授業日誌 7月

7月1日(火) 授業

試験範囲のまとめ

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試験範囲は,動物の組織から生殖と発生のカエルの器官形成までです。

試験は最終日。十分準備して受験して下さい。この器官に実施した実習も,もちろん試験範囲です。レポートを見直しておくこと。

「今日の授業は,みんな必死でしたね。今日はなしたことは,かなり試験に出ます。」(B)

7月8日(火) 期末テスト

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観察・実験で確かめたり,考えたりしたことをおもに出題しました。少し厳し目の問題設定と採点を行ないました。

▼学期末テスト問題へ

「難しすぎる!!!」(生徒)「よく考えて答えて下さい」(B)

7月9日(水) 実習

ウニの発生の観察

「いくつのステージを観察できるか」

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久しぶりの授業,久しぶりの実習です。2週間前のリベンジ!昨日の午後海にもぐってムラサキウニをとってきました。昨日の夕方,今日の午前,午後,冷蔵庫に入れたのと,様々な発生のステージを用意しました。もちろん,人工受精,第一卵割の瞬間も観察しました。

いくつものステージを観察するために並べたビーカー。

ウニのメス(左),オスに,放卵,放精をさせました

卵のまわりに精子が群がり,やがて受精膜が形成されます。受精から約1時間後,第一卵割が始まり,くびれはじめてから5分ほどで,細胞は2つになります。核も見えます。


左から4細胞期,8細胞期,胞胚期,原腸胚期です。授業では8細胞期は見られませんでした。


プリズム期まで,観察することが出来ました。右は,なぜか混じっていたプルテウス幼生です。明日になると,このような幼生が観察できると思います。

「多い人は5つのステージのスケッチをすることが出来ました。」

7月10日(木) 授業

期末テスト解説

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期末テストの解説です。観察した内容を特に出題しました。また,記述問題では,いかによく考え,筋の通った文を書いているかを重視して採点しました。まだまだ,考えが甘く,人に理解させることができるような論を記述する人は少なかったのが残念です。これからもっと訓練していきましょう。

「学期末成績は,2回の考査の平均点に,平常点,実験のレポート点をプラスして出します。マイナスはありません。」(B)

7月15日(火) 授業

発生のしくみ

「モザイク卵と調節卵」

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動物の発生は,1900年初頭から生物学の最前線として多くの生物学者がかかわってきた分野です。それでもなお,分からないことが多く,現在でも生物学の最前線の一つとして,盛んに研究されています。

かつて,生物は発生するのではなく,精子や卵の中に生物の原形が出来ており,それが大きくなるだけだと考えられていました(前成説)。しかし,顕微鏡が発達して,卵や精子の中をいくら見てもそのような様子は見えません。かくして,何の変哲もない細胞から,形が作られていくのだと言うことにおさまったのです(後成説)。

「シュペーマンやフォークトは,自分で工夫して作った器具を器用に使い,様々な工夫をこらして,すばらしい成果を挙げました。お金をかけなくても,特別な設備がなくても,現在でもすばらしい発見ができるのが生物学の魅力の一つです。」(B)

7月16日(水) 授業

発生のしくみ2

「誘導」

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シュペーマンはイモリ胚の交換移植の実験から,予定運命は時間とともに徐々に決定されていくと言うことを突き止めました。また,原口背唇部を別の胚の胞杯腔内に移植する実験から,原口背唇部が移植された胚の周辺部に働いて,二時胚を形成させることを知り,この現象を「誘導」,原口背唇部のような役割を持ったものを「形成体」(「オーガナイザー」)と名付けました。

現在では,形成体によって誘導されて出来た組織が,新たな形成体となり,さらに新たな組織を分化させる(誘導の連鎖)ことによって,様々な器官が形成され,形態が作られていくことが明らかにされています。

「今日で一学期の生物の授業は終わります。二学期を楽しみに・・・・。」(B)


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