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2005C-4,1 岡本和男 1963年学部卒 (工学士)

 
  岡本さんは、今年4月に定年退職後の充実した生活等を「私のサンデー毎日(1)」としてHPに掲載して頂いて以降、6月に「私のサンデー毎日(2)」を書いて頂き、今回は「シリーズ(3)」を書いて下さいました。私も定年退職したら、自由奔放に生活してみたいとか、色々考えたことはありましたが、なかなか思うように人生を送ることは出来ないものだと当然のことを感じている毎日です。最初岡本さんの最近の生活を伺って「 素晴らしい毎日を送って居られるな」と思い、これを暫く続けて頂くと参考にして新しい人生設計をされる卒業生がだんだん増えてくるのでないかと思いました。そして、今では私もその続き読むのを楽しみにしてます。 (05年7月 豊倉記)


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(岡本 和男)

私のサンデー毎日(3)

 5月の後半12日間、カミさんとスペインへ旅行してきました。豊倉先生からそのときの旅行情報を書くように言われ、どれほど役に立つかは分かりませんが、今日は予定を変えて、それをおしゃべりすることにします。

 私は退職後、蓄えがなくなるまでは、年1回は海外へカミさんと出かけることにしようと決めて、数年前はイタリア北・中部に行ったので、昨年はオリンピック前のギリシアにしました。いずれも旅行会社のパック旅行で、申し込むだけで連れて行ってもらえる気安さがあります。身体がまだ丈夫なうちに遠いところへ行っておこうと思っています。今回もアムス経由でマドリッドに入りましたが、乗換えを含めて17時間近く、狭いエコノミー席でじっとしているのはかなり苦痛です。一番後ろのトイレに行くたびに、そのドア近くの少ないスペースで、誰かが必ずストレッチをやっていました。今回は少し空いていましたが、昨年は満席で、それだけで疲れてしまう気がします。

 入出国審査の書類記入が無くなったのはよいのですが、最近搭乗時には刃物持込は一切だめで、昨年は昔から持っていたカード型の小さなヤスリ、ドライバ、ナイフの入ったものをカバンに入れたまま忘れていて、ドイツで乗換時に取り上げられてしまいました。今年はライターも機内持込み禁止と聞き、全てトランクにしまいましたが、これはアメリカ方面のみで、欧州はOKでした。今回のロンドン同時多発テロ以降は、これも変ったかも知れません。安全といえば、イタリア、スペインは屈指の盗難危険地帯です。ほとんどの観光客が何らかの危険経験を持っているようです。

 今回は同じ団体の人が盗難に遭ってしまいました。最後の二日日程の木曜日、バルセロナのホテルに着いて、長いバス旅行もこれで終わりというのでほっとしてバスを降り、32人の最初の方で降りた女性が広いロビーの真ん中にあるソファーに、肩にかけた2つの手提げバッグと共に腰を下ろし、仲良くなった人と話し始めた時、すぐ脇のソファーに席をつめようとしたら、肩から下ろしたバッグの一つが消えており、周りにいた4人の人達も何が起こったのか分からない状態でした。私達はバスを最後の方で降りたため、バッグがなくなったと騒ぎ始めた時にロビーに入っていったので、事情が分かるまで少し時間がかかりました。添乗員はフロントで到着の手続きをしており、皆が騒ぎ始めるまで5分以上かかり、何人かが外へ盗人を追いかけたのはその後のため、全く手掛かりは見付けられませんでした。

 バッグにはパスポート、クレジットカード、現金35万円相当が入っていて、一瞬の内に失ったことになります。盗人は2−3人組で外に駆け出して行ったのを客の一人が見ていました。どうやら、ホテルで日本の団体客を前もって知り、待ち構えていて、ソファーに腰掛けた後ろに一人がそっと近寄り、あっという間にバッグを抜取って出口へ走り、少し離れて女と携帯をかけている振りをして見張っていたリーダー役もすぐに出口へ向かった様だというのです。添乗員も途方に暮れていましたが、すぐにカードの使用無効の手続きをしましょうと、女性を促しました。彼女は亡くなったパイロットの後家さんでブランド物を身にまとい、旅慣れた人だったので、本人は自分が盗難に遭った当人になるなんて、とひどく悔しがっていました。ちょうどバルセロナに向かっていた車中で、添乗員がいろいろの例を挙げて盗難に気を付けるようかなり長時間しゃべっていた後のことで、悔しさはなおさらです。翌日のガウディ見学をパスして添乗員と彼女は警察と日本領事館に行き、盗難届けをして、出国証明を発行してもらい、何とかわれわれと一緒の土曜午後の出国に、間に合わせることができました。この土曜午前中は自由行動で、私達はタクシーでピカソ美術館を往復したのですが、驚いたことに、別々にホテルから散歩に出た2組のカップルは並木道で緑色の液を服にかけられたり、近付いてきた女が突然「キャー」と悲鳴を上げられたりして、気をそらした隙に手荷物を奪われるという手口に遭遇し、すぐ気付いて走り、ホテルに逃込んで難を逃れました。どうやら、一昨日のバッグ抜取り成功が忽ちのうちに知れ渡り、ジプシー共が狙いをつけてきた様です。

 ここのホテルは客室の支度が未だだったり、ツインのはずがダブルベッド1つのみの客室であったりとひどいもので、とてもAクラスとは言えませんでした。ジプシーはホテルの従業員と何か関係を持っているのではないかとまで、勘ぐりたくなります。ホテルの名はSENATOR。FCバルセロナのホームスタジアムや大学地区のそばにあります。盗まれた彼女には落度はなかったと思います。僅かの油断とスポーティながらブランド品でかためた姿が落度といえば言えます。私もセビリャの近く、カディスの田舎ホテルではロビーのテーブルの上にかばんを置いたまま、ロビー内を見て回っていた時、他の人から注意されたことがありましたが、盗まれるのはその土地の環境と運といえましょう。

 さて来年は、すばしっこい人の多い石の文化ではなく、鈍ですが落ち着いた木の文化の北の方にしようかなと、思案しているところです。


岡本 和男
〒270-1132 千葉県我孫子市湖北台5-15-17
Mail Address: kaz_.okamoto@nifty.com

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