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豊倉賢略歴 | apppendix | 新規掲載記事
2006C-6,8 簗瀬 操(新姓 荻田) 1996年大学院修士課程修了 (工学修士)
略歴 | |||
1996年 3月 | 早稲田大学大学院理工学研究科 応用科学専攻修士課程修了 | ||
1996年 4月〜 | プロクターアンドギャンブルファーイーストインク 生産統括本部スキンケアグループ | ||
1999年 9月〜 | 東京大学大学院新領域創成科学研究科 環境学専攻修士課程 | ||
2002年 1月〜 | いであ株式会社(旧国土環境株式会社)海外事業部 | ||
現在 | いであ株式会社 海外事業本部 研究員 |
「 環境コンサルタントのお仕事 」
拝啓 みなさまお元気でいらっしゃいますでしょうか。
豊倉先生は相変わらずのご活躍ぶりのようで、こちらもとても励まされる思いです。奥様もお元気そうでなによりです。
さて、研究室を出てからもう10年以上も経ってしまったのですね。
恥ずかしながら自分のニッチなキャリアパスを振り返りつつ、近況報告をさせていただきます。
研究室に入った頃からの目標は、環境分野の仕事をするということでした。応用化学を専攻し、豊倉・平沢研に入ったのもそのためでした。現在は、環境総合コンサルタントで働いていますので、目標はめでたく達成されたことになります。
ご存知のない方がほとんどだと思うので、現在勤めているいであ?がどういった会社か簡単に説明しますと、当社は気象・海洋を専門とする会社をもとに発展してきたコンサルティング会社で、大気・水質・土壌・生物等の現場調査とコンサルティング業務を一貫して行う、社員600名あまりの専門家集団です。この6月に建設コンサルタント会社と合併したので、現在は土木・防災などの専門家と共に働いています。全社的な顧客は主に、国土交通省、環境省、あとは民間会社となっていますが、私は海外事業部に所属しているので仕事はJICA(国際協力機構)かJBIC(国際協力銀行)、JETRO(日本貿易振興機構)などから受けます。業務としては、日本が途上国での開発援助を行うにあたって、例えば橋を作ったり、発電所を作ったりするわけですが、JICAなどがこれらの事業を実施する際に、我々はその事業がどれだけ周りの環境に影響を与えるかについて、調査やヒアリングを基に取りまとめ、事業を進める上でのアドバイスをします。必要なときは技術移転も行います。各国の環境法も理解しておく必要もあり、難解な法律用語を外国語で読み解くのはいつも一苦労です。最近は社会環境への影響もしっかりと見なくてはいけませんので、社会学的なことも考慮に入れなくてはいけません。科学的な視点と社会学的な知識、かつ語学力(英語だけとは限らないのが曲者)を必要とするやりがいのある仕事です。
この仕事の楽しいところは、通常だとなかなか行かれないような国で仕事が出来るところで、今までのところクウェートやキルギスなどが面白かったです。食べ物もおいしく人がにこやかでどちらも出張先としてはなかなか良いところです。あとは、アジアではタイやフィリピンなどでもたくさんおいしいものを食べました(もちろん仕事もしましたヨ)が、ロンドン条約という海洋投棄防止のための国際条約の会議に出席するために3度訪れたロンドンは、アルカイダが騒いでいた頃でもあったので、今でも私にとっては鬼門です(食べ物もいまいちですし・・・)。皆様の中にも海外出張に出られる方が多いと思いますが、テロで色々と出張事情も変わってきましたね。時々心臓に悪いときもあります。
現在の会社に入るまでの間に、3年間外資系メーカーに所属し、その後2年間は東大で環境学を勉強しなおしました。外資系メーカーは、環境をやるならまずは資本主義を肌で学び、かつ入社すぐに途上国で仕事をさせてもらえるところへ、ということで選んだのですが、さすがに社内研修制度なども充実していましたし、なにより集まっている人材がみな個性豊かで楽しい人たちばかりでしたので、それが今でもなによりの財産となっています。ちなみに、仕事はアジア全域の化粧品製造ラインの立上げに係る技術移転で、プロセスエンジニアとして中国、タイ、滋賀の工場での一斉ライン立上げの工程管理を現地職員と協働しながら行いました。この頃は全身からバリバリと音がしていたかもしれません。私の歴史上最も仕事をしていた時代です(今はそんな音は全然しません(笑))。
東大の大学院も、環境を軸にいろんな分野出身の学生や社会人が集まって切磋琢磨しあう研究科でした。今もそれぞれが、土木、農学、経済界、医療などの世界で頑張っており、たまに会うと興味深い業界話が聞けて大変刺激になります。
戦争やテロなどで相変わらず物騒な世の中ではありますが、各国で色々な人と語り触れていると、考え方の差よりも、人間としての共通点の方が多いことを、当たり前のことではありますが実感することが出来ます。皆、おいしいものを食べて、家族を愛し、自分にプライドを持って、健康と笑顔と共に暮らしたい人間なのだなと。本当に当たり前のことなのですが、自分たちの間の差よりもこれらの共通点にもっともっと焦点をあてて仕事をしていけたらなと感じている今日この頃です。
この10年は海外をふらふらとしていただけの様でありますが、ついこの6月に人生のパートナーを得ました。東大時代の同級生で、私と同じようにコンサルタントをしております(分野は交通・観光ですが)。バンクーバーにて親族のみで式を挙げ、ようやく最近新居が落ち着いてきたというところです。
35歳となり人生的にも一区切りついた気がしているので、ここしばらくは家族を大切にしつつ、新たなる飛躍にむけて五感を研ぎ澄ませる充電期間としようかな、と思っております。
先生はじめ研究室の皆様にも、お会いできる機会があればぜひ参加したいと思いますので、イベント等ありましたらぜひお声をお掛けください。馳せ参じます。
豊倉先生はじめ、みなさまのご活躍をこころよりお祈りしております。
敬具
簗瀬 操 (新姓 荻田(おぎた))
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