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2004 Cム2,2:水野隆夫 2000年大学院修士課程修了  (工学修士)



  水野さんは私が早稲田大学で世話した最終年度の卒業生で、修士学位を取得後住友化学工業愛媛工場に勤務しています。先日他大学の博士課程で晶析研究を纏めて工学博士になり現在住友化学工業に勤務している人に会ったら、水野さんは非常に優秀ですねと云われて私は喜んでいます。 水野さんが修士論文で研究したのは炭酸カルシュウムの反応晶析で起こる核化現象で、 “ 生成する微粒子中間体が凝集し、それが転移してカルサイトが生成する新モデルを提出しました。 その成果は水野さんの代わりに2000年にオランダで開催されたInternational Salt Symposium で発表しました。水野さんは学生時代から組織的に秩序立てて思考することに対して人より優れた性格があり、修論でオリジナルな成果を提出出来たのは、水野さんのこのすばらしい素質のためと思っています。今回貴重な意見をメールで送ってもらいましたが、 私もそれと同じような意見を持っております。このような資質を持っている水野さんは平素の仕事を通して、将来の技術開発に寄与するオリジナルなアイデアや工学理論を提出し、それを適用して欧米先進国に負けないすばらしい生産技術の開発すると確信してます。 水野さんのよう独自な考えを持った期待される技術者がどんどん育つように皆で支援しようではありませんか? 〈豊倉記〉

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( 水野 隆夫 )

・・ホームページ、愛媛から拝見しました。
学生時代からうすうす感じてはいましたが、小生を含めまして近年の新卒化学工学者のレベル低下は著しいものがあります。特に致命的なことは、基礎的な理論が欠落していることです。教科書に載っている式は知っているかも知れませんが、きちんと現象として捉えられておりません。例えばラウールの法則ひとつをとってみましても、

「水と油のように殆ど溶け合わない混合液の場合はどうなるのか?」

といった質問に、なぜラウールの法則が成り立たないのか、そして蒸気圧はどうなるのか、についてきちんと考えを持って応えられる化工系新入社員は(意外にも?)少ないものです。これからの人生で、より複雑な現象に対峙しなければならないであろうことを考えますと、少なからず不安を覚えます。小生も最近になりまして、基礎的な理論はPMTのシンプルな良い教材であり、その体得なくしてはPMTの思想のつながりが細いものになりがちであると、その重要性の認識を新たにしたところです。

基礎的な理論が軽視されている原因を考えてみますと、少し乱暴な言い方になりますが、
・コンピュータを利用した設計ソフトの発展
・大学研究の最先端化
・責任回避のため、言われたことだけをこなす学生が増えたこと
などがあげられるのでは無いでしょうか。
先生のホームページは、学生たちが自分たちに足りないものは何か、化学工学者の責務とは何か、を自覚してもらう良い機会になると思います。ホームページの次回更新を楽しみにしています。




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