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2006C-1,3 一木 晃 1993年大学院修士課程修了  (工学修士)

 
  一木さんの略歴は本文中にも記述されていますのでお分かりと思いますが、入社して10余年、企業の実体・企業研究の有るべき姿をよくわきまえてこの記事を書いていると感じました。はじめに毎日の仕事の難しさを書いてますが、卒業生の中にはここに書かれたような事を乗り越えて自分の会社の発展に貢献された経験を持っている方が大勢いると思います。是非一木さんを応援して力付け下さい。参考になりそうなことをアドバイスして上げて下さい。この記事を読んだら先輩の卒業生は一木さんの人柄は良くお分かりと思いますが、本当に真面目で、辛抱強い頑張り屋です。私、一木さんの学生時代から彼の将来を期待して富士写真フィルム社に推薦しました。今回寄稿した記事を読んで一木さんの将来に対する期待を益々大きくしてます。また、後輩へのメッセージを後半に書いていますが、これは、一木さんが経験したことを書いたもので、豊倉も知らず知らずのその通りと思いながら読んでしまいました。経験豊富な先輩の卒業生も難しい仕事にぶつかるとつい弱気になることはありませんか?私も年を取ると気を引き締めていないと知らず知らずに弱気になるような気がして、昔だったら徹夜しても頑張ったのに思うことがあります。今回は一木さんの記事を読んで豊倉も5歳以上若返った気がしました。若い後輩の卒業生は一木さんのメッセージを謙虚な気持ちで読んで下さい。 (2006年1月 豊倉記)

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(一木 晃)

「近況報告」と「後輩の皆さんへ」

○卒業後の略歴
1993/4 富士写真フィルム入社
足柄工場製造部技術課配属
(昨年、工場の名称が足柄工場→神奈川工場になりましたが、職場は同じ)
現在に至る

 93年修士卒業の一木(いちき)と申します。
豊倉先生、平沢先生、そして横田先生はじめ、お世話になった皆様方 大変ご無沙汰しております。豊倉先生から執筆の機会を頂き、卒業後の近況を報告させて頂きます。

 私はバブル期の終わり頃に卒業し、早くも丸12年が過ぎました。入社して以降会社が、大きくはデジタル化の波にさらされ、ここ4〜5年になってやっと?大きく変わってきた、また自分達が変わらなければいけないと、もがいている状況を少しお伝えしようと思います。

 まずやっている仕事の紹介ですが、私が所属している製造部では白黒感光材料の塗布を行っています。白黒感材といってもカメラで撮影するフィルムは数量が小さく、ほとんどは業務用です。例えば印刷の刷版をつくるのに使用される製版用フィルムや、プリント基板の露光マスクとして使用するフォトマスクフィルムなどが製造のメインとなります。カラーネガフィルムがデジカメに取って代わられ数量が減っているのは周知のことと思いますが、業務用フィルムも例外ではありません。ダイレクトに刷版やプリント基板に露光するシステムが台頭してきており、フィルムの数量は減っています(但し、この置き換っていくダイレクトイメージシステムでも生き残っていこうとはしています)。そこで、儲け頭のフィルムの数量が減っているため会社としては新規事業に参入しようと手を広げて検討してきています。が、やはり新規に参入するのは難しく、また変化が激しく先がなかなか見えない中で大変なようです(これは「研究所」でメインに検討)。

 もう一方で(以降が自分達「製造部」がやっていることですが)既存の設備を使って何かできないかという見直し、アイデア出しをしています。つまり、やはり自分の得意とする分野で勝負する必要性が再度認識されてきているのだと思います。これは私達にとって大きな変化でした。これまで「製造部」では「研究所」がつくった処方をスケールアップしたり、製造ラインにのせることをやっていました(どちらかというと受身的)が、現在では設備を活用するため自分達でつくるものを探して、また付加価値をつけるために技術力を磨いていく動きになっています(どこでもできるものを自社工場でつくっていたのではコストが高く生産がなりたちません…)。今後、どれだけ経費、人件費の削減に見合った技術の開発を行い、開発効果が発揮できるか真に問われてくると思います。ただし、新しいものをつくる…といっても、こちらもなかなか容易ではありません。

 今までは感材という狭い世界で深く研究をし、EKだけを見ていればよかったですが、今後はもっと外に目を向ける必要があります。そこで研究室出身の皆様へお願いですが、現在も行っていますが今後の外に目を向けた活動の中で、折にふれ情報入手(交換)させて頂きたいと考えています。そのときはよろしくお願い致します。

 以降は(主に学生の)後輩達へ、私が入社してこれまで感じていることをメッセージとして書きます。(よく聞く話かも知れませんが、自分の言葉で書いてみます)

@会社を上手に利用しよう
 会社の組織力、購買力…はやはりすごいです。今までの仕事でもはじめは「これはちょっと無理かな」と思ってもできなかったことはないのです。たいていの無理は通ってしまいます。自分のやりたいことが会社の方向とあっていれば無敵です。が、そうでなくても変化が激しい中なので、いろいろなことをやれる可能性は多いと思います。会社の力を利用してぜひやりたいことをやりましょう。(人それぞれですが、億という金を使うことにやりがいを感じている人もいたりします)。

A新たな価値を見出そう
 今までやっていたとか、先輩がやっているから…ではなく、それがルーチンワークであっても、今やっていることにどんな価値があるかよく考えましょう。それを強く認識することで誇りをもってやれるようになると思います。そして更に一歩進めて、新たな価値を見つけ、付加できるようになれればすばらしいですよね。突飛なすばらしいアイデアや、「ねた」はめったになく、たぶん小さくな発見の積み重ねなのだと思いますが…。
(これは先生方からも研究室でよく言われました)

B目標は120%で
 目標は、やらなければいけない数値に20%上乗せして、設定しましょう。進めていくと、予測できなかった障害や、うまくいかないことが出てくるものです。どんどん目減りしていくのが常なので目標は20%高いほうがよいです。

 例えばコストを50%削減しなければいけないとしたら、目標は60%削減にする。

 きっと元々の50%もチャレンジングだと思うのでこれを60%にするのはかなり厳しいと思います。でも楽なほうに流れず、100%を達成するため、120%を目指しましょう。(120%というのは私の独断で、もっと革新的に200%や、やらなくていい方法を考えるんだ…という声も聞こえてきそうですが)

最後に、
Cできると思って…よく考えよう
 思いは実現する…なんてとても言えませんが、言えるのは「できないと思ったらできない」ということです。皆さんは入社して、きっと大きな仕事を任されると思います。大人数でやるプロジェクトかもしれません、また先輩上司がはじめのうちは見守ってくれるかもしれません。でもその仕事を一番よく知る(知っている)のは、担当する自分であり、自分ができると思うところまでしかできません。何かはじめるとき「こんなのできないよ」という仲間もいると思います。そんな人はほっておいて、できると思って…よく考えましょう。

 きっと自分にしかできない成果(結果)がでているはずです。

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