Home | ホームページ設立の趣旨 | 掲載予定の記事について
豊倉賢略歴
| apppendix | 新規掲載記事

2009 A-12,1: 豊倉 賢  「 城塚 正先生ご逝去の訃報を受けて 」

  豊倉研究室卒業生の中には、城塚 正先生ご逝去の訃報を受けとった人は可成りいることと思います。城塚先生は卒業生の誰もがご存じの通り、昭和19年9月早稲田大学第一理工学部応用化学科をご卒業になり、以降早稲田大学理工学部に奉職され、1991年3月早稲田大学で御定年を迎えられるまで長期に亘って学生の教育と化学工学の研究活動を精力的に行われました。この間の先生のご業績に対して、ご退職と同時に早稲田大学から早稲田大学名誉教授が贈られました。先生の長年のご活躍に対して感謝申し上げ、ご冥福をお祈り申し上げます。

  平成21年11月16日、城塚先生がご逝去されたと伺い、学部2年次に初めて受講した城塚先生担当の化学工学講義を思い出しました。その時、先生は講義の主題で話された内容に関連したことで、当時の化学工学協会で研究され、議論されてることも学部低学年の学生に分かりやすく講義して下さいまして、これが大学の講義だと緊張して勉強したことを鮮明に覚えています。先生のお姿は凛として活力に溢れ、その時の元気なお姿が一生目に焼き付いていて、御他界されたことは信じられず、御奥様からの喪中のお葉書を唖然と拝見するばかりでした。

  城塚先生は9月に肝臓癌が見つかり、一時入院されましたが癌は既に進行していて、最後の2週間は自宅で奥様がご看病されましたが、10月17日にご逝去されました。先生は最後まで意識がハッキリしておられ、葬儀は身内で済ますようにとのご遺言を残され、10月24日御親族で葬儀を行われたそうです。先日、電話で奥様のお話を伺いましたが、奥様は以前から体調が悪かった上に、看病のお疲れが重なって居られたようで、暫くは連絡など控えさせて頂こうと思っています。

  城塚先生を偲ぶ会などについては、奥様のご回復を待って奥様のご意向を伺った上で、先輩の本田先生や現職の酒井先生・研究室の卒業生と相談したいと思っています。その具体化は城塚研究室や化学工学研究室の卒業生と進め、応用化学科教室や学会などへの連絡等は早稲田大学で教鞭を執られている酒井先生を中心に化学工学系先生方に当たって頂くようにしてはと思っています。

 11月下旬、酒井先生は城塚先生ご逝去についての学内広報・早稲田応用化学会への手続きを完了されました。豊倉も広く全国で活躍している卒業生の一部と連絡をとり、意見も聞いていまして、皆それぞれ先生のご逝去を悼み、いろいろ心配してます。しかし、まだ組織的な行動は検討している段階です。

  豊倉は城塚研究室・豊倉研究室で晶析研究を行った卒業生と近況報告や種々の情報交換を行っています。また、研究室卒業生が在籍時に行った晶析研究は後輩に引き継がれ、そこで得られた研究成果は、晶析工学基礎の現象解明や晶析設計理論の提出とそれに基づく新しい工業装置・操作の開発に貢献しています。それらは国内外の研究者・技術者の評価を受けており、それらがこれからの世界工業晶析発展を担う研究者・技術者の参考になるように纏めて整理する目的で、研究室ホームページ ”tc-pmt ”の立ち上げを2004年3月に始めました。それは、現在、5年余を経過して続けています。

  城塚先生ご逝去の話を伺って10日余り経過し、複数の城塚研究室卒業生と相談している間に、城塚先生から受けたご指導の数々が走馬燈のように蘇って来ます。その内容を思うと、卒業生の皆も先生から受けたご指導を思い出し、研究室卒業後の活動過程で経験したことを通して、恩師から受けたご教訓の重みをしみじみ感じていることと推察してます。ここで各卒業生が見出した自らの人生哲学は当事者自身のこれからの活動に重要であるばかりでなく、研究室後輩卒業生の活躍にも大いに参考になること思っています。それをこの機会に纏めて後輩に伝えることは、城塚先生に対するご恩返しの一つになるとも思います。そして、このようなことを考える卒業生も多いことと想像しています。

  そこで、豊倉研究室でこれまで継続してきた研究室ホームページ tc-pmtに城塚・豊倉研究室で晶析研究を行った卒業生の「 城塚先生を偲ぶ 」記事を2010年1月より当分の間掲載することにします。寄稿の手順は従来通りですが不明な点については豊倉まで問い合わせ下さい。今回の寄稿対象者は豊倉研究室の卒業生に限定せず、城塚先生の研究哲学等に感銘を受けて寄稿を希望する城塚先生をよくご存じの卒業生の寄稿記事も受け入れますので、寄稿を希望される時は、事前に豊倉まで直接ご連絡下さい。
( 連絡先:  email:

  故 城塚 正 先生のご冥福をお祈りします。

                          早稲田大学名誉教授 豊倉 賢

  平成21年12月

top

Home | ホームページ設立の趣旨 | 掲載予定の記事について
豊倉賢略歴
| apppendix | 新規掲載記事