Home | ホームページ設立の趣旨 | 掲載予定の記事について
豊倉賢略歴
| apppendix | 新規掲載記事


2005C-5,6  豊倉裕子 「 モンブラン山群を歩いて 」


 1980年初めて欧州を旅した時は、スイスは三大北壁(アイガー、マッターホルン、グランドジョラス)だけは見て来ようと思って行きました。新田次郎の小説をよく読んでいたので、三大北壁は勿論、モンテローザ、ドリューの山々を目の前にした時の感激は忘れません。幸いなことに、その後の20年の間に度々訪欧の機会を持ち学会や企業の方達も何度か山にもご案内しました。1999年には長年の夢かなってマッターホルンのヘルンリ小屋、ゴルナー氷河を渡ってモンテローザ小屋まで行かれたことは、私の生涯でもっともうれしいことでした。モンブラン山群はヴェルト針峯、シャモニー針峯など、アイガーやユングフラウのあるオーバーベルナーランドやマッターホルンのあるヴァリスとは全く違う針峯どころか鋭いのこぎりの歯の連なる山系で、人間を拒絶しているかのように見えます。その中で只一つモンブランだけがアイスクリームのように輝いているのです。1980年に運良く晴れたミデイ針峯の展望台からモンブランとグランドジョラス北壁を目の前に見て降りて来ただけなので、今回は是非歩いてみたいと思い出かけました。資料も大部調べ、9月半ば過ぎという時期とシルバーカップルと考えると余り無理も出来ないし、そうかと言ってッァーの人達の歩くハイキングコースもつまらない、山小屋にも1泊したいし、モンブラン登山コースも途中まででいいから歩きたい、マッターホルンは北壁登はん基地まで行かれたのだから、などあれこれ考え鵜池さんに依頼しました。シャモニーはフランスでスイスと全く事情が違い9月になると閉めてしまう山のホテルや山小屋が多いみたいで返事が来ないということでした。ドレスデンでProf & Mrs Ulrich、 Prof & Mrs Garside、Prof &Mrs Rousseauの他皆さんにこれからシャモニーで山に登るからと別れて現地に入ったら事情が好転し、快晴の青空にモンブランが輝いていました。この後は鵜池さんの書かれた通りです。ピッケル、アイゼン、ザイルを背負った山男達と一緒に土のない石と瓦礫ばかりの斜面を歩けただけで満足でした。




夕日に染まるドリュ(右)とヴェルト、下の岩の上に立っている人は鵜池さんです。


 ラックブランは20数年前に見た1枚の写真、山に囲まれた小さな湖とそこに建つ避難小屋が何とも風情があり、ここは何処だろういつか行ってみたいと思っていました。真正面に夕日に染まるドリュー、シャモニー針峯、モンブラン、また夕日、朝日をあびて湖面に映る山々の美しさは言葉にならないものです。山小屋に泊まってこそ見られる景色です。私の夢に協力してくださった鵜池さんに感謝いたします。私は月に1回山歩きをして鍛えています。昨年は丹沢の大倉尾根も表尾根、八ヶ岳も登っていますが、豊倉の年齢を考えるとスイスの山も最後かなと思っています。写真も1999年以後。いっさい撮らないことにしていたのですが今度は初めてさわるデジカメとやらで撮ったので気に入らないのですが、数枚載せさせていただきます。

※鵜池さんの文中の写真はラックブランの山小屋の夕食時でイギリス ドイツ スペイン フィンランドからの山男(女)達です。



シャモニーのホテルの窓から見た夕方のモンブランです。



モンブラン登頂を果たして降りて行く山男達



朝日の当たり始めたラックブラン モンブランは右側の雲の中

top

Home | ホームページ設立の趣旨 | 掲載予定の記事について
豊倉賢略歴
| apppendix | 新規掲載記事