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2005 A-1,1:安定した永続的な発展を続けるために-1


  明治以降100年余の日本発展を考えると一時的に経済発展が停滞した時期はあったが、概ね成長し続けてきた。このような経済成長に慣れた現在の日本人は経済は常に右上がりに進むもので、またそうしなければならないと考えている。そのような発展を期待すると、生産と消費は常に増大させる必要がある。ルネッサンスは人類の歴史に光を与えたが、それ以降の西欧の発展をみると、西欧人はヨーロッパ大陸で順調な経済発展をし続けることが出来ず、アジア・アフリカそしてアメリカへと新天地を求めて領土の拡大を続けた。しかし、このような発展も限界に到達し新しい秩序を求めなければならなくなり、今も続いている。19世紀後半以降の日本は欧米文化・社会をよく学び、その良い点と日本で培われた日本人気質を調和させて鎖国時代を脱却した。そこで進めた富国強兵政策で生じた矛盾は第二次世界大戦後の民主化で解消し、欧米先進国の仲間入りをすべく努力し順調に進んで来た。その過程では日本人の正直な勤勉さと欧米に比して安価な人件費を武器に工業立国に成功し、発展を続けることが出来ました。しかし、20世紀末には日本の人件費も欧米を越える程に高騰し、単に欧米先進国の技術を参考に進めてきた従来方針の延長で安定した成長を続けることは出来なくなった。このように高度に進んだ日本がぶつかった壁を突き破ってさらに成長を続けるためには、今までに経験したことのない新しい思想、組織、ルールを構築し、工業立国に対してはオリジナルに新技術を開発して、欧米先進国と異なる得意な分野を持って、新しい製品の開発や諸外国から評価される生産技術を構築することが重要である。新しい製品の開発は従来の製品と取って変わって使用されることが多く、また、新しい製品の生産法も従来の生産技術と置き換わることが多く、このような進歩は従来製品の生産に従事していた人々の失業問題を起こすようになる。そのことは同時に社会不安を起こすことになり、これらの問題の解決なくして安定した永続的な発展を続けることは出来ない。封建時代は為政者がこのような社会不安を起こさないように支配して社会の秩序を保ったが、多くの場合そのしわ寄せを不幸な弱者に押しつけて表面的な安定を保って来た。そして、このような安定が保てなくなった時にその為政者は失脚し、新しい為政者の国へと変貌をして行った。現代民主主義国家の為政者は任期によって交代するが、その為政者は大多数の国民が支持・協力しようと判断して選出される人物であり、国民は為政者を支援する義務がある。そこで、国民に科せられる義務は自分の国が安定して永続的に発展するように自分の職務を果たすことである。近代社会は多種多様な業種があり、それらが均衡を保って発展するように運営される必要がある。またそれぞれの職種においてもその中では種々の役目に分かれている。しかし、その職種や役目もその内容や責任は固定したものでなく、状況に応じて流動的に変化するものである。筆者は社会が安定して永続的に発展することは極めて重要と考えているが、 そのためには各業種間でバランスのとれた発展をどのように実現するかが必要で、それに対する考えは各人各様であり、またある時にはある分野が突出して進歩することも必要である。 又ある時にはその分野の活動が低調であることが望ましいこともある。そのように考えると多岐にわたる業種でバランスをとると言うこと自体種々の異なる意見があると考えられる。そこで、筆者は今年のHPの1、3、5月の掲載する記事、2005A-2,1 2005A-2,2, 2005A-2,3 においては「安定した永続的な発展を続けるために」と題した共通の話題を軸に記事を書くことにする。その内容は筆者が早稲田大学理工学部応用化学科在職時に化学工学分野の晶析研究とその成果の活用において活動を続け、そこで感じたこと等について、筆者の早稲田大学退職時に記念実行委員会が出版した「二十一世紀への贈り物 C-PMT」p155~173 に掲載した3件の記事を思い出して書く。

4-7-1)「大学での工学研究」:1998年度晶析研究会講演資料より
4-7-2)「化学工学研究の今後の動向と課題」:月刊誌「ケミカルエンジニヤリング」
Vol.40 , No.1, p.1~10 (1995) より
4-7-3)「研究テーマと研究者の特性」:月刊誌「化学工学」Vol.62 ,No.2, p107 (1998) (晶析理論と技術)より転載
そこではそれらの記事を簡単な解説とともに筆者がどのような理由と経緯で自分の専門を選択し、その研究をどのように発展させたかを記述する。この中では他分野とのバランスをどのように考えていたかも触れる予定である。この記事では、幼稚園や小学校の教育問題等も1966〜1968年に米国TVA公社に滞在した時に実感した幼児教育を紹介しながら考えてみる積もりである。「安定した永続的な発展を続けるために」ついて意見をある方は3月あるいは5月に掲載できるように是非寄稿していただきたい。。筆者と同じ意見もその内容充実のために寄稿していただきたいが、全く異なるものは大歓迎ですので、振るって寄稿してください。

2005年1月

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