。そこで掲載した記事は上記1)に要約した通りであるが、それを実際に執筆すると、例えばA,Bの分類においても、境界が曖昧になることがあり、さらに記述を進めると書かれる内容は晶析や工学の範囲のみでなく、人間社会の多くの事柄に関係することも経験した。そこでA,B区分を再検討し、Aはどちらかと云えば狭義の晶析工学を中心とした科学、工学、科学技術から離れて教育・社会・国際問題等と関連のある広い観点で日本、世界の将来に関連のあるものを対象とする。また、その過程では過去の考え方や事実に触れることは必要だと思う。その記述内容は自由とするがその根底には、永続性のある建設的な発展を忘れないことにする。現実離れしたドラステイック意見・内容は歓迎するが、現状との調和を考え、提案される新しい環境への移行で軟着陸に対する配慮を示唆するように記述する。この分類でA-1に入るものは執筆者が平素考えているものやある時突然思いついたことなどです。それは、従来から広く認められている理論や思想でもそれが再認識されたものや、従来の考えではどうしての当面の課題を解決出来なくてそのために提案した新しい思想など、執筆者がこれは役立つと思ったものも対象にする。これは、執筆者が過去に経験したものは、若い人達の参考になるものが多く、大歓迎です。このA-1の内容に関連する資料やその資料の解説はA-2に分類して寄稿して下さい。それに対してBは晶析工学に焦点をおき、各執筆者がオリジナルな研究を如何なる着想で始め、それをかくかくしかじかの方針で進めてオリジナル成果をあげ、それが評価されて新理論の提出や新製品・新技術の開発などに貢献したことを示す記事を対象にする。具体的には、将来を担う研究者・技術者の参考になる裏話等を中心に書くB-1とその成果を発表した報文や解説記事の紹介を主にしたB-2より構成します。2004年に掲載された記事では、このA,Bの内容も、研究室卒業生が書いたものは分類Cで掲載した。しかし、今後は執筆者の判断で、A,B,Cのいずれかに分類して寄稿して下さい。無論昨年の同様の記述でも、また新しい内容で纏めた記述でも構いませんので時間のある時には是非執筆して、その記事をメールで豊倉まで送って下さい。なお、現在までに送られた卒業生からの記事を参考にしていただく場合 : 豊倉ホームページ URL: http://www.ne.jp/asahi/tc-pmt/t-chem/index.html を開き偶数月掲載C分類の記事を御覧下さい。

  豊倉が在職した研究室の研究テーマは晶析と関係しており、化学工学協会に「晶析に関する研究会」が設置された1969年4月以降続けた日本国内の晶析に関する研究会等の運営・活動には研究室所属の学生が協力した。そのような背景があって、豊倉研究室の卒業生は国内の晶析関連研究者や技術者と何らかの活動を一緒に行った経験がある。そこで、2005年度より晶析に関心ある研究者や技術者で豊倉のHPに関心のある方々にもこのHP(tc-pmt)に参加頂き晶析工学・技術の発展に務めようと思っている。寄稿頂く記事の分類は各執筆者の意向を尊重する。その原稿はHP掲載の前月15日までに豊倉にメールでお送り下さい。寄稿いただく記事の送付先メールアドレスは tc-pmt@tech.email.ne.jp です。寄稿に対する不明事項は何なりと上記アドレスにて豊倉までお問い合わせ下さい。本HPは私的なものですので無料ですが、原稿料もお払いしておりませんのでご了承下さい。昨年度掲載記事は、上記URLにて御覧頂けます。

3)2005年3月より12月までの掲載予定記事:

  昨年2月にホームページを立ち上げた時、全体のイメージを描くため暫定的に2年間の掲載予定記事をリストアップした。しかし、実際に記事を依頼し、執筆を続ける間にその内容は徐々に変わった。今回発刊満一年を経過したところで、分類、記事の内容を現状に合わせ、永続的に続け易いように一部修正する。これから新しく寄稿頂く卒業生等も徐々に増加し、掲載記事の内容も変わることが予想される。そこで、ここでは今年度に予定される記事について、各分類に従って記述する。

3・1)2005A-1&2,2〜 の記事について:
  今年からは何方が書いた記事でも上記分類2)に示した範疇に入るものはここに掲載する。豊倉が奇数月に執筆する記事2005A-1,2においては、2004Cに掲載した卒業生の記事を読んで豊倉が感じたことを記述する。2005A-1,3〜5は1999年の3月に早稲田大学を退職してから過ごして来た5年間を思い出してこれからの人生についての考えを書く予定です。豊倉と研究室で一緒に研究して来た卒業生の中にはそろそろ定年を迎える人も増えて来ており、人生90年の昨今を考えると60歳からの人生をどのように考えて過ごすかを皆さんと議論できたらと思います。2005A-2はA-1に関連のある論文や文献等の紹介やそれらの比較討議についての記事を掲載する。

3・2)2005B−1&2,2〜の記事について:
  
分類Bは晶析に関係する記事を対象にする。卒業生や晶析に関心のある方々が執筆する時、執筆者自身が関心のある話題について自由に記述する。豊倉は2005B−1&2-1に豊倉研究室で初めて2次核化現象の研究を始めた時の経緯と卒業生山添さんと研究した成果を論文に纏めたものを紹介した。豊倉研究室ではほぼ40年間晶析研究を続けて来たが、この間の中心的なテーマは晶析装置設計理論、それに基づく工業晶析装置・操作設計手法の確立、晶析装置設計に重要な影響を与える結晶成長速度、結晶核発生速度その他多くの晶析技術開発の柱になる研究を行った。これらの研究は相互に関係があり、現在でも完成の域にはほど遠いが、豊倉研究室で行った研究成果をそれなりに纏めて、「工業装置・操作の設計等に適用できるもの」と「今後の研究に期待するもの」にわけて整理する。本年は2004年のHPで扱ったCFC晶析装置設計理論に引き継いで、2次核発生速度に関する研究を今年度中に纏め予定である。

3・3)2005C&Zの記事について:
  2004C−1〜5および2005C−1に掲載した卒業生が執筆した記事の内容は幅広く、豊倉はその記事を読むのが一番の楽しみであった。2005Cー2〜においても前年度の方針を継続する。ここでは、本HPに既に掲載した卒業生の記事の継続性や、豊倉が紹介した論文の研究を行った卒業生などのことなどを配慮して、偶数月に卒業生に執筆頂くように依頼して来たが、これは今後も続けて行う。また、海外駐在から帰国した場合や転勤等の場合も近況報告を兼ねて執筆を依頼する。この外研究室の仲間や豊倉に知らせておこうと思ったことがあるときには是非HPに寄稿して欲しい。このHPに初めて記事を掲載する時には豊倉は原則として他年次の卒業生に執筆者を紹介しているが、執筆者本人からも卒業後の経歴等を差し支えない範囲で纏めて添付してメールで送って欲しい、それらは、これからの活躍で役立つこともあろうと思う。なお、上記2)に記述したが、卒業生等の記事もA,B に掲載して頂くようにした。ここでは、分類A,Bと分類Cとの間の区別は特に設けてないが、強いて言えば記事の長さが1ページ程度までの場合は分類Cでそれより長くなったらAまたはBと考えて下さい。寄稿記事の分類はそれをメールで豊倉に送付する時に申し出て下さい。

  2005Zの記事は今月で2度掲載することになるが、必要に応じて常時追加する予定です。この分類にも卒業生等からの提案を掲載しますので何時でも寄稿して欲しい。

2005年3月

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