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豊倉賢略歴 | apppendix | 新規掲載記事
2006C-3,3 楢原英夫 1990年大学院修士課程修了 (工学修士)
略歴 | |||
1990年 3月 | 早稲田大学大学院博士課程前期 修了 | ||
1990年 4月 | 住友化学株式会社入社、大分工場に配属(バルク製品、香料、農薬、医薬中間体などの製造技術担当) | ||
1998年 秋 | 生産技術センターに異動(農薬、触媒製造、バルク製品などの工業化研究担当) |
「 豊倉研究室の門下生としてのプレッシャー 」
私は学部の時には冷却晶析、発汗操作による高純度化を、また修士課程では高圧晶析を研究していました(とは言っても、ここだけの話ですが夏休みには長い休みをいただいて日本中をバイクで走り回っていましたが...)
入社してから困ったのは、晶析が関与する問題に直面したときに、「おまえは豊倉先生の門下生だろ? 何とかしなさい」と言われ、意地でも何とかして課題解決しなければならないというプレッシャーをかけられたことです。その都度、”あぁ、バイクで走り回るよりもう少し真面目に勉強しておけばよかった”と反省ばかり。
例えば、香料Cは冷却晶析で製造していましたが、伝熱面に著しいスケーリングが発生し、そのために冷却時間が計画の二倍なっていました。これを何とかしろというのです! 在学中にはこのような技は習得していませんでしたが、晶析原液を減圧、沸騰させ、その蒸発潜熱によって冷却する方法を開発し、計画値を達成することができました。
また農薬Aも冷却晶析で製造していましたが、今度は製品中に含まれる微量不純物が品質規格ギリギリだったので「おまえは豊倉先生の門下生だろ? 何とかしなさい」と言われ、これまたプレッシャーをかけられました。まず、粒径分布の経時変化を調べたところ、二次核と思われる微結晶が冷却中に増加していることが分かったので、冷却速度を変化させてみたところ、セオリー通り、二次核発生を抑制することができましたが、これでは生産性が下がってしまいます。そこで、晶析原液を冷却し(二次核も大量に発生します)、これを昇温することで微小結晶を優先的に溶解させるという操作を数回繰り返すことで粒径分布が整い、微量不純物を低減させることができました。
これら課題では何とか切り抜けることができましたが、「豊倉先生の門下生」というだけでプレッシャーをかけられてしまうので、最近では社内ではバレないようにしています... 晶析操作を伴うプロセスは非常に多く、また晶析操作は製品の純度を決定する上で極めて重要な位置付けをされていることが多いため、先生から教わった「pmt」というフィロソフィーを活かして、今後の技術検討を行っていきたいです。
さて、お恥ずかしながらこのtc-pmtを最近初めて拝見いたしました。我が家にパソコンが来てまだ2年の初心者ですが、私の場合、”同じホームページを定期的に見に行く”というのは、かなりのモチベーションが無いと継続しないようです。そこで提案ですが、tc-pmtが更新、記事が追加されたら、タイトル、執筆者、本文(全文または一部)などの情報を、メールニュースのような形でも発信するというのはいかがでしょうか? この方式だと読者サイドは未読ページが溜まらず、私のような面倒くさがりな性格の者には読みやすくなるのですが... この会の運営を何もお手伝いしていないのにこのような発言をして申し訳ございませんが、一度お考えいただければ幸甚です。
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