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2005C−2,7 菊地 道 1985年大学院修士課程修了  (工学修士)


  菊地さんが早稲田大学大学院前期課程(修士課程)を修了した年は、東京で化学工学世界会議を開催する前年で、晶析分野の第1人者を世界各地から来日する準備を始めていて、研究室全体が新鮮な活気にあふれた時代であった。その時の研究室学生は、単に各自の研究テーマについて研究するだけではなく、幅広く種々のことを考え、それらを討議して如何に国際化を発展させようか務めていた。その中にあって、菊地さんは何時もハッキリした自分の考えを持ち、それによって物事を広くよく考えて発言し、責任もって行動する頼もしい学生であった。大学院を修了してからのことは今回のHP記事「卒業から今」に記述されているが、出光興産(株)中央研究所に配属になり、9年間技術者としての仕事をし、その上で考えを持って同社の経理部に転勤した。その詳細は本HPをご覧いただきたく、学生時代の菊地さんはさらに大きくなっていることを感じた。私が退職した時出版した「C−PMT」にも“スタッフの視点から見たPMT”を記述したが、今回の記事と繋げて読むと菊地さんが順調に大きくなっていく様子が目に見えるような気がする。今回の記事の最後にも“言い訳のための「グローバル・スタンダード」、反発を買わないための「グローバル・スタンダード」の乱発は、経営を誤らせることになりはしないでしょうか?”と書いてますが、将来を背負う卒業生には難局に対して逃げることなくお互いに力を合わせて、定かでない将来の目標を注意深く考えながら世の中をリードして頂きたいと思います。

                           (05、3 豊倉記)

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(菊地 道)

「卒業から今」

 豊倉研究室を卒業し、出光興産M中央研究所でエネルギー関係の新しいプロセスの開発に従事した9年間、大方の諸先輩同様のエンジニアとして経験を積ませて頂きました。

 当時の出光興産Mでは、時々社内の販売部門や間接部門の人と共に同じ社内研修を連続して数週間に渡って受講する機会があり、今振り返ればこれが後のキャリアの転機につながったと思います。というのも、技術系の職場でプロセス/プラント関係の設計、建設、運転、FS等の経験をより先々の経験に生かすという道もありましたが、大局的に会社経営を観たいという意識が芽生えたからです。結果として出光興産M経理部に転勤となりました。ここでの1年間は、会計の基礎を覚えた時期でした。

 その後、金沢支店においては間接部門担当1名ということで経理業務の他、総務的案件も処理しました。ここでは、販売支店という比較的小さな所帯ではありましたが、それが故に会社組織をよく観ることができました。担当業務の異なる社員の人間関係であるとか、陽に陰に日常業務等、4年間経験を積ませてもらいました。その後、本社経理部において財務管理セクションに所属、ここではバランスシート、キャッシュフロー等々、会社管理の手法を財務管理の面で修得することができました。

 2年後、平成13年に出光興産Mよりプロパンガス等のガス体エネルギーを取り扱う出光ガスアンドライフMが分社設立され、ここに財務担当として所属し現在に至っています。財務担当は1名でかなりハードな日々ですが、以前の経験を活かし組織経営のキャリアを積みつつあります。技術系から社内転職して11年になりますが、特に私の経験から後輩の皆さんに言えることは、先ず何らかのスペシャリストになること。そのためには自分から勉強しなければなりません。ルーティン・ワークだけこなしていてはスペシャリストとは認めてもらえません。昨今、技術系でも会社経営や組織マネジメントの能力が求められ、日本においても技術系のトップが多くなってきました。私自身もトップとまでは言いませんが、組織マネジメントに必要なスキル、キャリアを積むべく、日々努力しています。

最後に、「グローバル・スタンダード」という言葉が社会・経済の様々な分野で席捲していますが、この言葉だけに踊らされている傾向があるように思います。各国、各企業の組織運営の長所、またその国その業界における商慣行の長所を取り入れながら、日本固有の会社経営のあり方を追求する努力が企業人に要求されることであると理解しています。言い訳のための「グローバル・スタンダード」、反発を買わないための「グローバル・スタンダード」の乱発は、経営を誤らせることになりはしないでしょうか?




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