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2006C-3,6 金子正吾 2003年大学院博士課程修了 (工学博士)
略歴 | |||
2003年 3月 | 博士後期課程 修了 | ||
2003年 4月 | 住友化学工業(株)(現;住友化学(株)) 入社 愛媛工場 配属 |
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現在に至る |
豊倉・平沢研究室をご卒業された皆様、ならびに在籍中の皆様、こんにちは。先日、豊倉先生より、研究室HPへの執筆依頼を頂戴しましたので、私の近況について報告させていただきます。
入社して現在まで、私は製造技術者として、ものづくりに携わる仕事をしてきました。業務は、プロセス合理化・製造条件の最適化・プラントオペレーションの効率化など様々です。
現在は特に、少人化しても現在の生産量を確保することで、一人当たりの生産性を上げる「生産体制革新」プロジェクトに従事しています。その背景は、2007年問題として社会的にもクローズアップされているベテラン層の大量定年が始まったことにあります。また、長期的な視野に立っても、少子化により労働者人口が今後減っていく日本の製造業にとっては避けられない命題でもあります。直接、化学工学の知識を駆使しているわけではありませんが、現象を把握し、モデル化した上でソリューションを導くなど、まさに研究室で学んだPMTの考え方を実践しながら、製造現場(ものづくり)を原点としたメーカーのあるべき姿を実現できるよう、チャレンジしております。
現在の業務を通じて私が感じたことですが、中国・管子の言葉に、「一年之計 真如樹穀、 十年之計 莫如樹木、 終身之計 真如樹人(=一年の計を立てるなら穀物を植えるがよい。十年の計を立てるなら樹木を植えるがよい。終身の計を立てるなら人物を育てるのが最もよい)」があります。元々、国家戦略について言及したものですが、似たようなことが、日本の製造業の将来についても言えるのではないかと思います。短期的なメリットを追求するのであれば、安価な原料(=Material)の調達や新しい設備(=Machine)を導入すればよい。真の持続的成長を遂げるためには、競争力のある生産技術(=Method)の開発やプラントオペレーションに強い人間(=Man)の育成が不可欠なのだと。中国をはじめとするアジアの台頭が著しい今日、日本の製造業が将来に渡って世界をリードしつづけるための戦略がここに隠されているのではないか、そう感じています。
最後になりましたが、今回このような人財交流の場を提供していただいた豊倉先生の研究室HPの趣旨そのものが、まさに「終身之計 真如樹人」ではないかと気づかされたことを記して筆を置きたいと思います。
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